魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮) 作:カボチャ自動販売機
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ではまた後書きで。
日本に帰還してもうすぐ三ヶ月が経つ。
司波兄妹とは直ぐにとはいかなかったが仲良くなれた。正直ぞんざいな扱いを受けるんじゃないかと心配していたので意外だったが司波兄妹としてはぼくの父と母には多少思うところはあるものの生まれてきた半分とはいえ血の繋がった弟にまでその責任を負わせるつもりはないというスタンスらしい。やだカッコいい。
兄の司波達也とはCADのことで思いの他話題があったので話す機会が多く仲良くなるのは難しくなかった。妹の司波深雪は当初、余所余所しかったが徐々にそれも無くなっていきとある出来事の後は良好な関係を築けている。今では料理という共通の趣味で意見を交換したりしているくらいだ。えっぼく料理できるよ?前世でかなりやってたし。得意なのはお菓子作りだけどね。リーナには女子力高いとか言われたっけ(遠い目)。けど問題が一つあって司波深雪のブラコンはぼくにまで発揮されてしまったということだ。しかも弟だからか遠慮がない。過剰なスキンシップ、女装させようとしてくる、お姉ちゃんと呼ばせようとする(結局ぼくが折れて姉さんと呼んでいる)など挙げればキリがない。キャラ崩壊も甚だしい姉さんの暴走をいつも司波達也…兄さんが納めてくれるので助かっている。流石ですお兄様!
さてそんなぼくが今何をしているかと言うとフォア・リーブス・テクノロジーの第三課に来ている。兄さんも一緒だ。えっ姉さん?置いてきたよ?だっているとぼくがひどい目に会うし兄さんも必要以上に疲れるからね。
「おぉ御曹司!今日は彼女を連れてきたのか!?」
ヒョロリと背の高い、但しひ弱さは微塵も感じさせない、灰色の作業服に身を包んだ技術者っぽい男が何やら声を挙げると他の職員も「御曹司の彼女!?」「可愛い!さすが御曹司!」などと騒ぎ出す。それに頭を抱える兄さん。
彼女って誰の事を言ってるんだ?ここにはぼくと兄さんしか……ぼくと兄さんしか?
「彼女ってぼくのことか!?」
「しゃべった!」「そりゃしゃべるだろ」「ボクッ娘だ!」「声も可愛い!」「さすが御曹司!」などと一言しゃべっただけで凄い反応。
「兄さん」
「はぁ…分かってる」
兄さんに若干涙目で頼むと一歩前に出て言う。
「彼女じゃないです、俺の弟、司波 雪花ですよ」
第三課が凍った。
◆
「いやー悪い悪い!まさか男だったとは」
そんなふざけた事をいうのは最初に彼女だなんだと騒ぎ始めた灰色の作業服の男、牛山さん。この第三課の主任でなんとトーラスシルバーの片割れ、トーラスだという。原作にも登場してた気がするけどなんか流し読みしてて名前も容姿も知らなかった。
「ミスタートーラス、実は彼に貴方の技術を叩き込んで欲しいんです」
「本気かミスターシルバー?いや他でもない貴方の弟?だ、よしっ俺の技術の全てを叩き込んでやる!」
良い場面で申し訳ないが言わせてくれ。牛山てめぇ弟の後にクエスチョンつけやがったな!誰がお前みたいな奴に教えを乞うかよ!
─一時間後─
「師匠!どうです!?」
「あぁ完璧だ!しかしすげぇな一回見ただけでこなしやがる。しかもこれまで独学だったんだろ?」
「いやー師匠にはまだまだ敵いませんよ」
「よっしゃ!なら今度はこれだ!まずは俺がやって見せてやる!」
「お願いします師匠!」
牛山さんは凄かった。ぼくでは到底真似できないような技術知らなかった技術を沢山持ってる。だからぼくは敬意を称し師匠と呼んでいるのだ。
えっ変わり身が早い?ナンノコトカナー。
ぼくは原作読んでる時から牛山さんはやる奴だと思ってたし?オーラが違うというか?才能が溢れているというか?髪形もきまってるし?見方によってはイケメンだし?
まあ何が言いたいかというとだ。
人間、勘違いは誰にでもあるよね!ってこと。
司波兄妹とどうやって仲良くなったのかは後々過去編という形でやります。
さて多少中途半端ではありますがここでUSNA編は終了です。USNA編といいつつ半分は日本での出来事なんですけどね。
というわけでついに原作一巻に入ります!プロローグが終わりいよいよ本番といった感じでしょうか。
章終わりということで明日は更新しないかもしれませんが明後日にはいつも通り0時に必ず投稿します。