俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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あの後、十文字と真由美は本当に交渉に応じた。で、結局公開討論会を行うことになったらしい。
で、その当日。風紀委員は何人か見張りに付いてる中、摩利は不機嫌そうな顔をしていた。
「オイ、真田はどうした」
「さぁ、私は見ていませんが……」
摩利が聞いても、鈴音は涼しい顔で答えた。
「あんのアホ……この異例の事態の時にまたどこかでサボってるのか……?」
「どうかしましたか?」
そこに、達也と深雪がやって来た。
「いいところに来た、司波。真田を知らないか?」
「さぁ……。俺は見てませんね。深雪は?」
「私も見てませんが……」
「あんにゃろ……」
摩利は奥歯を噛み締めた。相当イラついてるようだ。
「普段は嬉々として生徒ボコる癖に、警備の時はサボる、か。良い度胸してるな……」
気が付けば、メラメラとなんか燃えていた。
「司波、すまないが少し探してきてくれるか?」
「了解しました」
「見つけ次第、捕獲してくれ。私がボコボコにする」
コキコキと指を鳴らす摩利に呆れつつも、達也は深雪と共に探しに行った。
○
講堂の屋上。そこでアイマスクをつけて大輝は寝ていた。
「zzz……」
鼻ちょうちんが大きくなったり小さくなったりして、口元からはヨダレが垂れる。スッゲェ気持ちよさそうに寝ていた。昼寝の代表みたいな。
「……おまっ、それどこがチョコアイスだよ……どう見てもウンコじゃねぇか……」
………寝言以外は。すると、グラリと体が揺れた。寝返りでバランスが崩れたのだ。
「zzZ〜……」
そのまま屋根の上を転がり、落下。そして、ゴシャアァッと音を立てて地面に落下した。
「いってぇ……何、何事?」
と、顔を上げると電気工事の作業員みたいな格好したテロリストがテロの準備をしているど真ん中に落ちた。
「………えっ?」
お互いに固まること数秒。
「怪しい奴め!」
「いや、お前らに言われたくねぇ。バズーカ持った作業服って、まるで怪しいを絵に描いたようなやつだな」
「いーやお前よりは怪しくないね!制服に木刀にアイマスクしてて空から降ってくる奴のが怪しいわ!」
「屋上で昼寝してみたかったんだよ。学校の屋上で昼寝って学生なら誰でもやりたくなるだろ。そう考えると俺は怪しくなんかない」
「分かった、分かったよ。百歩譲ってお前が怪しくないとするよ?なら俺も怪しくないだろ。ほら、俺は電気の工事に来た人だから」
「なんで電気の工事に来た人がそんな黒光りしたバズーカ持ってんだよ」
「それはあれだよ。工事のついでにウィルスバスターしとこうかなーみたいなウチのサービスだよ。このバズーカ、ウィルス・キラーMk-4」
「………ふーん。いいなそれかっこいい。ちょっと貸せよ」
「ん?おお。重いから、気を付けろよ」
手渡されるバズーカ。それを大輝は肩に担いだ。
「スゲェー。ガンダムバズーカみてぇ」
「それ俺も思った!」
と、盛り上がってると、大輝はバズーカを構えた。
「じゃあ、早速、ウィルスをキルしようかな」
「えっ、ちょっ、待っ」
チュドォォォォォォォンッッと爆発した。
○
講堂の中。ちょうど今、終わったところなのか、真由美が拍手喝采を受けている。それを見ていた摩利の元に達也と深雪が現れた。
「渡辺先輩、少なくとも講堂内にはいません」
「そうか……と、なると外にいるのか……?あとで探し出さないとな」
などとやってる時だ。チュドォォォォォォォンッッと轟音が響いた。
「なんだ?」
だが、講堂にはなんの異常もない。どうやら、外での爆発のようだ。その瞬間、動員されていた風紀委員が一斉に動いた。同盟のメンバーを次々と拘束する。
「ここが狙われたわけではないのか?」
「とにかく、外に出ましょう」
摩利と達也と深雪は外に出た。外では、大輝が敵の影を見つけてはバズーカを撃ちまくっていた。
「何してんだお前は!」
達也のツッコミ。大輝は振り返ると、バズーカを構えた。
「えっ、ちょっ……」
「嘘でしょ?」
だが、バズーカを容赦なく発砲。ギリギリ三人は躱した。
「なっななな何するんだお前!」
「いやすいません、テロリストだと思ったもので」
摩利に睨まれても、あっけらかんとした表情で答えた。
「で、何の騒ぎですかこれは?」
「いや、お前が最初にここにいたんだからお前が分かってなきゃおかしいだろう。てかどうしたんだそのバズーカ」
大輝の質問を達也が一蹴した。
「テロリストからバズーカもらった」
「何、お前テロリストと知り合いなわけ?」
「なりゆきだよ」
で、ようやく話を進める。
「さて、俺はとりあえず実技棟に行きますけど」
「え、何。実技棟になんかあんの?」
「わかった。気を付けろよ」
大輝の質問を無視して、達也と深雪は実技棟に向かった。
「じゃあ俺も行くか。いいっすよね委員長?」
「ああ。暴れてこい」
大輝は後に続いた。