お客様の笑顔こそが至上の喜び
No.1の建築業者を目指し邁進する
■どんな逆境に陥っても 謙虚に努力を重ねれば いつか必ず克服できる
越崎社長は、若くして逆境に苛まれた。それは、ちょっとやそっとでは越えられない壁だった。
しかし、社長は決して逃げない、と心に決める。一歩ずつでも歩みを進め、必ず克服してやる、と。
そうして数年をかけて誓いを果たした社長の中で、安堵、喜びと共に、新たな想いが生じた。それは、謙虚な姿勢を持ち続ける、ということ。
自分は、お客様に仕事をさせていただいている──。
その想いがあればこそ、感謝の心が芽生え、よりよい仕事を突き詰めようと、努力を重ねる。そして、努力の先には、必ず目標の達成がある。その事実を身を以て知った社長に、もう逆境はない。
【足跡】 中学卒業後、父親のもとで建築業者としての修業を開始する。職人として技術を培い、21歳で独立。厳しい状況の中、謙虚な姿勢で信頼を獲得し、堅実に実績を上げている。
リーマンショック以降、日本経済全体が低迷から抜け出せず、建築業界も苦境を強いられている。そんな中、札幌市を拠点に一般住宅建築を手がける『グロウス』は、顧客満足度の向上に専心し、謙虚な姿勢で事業に臨み続けた結果、着実に業績を伸ばしてきた。本日は、その躍進の秘密を伺いに俳優の伊吹吾郎氏が同社を訪問。「どうすればお客様に喜んでいただけるか?」を常に自問しながら全社員と一丸となって邁進する、越崎社長にインタビューを行った。
伊吹 まずは、越崎社長の歩みからお聞かせ下さい。社会に出て、すぐに建築業界に入られたのですか。
越崎 はい。父が建築業を営んでいたので、義務教育を修了したと同時に父のもとで働くようになりました。当時は住宅の基礎工事を主業務としており、職人として現場で日々腕を磨いていたのです。
伊吹 独立しようと思われたきっかけは何だったのでしょう。
越崎 実は、21歳の時に私の失敗が原因で多額の借金を負うこととなりまして。とても21歳の未熟者がすぐに返せるような金額ではありません。勤めながら返済することも考えましたが、それでは到底追いつかないと腹を括り、自分で仕事を取って借金を返していこうと決意したのです。そうして、まずは個人事業主として独立しました。
伊吹 世間的に21歳と言えば、まだまだ遊びたい盛りのはず。よくぞ心を決めて頑張られましたね。
越崎 正直、精神的にはかなり追い詰められていました(苦笑)。ですが、ここでもし逃げてしまったら一生逃げてまわる人生になると思い、少しずつでも返済していくと約束し、死に物狂いで仕事に励んだのです。ありがたいことに仕事は順調にいただくことができ、8年間かけて全額返済することができました。それまでスタッフたちは借金を抱えている状況を知りつつも、一生懸命働きながら付いてきてくれました。皆のお陰で頑張れたと、本当に感謝しています。重荷がなくなった今、ある意味でこれからが本当のスタートですし、仕事を通して皆にも恩返しをしていきたいと思っています。
伊吹 本当によかったですね! ただ、業界全体では不況が続いているようですが、業績は今も順調に?
越崎 それが、お陰様で急成長と言っていいほど、着実に歩みを進めることができているんです。
伊吹 ほう、その要因は何だと?
