魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮) 作:カボチャ自動販売機
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九島烈。つい最近まで世界最強の魔法師の一人と目されていた大物中の大物。おまけに十師族だ。「最高にして最巧」と謳われ『トリック・スター』なる二つ名持ち。正に生ける伝説。
その九島烈がいた。
リーナのためにわざわざアメリカまで来たのだ。なんでも九島家の秘伝らしいのでぼくは見ることができないのだが弾さん曰く変装の魔法らしい。
いやーそれにしてもまさか弾さんとリーナが十師族のそれも原作キャラの身内だったとは。弾さんは九島の血縁者ではないらしいが、二人とも本名は弾・クドウ・シールズ、アンジェリーナ・クドウ・シールズと言うそうだ。正直予想外だ。ぼくが原作キャラに関わることで未来が変わる可能性は今より格段に上がってしまう。ただでさえぼくという
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そう思っていた時期がぼくにもありました。
「ふむたしかに素晴らしい才の持ち主だ。あやつらが欲しがるのも分かる」
引きこもり作戦は初日に頓挫した。トントンという可愛らしいノックと共に「セッカ開けてー」というリーナの声が聞こえぼくはあっさりドアを開けた。開けてしまった。
「やあ古葉雪花君。九島烈、ただの老いぼれだよ」
圧倒的存在感。総白髪をきれいに撫でつけスリー・ピーススーツを隙無く着こなした腰なんて曲がっておらず姿勢良く立つその男からは今までに感じたことがないほどのそれを感じた。
かくして図らずもリーナの謀略により原作キャラ九島烈と対面することになった。とりあえずリーナは後でお仕置きするとしてこの状況どう切り抜けるべきか。
既に彼はこの部屋に入った時点でぼくに何らかの才を見いだしたらしく二言目には誉め言葉。そこで彼は父さんの妻の実家を
「そう緊張せんでもいい。ただ顔を見にきただけだ」
なら早く帰ってください。とは言えないので黙って聞く。ぼくは空気を読む子なのだ。
「君は魔工師になりたいのかな?見たところCAD関連の資料のようだが」
「少し興味があったので今はハマっているというだけです。将来は科学者になります」
「ハハハハハ!君は面白いな。そうかCADは少し興味があっただけか。フッフ、君の将来に期待しているよ」
ひとしきり笑ったあと彼はぼくの肩にぽんと手を置くと部屋を出ていった。
体感は別として時間にすれば本当に短い対談だった。交わした言葉も一言二言、何か原作に大きな変化が出るようなことはなかったと思う。とりあえず乗り切ったということで良いだろう。
さてリーナにお仕置きしにいくか。
九島烈の口調が難しいです。それっぽければいいやという感じで書いた結果これです。
いやこの頃の烈さんは原作初登場時より若いからこれでいいよね!(震え声)
さて明日も0時に投稿します。お楽しみに。