「第56回愛知杯」(GIII・26日・中京・芝2000メートル)でレッドジェノヴァが始動する。昨年は初オープンだった10月の京都大賞典で2着。続くエリザベス女王杯はスムーズさを欠いての4着と素質を全開させつつある。遅咲きの5歳馬がまずはここで重賞タイトルに手をかける。
レッドジェノヴァはクラブ所有の5歳馬。繁殖入りまでのカウントダウンはあと1年になった。だからこそ、小島師の言葉にも力が入る。「この春のローテの考え方は、とにかくどこかで重賞を勝たせてあげること。適性を考えると天皇賞・春だって距離は持つと思う」。巡り合わせの妙で重賞未勝利だが、受けて立つくらいの気持ちでいる。
何しろ実績は最右翼。昇級初戦で2着に食い込んだ京都大賞典は古馬の一線級が複数そろった好カード。サトノダイヤモンドに半馬身差まで迫った内容は牝馬限定重賞に出てくるメンバーなら威張れるものだ。
11月のエリザベス女王杯から2カ月半ぶりになるが、年末から着実に乗り込みを重ねている。17日の1週前は美浦Wでロードクエストらを外から追いかけて同入。「この後もしっかり乗って、それで大丈夫なら心配ない」と小島師は自信を見せる。
重箱の隅をつつけば、左回りで勝利がない。「課題を挙げれば左回りかな。右手前が短い傾向のある馬だから」とトレーナーも自認するが、最後に左回りを走ったのは本格化する前の昨年2月の東京だ。素質の花開いた今なら事情も違ってくるだろう。
すでに牝馬戦線の主役の一角を占める資格があることは疑いようがない。初春の桶狭間は、初の重賞タイトルを手に入れて実力に箔(はく)をつける舞台だ。 (美浦取材班)