越崎 当社ではCS、いわゆる顧客満足度の向上を最も大事にしていまして。お客様にどのような住宅、サービスを提供すれば喜んでいただけるか、を常に考えながら全ての仕事に臨んでいます。確かな施工を完遂させるのはもちろんのこと、職人には身なりや挨拶などもきちんと指導して、お客様に気持ちがいいと思ってもらえる対応を心がけているんですよ。それらは当然のことかもしれませんが、当たり前のことを当たり前にする、そして常に意識を高く持って積極的によりよいサービスを模索することが一層の成長につながり、その結果、お客様に選ばれる存在へと近づけるのだと思うのです。私たちは、お客様から仕事をさせていただいている立場。「どうすれば喜んでいただけるか」を考えて行動することは当然ですし、その想いこそが私の原点であり、原動力なのです。そして何より相手に喜んでいただくことは、私自身の喜びでもありますから。
伊吹 社長が、常にお客様本位の姿勢であることがひしひしと伝わってきます。右肩上がりに成長を続けられているのも納得ですね。では、社内環境においてはどのようなことを心がけて?
越崎 一般的な会社組織はピラミッド状になっており、ピラミッドの頂点に社長が、その下に社員がいますよね。ですが、この構造だと下の者の声がトップに充分に伝わりません。そこで、当社では社長は社員を支援する立場である、という逆ピラミッドの法則に則り、社員の声がトップにしっかりと届くような組織づくりを心がけているんです。ですから経営者であろうが、現場のことを知らなければなりません。現場に出れば、社員の皆が「どうすればより働きやすく、喜びをもって仕事ができるのか」が、見えてくるのです。そのために心を砕くことこそが社長の役目。その点を心得ておかなければ、社員は絶対に付いてきてくれないと思っています。
伊吹 まるで、数十年間経営者として歩まれてきた方が説くような、見識に溢れたお言葉です。これほどしっかりとした信念をお持ちの社長が牽引されている御社なら、今後も安泰でしょうね。では、最後に今後の展望をお聞かせ下さい。
越崎 実は、2011年に一般住宅の除雪を行う別会社を立ち上げました。これからもお客様に喜んでいただける仕事を追求し、チャンスがあれば新たな事業柱も打ち立て、経営基盤を盤石にしていきたいと思います。そうして当社をどこよりも素晴らしいと認めていただける、No.1の建築業者へと育てたい。大きな苦労を乗り越えたという自負、その時に感じた周囲への感謝を決して忘れることなく、皆で力を合わせて邁進して参ります。
「どうすれば喜んでもらえるか── その想いこそが私の原点であり原動力。そして、その実現が何よりの喜びなのです」(代表取締役 越崎 芳光)
「地域、そして全国から求められる 唯一無二の存在を目指して頑張って下さい」
(ゲスト 伊吹 吾郎)
揺るがぬ信念を胸に抱いて
「喜んでもらうために何ができるか」──対談中、何度もこの言葉を口にしていた越崎社長。その想いで行動するのに、公私の垣根はない。実は東日本大震災発生直後も、社長は「自分たちに何ができるか」を考え、5名の社員と共に岩手県に炊き出しのボランティアに訪れた。
現地には、そこらかしこに地震や津波の生々しい爪痕が残っており、想像以上の事態を目の当たりにした社長は、心を大きく揺さぶられたという。そして、地元に帰って思った。「被災地の方々は働きたくても働けない。私たちが精一杯働かなければ、皆様に申し訳ない」と。
以来、社長の中で仕事に対する想いは一層深まった。お客様だけでなく、社員をはじめ周囲の人々の笑顔のために、頭と身体を動かし続ける社長。その姿は、喜びとやり甲斐に満ち溢れている。「今後も、この信念がぶれることは決してない」──社長は最後に、堂々とそう語ってくれた。
「越崎社長の仕事に対する真摯な想いに触れ、このご時世でも、順調に成果を上げておられる理由が分かりました。それでも社長は決して慢心せず、さらなる高みを目指して自分のすべきことを模索し続けておられる。きっと、今後も幅広く活躍されるでしょうね」(伊吹 吾郎さん・談)
名 称 | 株式会社 グロウス |
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住 所 | 【本社】 北海道札幌市手稲区西宮の沢四条3丁目1-20 |
代表者名 | 代表取締役 越崎 芳光 |
掲載誌 | トップフォーラム 2012年9月号 |
本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。