東京で雪が降ると、実際けっこう大変なんです(画像はイメージです)。

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東京で雪が降ると「休校」がTwitterトレンド入り


11月24日。東京で54年ぶりとなる、11月の降雪が確認された。

ところで、台風や雪などがあると、Twitterのトレンドに必ずあがってくるのが「休校」という言葉。

「雪降ってるのに休校にならなかった〇〇(学校名)許さん」

「見よ! これが△△高校だ! 雪だろうと台風だろうと何があろうとも普通に来させるブラックスクール!!!」

休校を望む声、自分の学校が「休校」にならないことに対する失望の声も多数あるが、その一方でかなり多数あがっていたのが「東京では雪が降るだけで休校になる」というイメージへの他県からの怒りの声だった。

「東京って雪降れば休校なるんでしょ!?ゆとりもクソもねえな!!!!!!(?)」

「あのくらいの雪で休校とか東京に生まれたかった」

「東京雪で休校とかうらやまっ」

「雪が降るってだけで東京の学校は休校になるって聞いて、あほなのかと思いました 笑」

「東京はいいなー雪が積もっただけで休校になる」

「東京って雪1センチ積もったら休校になるんでしょ?早く休校にして」

実際にごく一部には休校になった学校もあったようだが、そうしたごく一部のつぶやきによって、あたかも「東京では雪が降るだけでどこも休校になる」かのようなイメージが拡散されてしまっていた。

自分自身も長野出身で、かつては自宅の庭でかまくらが作れるほど雪が降る地域に住んでいただけに、もし学生時代に同様の状況に出合っていたら、ごく一部の情報だけを得て「ハァ? 東京って雪降るくらいで休校になるの!?」と憤慨して気がする。だから、こうした怒りの呟きは、わからなくもない。

また、「東京+雪=休校」イメージが拡散された理由には、「東京」で「雪」が降っても「休校にならない!」という呟きが数多くあったせいもあるだろう。

「東京に雪とか本当やめて…どーせ休校にならないから」

「こっちは休校読み夜更かししたのによ~東京の雪マジ使えねえ」

「交通機関も止まるし、自転車使えないし雪なんか降らない方がいいんです! ちなみに東京だけど休校とかなにそれ状態」

「雪に弱い東京を利用して休校かなり期待したんだけどな……残念……どころか、遅刻ギリ(爆笑)」

これも、豪雪地帯に住む人からすると、軟弱な呟きに聞こえるかもしれない。
でも、実際、東京は電車の本数が非常に多いことや、多数の路線が接続していることなどから、何かトラブルや天候不良などがあると広範囲で影響が出る。「雪だけで止まる・ダイヤが乱れる」のはある程度仕方ないのだ。

ネタやデマをツイートする人も


さらに「休校」については、愉快犯的な「ネタ」「デマ」のツイートも多数見られた。
例えば、実際の高校名の漢字の偏や旁などを微妙に変えて「〇〇高校では本日、雪のため休校とします」「△△高校は本日、降雪による交通の乱れが予測されるため、三限目からの登校とします」などとツイートする者が出てくる。
すると、それを見た同校の生徒たちが「ネタ」と認識したうえで、それにのっかるかたちでリツイートする。また、他校の生徒たちはそれがデマであること、あるいは高校名の漢字が微妙に異なることなどに気づかず、真に受けて「〇〇高校は休校なのに、なぜうちは休校にならないんだ!?」「△△高校は三限目からなのに!」などと呟く。

こうして事実とは異なる情報が拡散され、「東京は雪で休校だらけ」という誤った認識がさらに広まっていっていたのだ。

SNSが普及した現代だからこそ起こりうる、雪の日のデマやネタ・偏見の数々。
ごく一部の呟きで、つい「東京はみんな~」と言いたくなる心理はよくわかるし、こんなネタやデマなら罪のないものだけど、もしそれが重要な問題である場合には、「拡散」する前に、ネット検索などのひと手間加えて事実確認するクセをつけておきたいものだ。
(田幸和歌子)