魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮) 作:カボチャ自動販売機
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ぼくはなぜ死んだのか。最後に覚えている前世の記憶は学校帰りに本屋で行き立ち読みをしている所だ。恐らくそこで何らかの事故に巻き込まれたのだ。正直本屋で死ぬような事故って何だよと思わないでもないがトラックが突っ込んできたとかそういうやつだろ。えっ読んでた本?ジャンプだよ言わせんな恥ずかしい。あっちなみにぼくは享年16歳、高校一年生でした。
さてぼくが転生して早一年。大体今の自分の状況というものも分かってきた。魔法科高校の劣等生の日本には
それがぼくの名前である。
そして名前以外にも分かったことがある。それはぼくの家は所謂複雑な家庭というやつらしいということだ。まず父親がいない。この一年一度も見ていないし第一母の指には結婚指輪がないのだ。つまりぼくの母は未婚の母というやつなのだ。複雑な理由がないわけがない。とはいえ母はしっかり育児をしてくれるし家政婦さんもついている。今のところさほど問題はない。えっ?家政婦さんとはなんだって?いや実はうちの母さん中々でかい企業の上役みたいでかなりの高給取りらしく家政婦さんを雇っているのだ。母さんの金持ちっぷりは少し部屋を見渡せばすぐに分かる。魔法科高校の劣等生の舞台は歴史の分岐した近未来なため技術の進歩が目覚ましく機械関連については何も言うことはできないが家具の類いは別だ。前世では触ったこともないような高級っぽい家具が並べられている。それにどうやらこの家は都心の高層マンションの一室らしいのだ。しかもかなり広い。前世のぼくの家の一階より広いのではないだろうか。そんな部屋に住んでいる母さんはいつも忙しそうで家にいる間もこの時代のパソコンらしきものをカタカタやったり電話でどこぞに連絡したりしている。それにスーツ姿を良く見かけるしね。これはもうバリバリ働いているキャリアウーマンという可能性しかないね。そりゃ家政婦さんを雇うわ。
とまぁこの一年で分かったのはこんなところ。自分の名前と母が未婚で高給取りのキャリアウーマンであるということ。いや仕方ないじゃん。ほとんど部屋から出して貰えなかったし。これだけ情報を集めるのも苦労したものだ。なんせあんまり動けないし言葉が話せない。一歳児がまともに話すのはおかしいだろうから言葉を発するのは控えている。まともな子供は何歳から普通に話せるようになるのだろうか。うーんとりあえず3歳までは待つことにしよう。それまでは今まで通り聞き耳をたてての情報収集だ。
よし明日から本気だそ!
ぼくは明日から本気だすを良く使う人間なので主人公の気持ちが良く分かります。
そして明日になっても同じ台詞を使います。明日から本気だす良い言葉ですね。