魔法科高校の黒トリガー使い 作:三日月達也
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20日ぶりです…………すいません。試験の勉強やその他の事情などによりこんなに遅くなりました。
今度も投稿スペースが亀より遅くなるかもしれませんご了承お願いします。
作品の修正については修正が終わった作品はタイトルの隣に修正済みと書いておきます。
また多くの読者の方々に読んでもらえて嬉しく思っています。
急いで書いたので表現などがおかしかったらおしえてください。
それでは「司波達也と黒い悪魔」どうぞ!
<悠一視点>
駅で達也と深雪に合流して、キャビネットに乗って司波家へ着いた。…………てかアニメで見ても思ったけどでかいな~家。まぁ、俺が言えたことではないが。
玄関を通りリビングへと進む。
「とりあえず座ろう。深雪、お茶を頼む」
「わかりました」
深雪がキッチンへと行き、俺と達也はソファーに腰かける。
「急ですまなかったな」
「いいよ。特に用事もなかったからな」
「そうか…………ところで悠一」
達也が真剣な表情になる。
「何だ?」
対する俺は緊張感のない顔で答える。
「この間のブランシュの際に使っていたCADなんだが、あれは自分で作ったのか?」
あぁ、それか
「まぁな、正しくは俺ともう一人で作った、が合ってる」
「もう一人?」
「機械に強いやつがいるんだよ」
「ほぅ……今度会わせてもらえないか」
やっぱり興味持つよな
「う~ん、今忙しそうみたいだから当分は無理だと思うぞ」
実は近くにいるんだけどね。俺の指輪にいる、なんて言えない。
「そうか…………」
すると、お茶を持ってきた深雪が来た。
「お待たせしました」
「ありがとう深雪」
「ありがとな」
出された緑茶をゆっくりと飲む。あー、うまい。さて……
「達也」
「なんだ」
「回りくどいのは無しにしようぜ」
「「、!!」」
向こうからよりも、こちらから仕掛けた方が主導権を握りやすいと判断した。
「…………………」
湯飲みを置いてこちらをジッと見つめる。
「単刀直入に聞く……」
「お前は[黒い悪魔」か」
……まじて直球だな…。
「[黒い悪魔]?なんだそれ」
馬鹿正直には答えない。当然だ、まだ達也の見解を聞いてないからな。
「………昨日、お前の家に行ったんだが」
「そうか、すまんな昨日は用事があって出掛けてたんだ」
勿論知っている。
昨日達也と九重八雲が来たことはレプリカから聞いている。特に家の中に入ろうとしたわけでもなく数分見ただけで帰ったから気にしてはいなかったが。
「んで?なんでその[黒い悪魔]?とやらの話にお前が昨日俺の家に行ったことが出てくるんだ」
「俺はその[黒い悪魔」に会っている」
おいおいそんな話していいのか…
「俺には特殊な眼があってな、イデアに直接アクセスが出来る」
「すごいな。けどそんなこと話しても大丈夫なのか?」
達也が精霊の眼のことまで話すことに驚きを隠せないでいた。
「ここから話すには不可欠だからな。それで俺はその眼でそいつを見た。だが妙なマントのせいでイデアにアクセス出来ず、正体がわからなかった」
達也の精霊の眼でも俺の正体がばれなかったのは神様からもらったマントのおかげだ。
マントに付属している効果は、このマントを着ている物を魔法、魔眼の対象に出来ない、レーダーに移らないだ。沖縄大戦時はあまり時間を掛けられなかったので、短時間でのレプリカの解析ではその効果を実現することは出来なかったが、それを元に【 隠 】をつくることが出来た。ちなみに【 隠 】は現在改良中でそのうちマントと、同じ効果を持つことが出来るだろう。…………睡眠時間が犠牲になるが。
「へぇー、そんなマント聞いたこともないけどな。どっかの国の独自技術か?」
「それはお前が知っているんじゃないか」
…………やばいな
達也は確信を持って話している。そういうタイプのやつだ。
その達也がここまで自分の力の事を話して遠回りに言っているのだ。
お前が[黒い悪魔]だ、と。
「…………………………………………」
「その[黒い悪魔]のイデアは視れなかったが……」
「そいつが使っていた小型の兵器は視ることが出来てな」
「!!(しまった!レプリカの子機には達也の眼で視ることが出来る!ということは……)」
「その兵器はトリオンという見たことも聞いたこともないもので作られていてな」
冷や汗が止まらない。
「トリオン、というのをずっと調べてきたが…………成果は無し……だった」
だった、という言葉が頭に響いた。
「お前の家に行った時、ドアや窓などの一部がそのトリオンで作られていたのを確認できた」
達也は少し間を置いて
「そしてお前がはめている指輪もトリオンで出来ていることが先程わかった」
…………詰みだな
だが俺は答えない。話をそらそうと考えていたら監視カメラが眼に写った。
入ってきたときから気付いていたが、リビングには監視カメラが三台ある。隠すわけでもなく普通に見える位置にある。
見える位置にあるということは自宅警備用だろう。
たがもしや…………
「なぁ、達也」
