巨人の菅野智之投手(29)が21日、今季は「高めで勝負」と公言した。約1カ月を過ごした自主トレ先のハワイから成田空港に帰国。「今年は高めで勝負したい。今までの自分になかった部分。しっかり覚悟を持ってやります」と、新スタイル披露を誓った。
念頭に置くのは「特に右打者のインハイ。僕の一番良いのはスライダーなので」。対角線となるアウトローに鋭く逃げる得意球は、威力アップが期待できる。甘く入れば長打をくらう危険性も増すが、「リスクのない勝負なんてない」と自信たっぷりに言い切った。
2年連続沢村賞に輝いた昨季、苦い記憶もあった。習得を目指したシンカーは、開幕からまさかの2戦連続5失点で封印した。「中途半端でやめることは絶対したくない。去年のシンカーみたいに挑戦して、開幕でつまずいていろいろ言われるのは嫌なので、最後まで貫き通して頑張ります」。結果を出し、一切の批判を封じ込める。
公言には一つの狙いもある。「相手に意識させるだけで効果がある。こういうところから戦いは始まっている」とニヤリ。メディアを使った情報戦略。対戦前からの駆け引きを示唆した。
チームは積極補強を敢行し、伯父の原監督も復帰。「こんなに楽しみなシーズンはないぐらい、すごくワクワクしています」。開幕投手に内定しているエースがさらに進化を目指す。 (小林孝一郎)