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【サッカー】

冨安の代表初弾でサウジ撃破し8強 次は24日ベトナム戦

2019年1月22日 紙面から

日本-サウジアラビア 前半、ヘディングで先制ゴールを決める冨安(右端)=シャルジャで(共同)

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◇アジア杯<決勝T1回戦> 日本1-0サウジアラビア

 【シャルジャ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア・カップ第15日は21日、当地などで決勝トーナメント1回戦が行われ、2大会ぶりで最多となる5度目の優勝を狙う日本はサウジアラビアを1-0で振り切り、8強入りを決めた。日本は前半20分、CKから冨安健洋(20)=シントトロイデン=が頭で決めて先制。その後は再三のピンチをしのぎ、過去3度優勝の強豪を退けた。ベトナムとの準々決勝は24日午後5時(日本時間同日午後10時)開始。

 サウジに押し込まれ、圧倒された。ピンチの連続だった。必死に耐え、しのぎ、初めて迎えた好機。「だから、ここで取れればと思っていた」。前半20分、左CK。柴崎が右足で放った鋭い弾道に反応したのが冨安だった。一度はニアへ動き、ボールサイドから離れながら跳び上がった。相手DFの上から、力強く頭でたたき込んだ。

 「うまくマークを外すことができた。練習から良いボールをあげてくれていた。うれしかったです」。冨安は右拳を握って喜んだ。もみくちゃにされた。初々しい笑みが絶えない。代表通算6試合目、20歳77日で挙げた初得点は日本代表史上9位の年少ゴールだった。

 身長188センチながら、ずっとヘディングは弱く、最大の課題だった。高さはある。技術もある。なのに、ボールを頭でとらえることはできても、強くたたけなかった。

 福岡在籍当時、元日本代表の井原正巳監督(現J2柏ヘッドコーチ)にヘディングの徹底指導を受けた。体や首の強さの必要性を説かれ、「トミの俊敏性を強みに持っていければ、ゴールも取れる選手になれる」(井原前監督)として、マークの外し方、ジャンプのタイミングや姿勢を学び、ベルギーに渡ってからも鍛え続けた。「アジアの壁」から引き継いだヘディングが、シャルジャで静かに花を咲かせた。

 もっとも、センターバックとして、得点より失点ゼロに誇らしげだった。高さと強さでサウジ攻撃陣をはね返し続け、「最後のところで守れて、危ないシーンをつくらせないように意識した」。落ち着き、冷静だった。そこに年齢では測れない価値がある。

 ただ、「優勝したわけではない。何も成し遂げていない」と喜びはほんの一瞬。歓喜に浸るのはまだ先。中2日で迎える準々決勝・ベトナム戦。「ハングリーさを持ってやっていく」。冨安がアジアの頂点へと押し上げる。

8強を決め、原口(8)と抱き合って喜ぶ冨安(共同)

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