前田:SHOWROOMは、おひねりの文化にインターネットを掛け合わせて作ったんですけど、この「掛け合わせ」が大事だと思っています。例えば、FP(フィナンシャルプランナー)×ライザップとか。ライザップは肉体×ライザップですけど、金融×ライザップをやってみたら面白いんじゃないか、とか。新規事業を考える時はそんな風にスライドさせて考えています。
成井:私も、持っているスキルの掛け合わせで起業しました。今までやってきたことの延長線上にしか答えはないと思っているので、まずは自分の強みを整理して、自分に何ができるのかをフラットに考えたんです。
私の場合は「圧倒的営業力」が強みでした。そこに、それまで築いてきた人脈を通じて教えてもらったメディア運営のノウハウを掛け合わせて、「JION」という男性向けのWEBサイトを立ち上げたんです。起業の種は、市場のニーズと自分の強みの掛け合わせにあると思います。
前田:市場のニーズはそうですね。孫さんも言っていることですけど、まずは既存の成功している何かの現象を捉えて、抽象化する。仮説より現象のほうが強いですから。なぜこれが流行っているのか? 人の心や時間が使われているわけを分析して抽出するんです。そして、抽出したものの中の要素を1つ変えてみる。抽出したもの同士を掛け合わせていくと、とんでもないものが生まれる可能性があると思います。
成井:そうですね。それから、自分に強みと言えるほどのスキルがない、まだ何者でもないうちは、目の前のことを一生懸命やって1つでもトピックになるような実績を作るようにしていました。何もないところからスタートするのはみんな同じなんですよね。そこからひとつひとつ実績を積み上げて、いくつ残せるか。
会社でトップの営業になって、年間MVPよりも月間MVPをたくさんとって活躍しているイメージを作るとか、そういう実績の積み重ねと周りからの評価もセットで、自分が「すごい人」に変わっていくんだと思います。
今はセルフプロデュースの時代ですけど、そうして作った実績に人が共感する時代だと思うんです。だから、短期的な目標を持ってどんどん動いた方がいい。それを達成することで、「なりたい自分」になっていけるのかなと。
今回『ダメ億』(『ダメOLの私が起業して1年で3億円手に入れた方法』)という本を出したのも、働き方改革で、働く時間や挑戦の大きさも自分で決められるようになった世の中では、自分次第でどんな夢でも叶えられるということを多くの人に伝えたかったからです。私のダメOL時代から、人生を立て直したノウハウを赤裸々に書きました。