2012年度、2014年度に続き、4年ぶり3度目の実施となる「書の授業」。過去2回と同じく講師は書道家として霄花の雅号を持ち、タレントとしても活躍する矢野きよ実が担当した。2018年度メンバーにとっては初めての「書の授業」だったが、進路模試のため八木美樹は欠席。八木を除いた11名が「書」について学んだ。
1時限目には新谷ゆづみ、吉田爽葉香、田中美空、野崎結愛の4名が出席。講師の矢野は登場するやいなやさくら学院担任の森ハヤシをいじり倒し、軽妙なトークで会場の緊張をほぐしたあと、生徒たちに書を書くうえでの心得を伝える。「心の中にあるものを筆を通じて紙に書く」という教えを受けた4人はまず紙を足で踏み、手先だけではなく全身を使って線を書くことに挑戦。縦線と横線を書く練習をしたあと、「山」の文字をはがきサイズの紙に次々と書いていった。
筆運びを覚えた生徒たちは、胸の中にある思いを紙にしたためていく。最初は直感的な言葉を書いていた4人だったが、徐々に自分の心と向き合い、日頃抱いているメンバーへの感謝の思いなど、卒業式シーズンならではの言葉を紙につづった。矢野は1つひとつを拾い上げ、その書に込められた思いを生徒たちに尋ねる。大きな文字で「人生最高」と書いた田中は「この人生がなかったらさくら学院に出会えなかった。だから『人生最高』」と笑顔を見せ、吉田はこれまで努力を積み重ねて成長してきた自分自身を讃えるように「努力に勝る天才なし」という大好きな言葉を力強く書いた。野崎は「みんな大好きだよ」と素直な気持ちを紙いっぱいを使って表現。新谷は「たから」「さくらが大好き」と3月末に卒業するさくら学院への思いをぶつけた。
日高麻鈴、有友緒心、森萌々穂、野中ここなが出生した2時限目も1時限目と同ように「山」を書くところからスタート。いつも絶妙なボケや強烈なキャラクターでファンを喜ばせようとする中等部2年コンビの有友と森萌々穂は、「書の授業」でも「ウケたい」「のってきた。」など、個性的な書を披露して会場を笑いに包む。そんな2人も後半になると、徐々に笑いを取りに行かなくなり、有友は「笑顔にさせたい」という書と共に「自分がウケたいんじゃなくて、みんなを笑顔にさせたいんです」と本心を吐露。森萌々穂も「自分の心の中で思っていることを文字にすることが楽しいと思えた」と、楽しい気持ちがあふれ出すような躍動感たっぷりの「私の心」を書いた。
デザイン性の高い書で矢野を驚かせ続けた野中は正方形の紙が与えられると、「神様はのりこえないかべはのりこえないかべはあたえない」とめいっぱいに書く。野中いわく「のりこえないかべは」は勢いのあまり2回書いてしまったそうだが、それを矢野と森ハヤシは「素晴らしいことですよ!」と評価。野中はそれを受けて「ほめられた イェーイーイ」と感情を爆発させた書を書き、「普段あんまり褒められないのでうれしかったです!」と笑顔を炸裂させた。芸術肌の日高は足を墨で汚しながら、「宙」「自由」「天をあおぐ」など、思い付いた言葉をどんどんつづっていく。周りの声が聞こえないほど夢中になって、最後に書いた言葉は「夢中。」。ダイナミックな筆使いで書かれたこの作品に矢野も「これはすごい……」と思わず舌を巻いた。
3時限目には麻生真彩、藤平華乃、白鳥沙南が登場。麻生と藤平は昨年度の卒業生・岡崎百々子と共に結成していた「KYG」こと「恐怖のイェーイ軍団」の“G”担当・岡崎に代わって白鳥が仮加入したことを明かす。新生KYGはお決まりのポーズを取って会場の笑いを誘った。ハイテンションで始まった3時限目だったが、いざ筆を持つと3人は真剣に紙と向き合い、矢野に「この3人本当にいい線をつかみますね」と言わしめるほどに、しなやかで力強い書を生み出していく。中でも白鳥が横長の紙に書いた「一瞬」は、その達筆さと大胆さが評価された。
麻生が「らしさ」「思い出いっぱい」「泣かない」と3月末でグループを卒業する自分を鼓舞する言葉をつづると、同期の藤平は「本当は今の中3ともっと踊りたいし、一緒にいたい。本当は卒業してほしくない」という思いを「本当は」という書に込めてみせる。これに麻生は瞳をうるませたが、グッとこらえて気丈に振る舞った。そんな中、矢野は森ハヤシにも書を書くように提案。有友にかぶせて「ウケたい」という書を書くも、それ自体が観客にあまりウケないという苦しい状況に森ハヤシは頭を抱えたが、「すべったっていいじゃないか」と自らを慰める書でその場を収めた。
最後の1枚を書き終えた麻生と藤平は、矢野からの提案でもう1枚ずつ書を書くことに。藤平が「麻生真彩」と書いて見せると、麻生の涙腺がついに崩壊。そんな麻生はさくら学院に転入した2015年度の楽曲「キラメキの雫」の歌詞の中から「史上最高のありがとう」という言葉を選んで書き、それを大声で読み上げた。
※日高麻鈴の「高」ははしご高が正式表記。