日本は立ち上がりから、サウジアラビアのレベルの高い攻撃に苦しんだ。技術の高さ、ボールの回し方、ポジションの取り方などサウジは確実に進化し、日本にとっては非常に守りづらい展開だった。ボールの奪いどころが絞れず、攻撃につながるような守備は、ほとんどできなかった。
ただ、防戦一方という見方は短絡的だろう。サウジアラビアにボールを持たれる展開は、日本の想定内だったはずだ。1次リーグの3試合で、サウジの平均支配率は70パーセントを超えている。日本は1点リードしたことによって、「いい守備からいい攻撃へ」という志向ではなく、「まず守備をしっかり」という優先順位を明確にして試合を進めていた。個々の選手が最後まで走り抜き、特に最終ラインの4人が落ち着いて対応して、ゴールを守り抜いたところは頼もしかった。
序盤のゴールで逃げ切ったことによって、大迫や乾の攻撃カードを温存できたのは、今後の戦いでプラスに働くだろう。 (元名古屋グランパスMF)