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飼いませんか弥富文鳥 繁殖の佐屋高が販売を開始

育てたひなをいとおしそうに見つめる生徒たち=愛西市東條町の佐屋高で

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 生産者の減少により存続が危ぶまれている「弥富文鳥」の継承を目指す佐屋高校(愛西市)の「文鳥プロジェクト」。生徒たちが今月、校内で繁殖させた文鳥の販売を始めた。2017年秋に初めて繁殖に成功して以来、さらに研究を重ね、ひなの安定的なふ化を実現した。生徒たちは「文鳥の魅力が広まっていけばうれしい」と、さらに意欲を見せている。

 弥富の文鳥は明治以降に農家の副業として飼育が始まり、最盛期には約二百四十人の生産者がいたが、現在は高齢化などでわずか二軒が残るのみとなっている。愛玩動物や家畜の飼育を専門に学ぶ「生物生産科アニマルコース」がある同校では、文鳥文化の継承に取り組んでおり、一三年から本格的に飼育を始め、一七年秋に初めてひなの繁殖に成功した。

 プロジェクトのメンバーは現在、一~三年生の八人。初めてひなが誕生した後も、つがいの相性を見極めたり、エサの調合を考えたりして、強いひなが生まれるよう研究を重ねてきた。自動でかご内の温度を管理できるヒーターも導入し、ふ化後に親鳥から離れた後もひなが弱らないよう工夫した。

 これらの活動が奏功し、昨冬には約三十羽、今冬もすでに四十羽のひなが誕生した。目標としていたひなの譲渡ができる数になったとして、先月、県動物保護管理センターから販売の許可を得た。「文鳥文化を広める」というプロジェクト当初の理念にたどりついたことに、指導する野沢更紗(さらさ)教諭(31)は「生徒たちが自ら考え、行動した結果。感慨深い」と振り返る。

 今月上旬に発売をツイッターで告知し、すでに希望者から問い合わせも受けている。十七日にも、購入希望者が文鳥の様子を確認しに同校を訪問。同校に通う孫から文鳥のことを教わったという愛西市佐屋町のパート黒田幸子さん(61)は「伝統を守る素晴らしい活動。かわいらしさに引かれる」と目を細めた。

 販売価格は、全身白色の白文鳥と、黒色や灰色が交ざる桜文鳥ともに三千五百円。直接文鳥を引き取りに来られる人に限る。

 三年の鈴木胡春(こはる)さん(18)は「元気に育ってほしいと愛情を注いできた」、福沢真歩さん(18)は「飼い主の自慢の文鳥にしてもらいたい」と語る。(問)佐屋高=0567(31)0579

 (大野雄一郎)

 

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