「なんだ?」
俺は監視カメラの一台を指差して。
「あのカメラ、外に繋がってるよな」
達也は目をさらに鋭くし
「…………知っていたのか」
と言った。
「いや、まったく。でももしかしたら、って思っただけ」
問題は外に流している相手だが……四葉か…………いや
「外の相手は独立魔装大隊…だな?」
「…………まさかそこまで見抜かれるとはな」
ビンゴか。とは言えここまで用意周到とはな。
『ユーイチ、そろそろ認めてもいいのではないか』
『あぁそうだなレプリカ』
「達也」
「なんだ」
「合格だ」
「「…………………………………………え?」」
少しの静寂の中、達也と深雪の声が重なった。
「ということは悠一くん、貴方は……」
深雪の言葉に軽く頷く。
「達也は久しぶり、深雪ははじめましてだな。改めて黒い悪魔だ。よろしく」
「……なぜ正体を明かした」
「お前たちが俺の基準を越えていたから」
「…………要するに俺たちを試していたのか?」
「そういうこと」
達也たちに正体を明かすことになったのは駅に向かう途中でのことだ…………
~駅に向かっている時~
「ユーイチ、私は達也たちを味方にしてもいいと思う」
突然レプリカが言い出した。
「達也たちを?確かに国防軍と四葉、そして達也と深雪の実力から見てもメリットはでかいけど…………」
「ユーイチ」
レプリカが優しい声で言った。……ような気がした。
「私たちの力は魔法師にとって厄介な物だ。それに先日の事で日本の魔法師に喧嘩を売ってしまった状態になっている」
「…………………………………………」
「だからこそ、仲間が必要なんだ。十師族の血を引いている達也たちと関わると彼等に被害が及ぶと考えていることも分かるがな」
「ッ!…………」
そう、それがずっと思っていた。[黒い悪魔]は世界中のどの国家勢力にも属さない力という認識になっている。四葉真夜に送った手紙に日本を守る的なことは書いたが、それを向こうが100%信じているわけではないだろう。
達也にトリオンのことを話したことがバレたら間違いなく達也たちを狙う輩が現れてくる。
話さないで脅すのも一つの手たがそれはしたくない。
我儘でも…………俺は達也たちと友達でいたいから。
「ならばこうしよう。達也たちが私たちのことを[黒い悪魔]だと証明し、なをかつ私たちを追い詰めることが出来たなら話したらいいのではないか。基準は悠一が決めたらいい」
「…………そうだな、そうすることにするよ」
~回想終了~
「俺が話す内容を狙いにお前たちを襲う者が必ず現れる。今ならまだ名前だけで済むが…………」
達也は深雪を見る。深雪は真剣な顔で頷く。それに答えるように達也も頷き、こっちを見た。
「お前をここに招いた時から覚悟はできている。大丈夫だ」
それに、と達也は続けて
「その言葉で俺たちを心配していることからお前は俺たちの敵ではないことがわかった」
「あらら…………」
「独立魔装大隊のことも知っているということは俺たちのことも知っているんだろう?」
「あぁ、四葉についても知ってる」
「とりあえず母上と叔母上にはまだ話さないから安心しろ」
「おう、出来れば軍の方とはまた今度話したいからカメラ切ってくれるとありがたいんだけど」
「少し、待ってくれ」
達也は携帯を取り出して誰かと電話を始めた。多分風間少佐だろう。
「はい、ありがとうございます。…………話し合いの日程はそちらで決めてくれて構わないそうだ」
「わかった。また後日連絡するよ」
「後日連絡するようです。はい、失礼しました」
ピッと達也が携帯を切る。
「そうそう達也」
「なんだ?」
「桜井穂波さん、元気にしているか」
「元気だ。今も母上に仕えているよ」
「良かった…………え?母上?」
「?そうだぞ。母上もたまに体調を崩すようだがよく叔母上とお茶会をしているそうだ」
あれぇぇ!?四葉深夜って確かもう…………まさか穂波さん助けたからかな。まぁいいか。
「さて悠一」
「あぁ、全て包み隠さず話そう」
場の空気がガラッと変わる。
「それじゃぁまずトリオンとは「ぐぅー~~」…………」
「「…………………………………………」」
…………はい俺です。シリアスな空気が続いていたせいか腹がへったらしい。
あと深雪さん?そんなに笑い堪えるのやめてくれませんか。口に手を押さえて顔を背けるほど面白かったか?
「…………悠一、早めの夕食はどうだ?」
「……いただきます…………」
その後は深雪の手料理をご馳走になった。旨い、さすがだな。
その後トリオンや先日の事件性について説明した。トリオンについては俺の家にある仮想空間で実際に見せた方がいいということで後日俺の家に来ることになった。夢月もその時に話すことにした。
軽く説明しただけなのに達也が「世界のパワーバランスを崩すものだな」と苦笑していた。まぁ…………否定しないが。
その後は駅まで見送ってもらい、そのまま電車に乗ろうと駅に入ろうとしたが…………
「おー、綺麗だな」
その日の夜には幸運にも満月で夜空に雲ひとつなかった。なんだがずっと眺めたくなってきて、駅から歩いて家まで歩いて帰ることにした。
たが空閑悠一は知らない。もはや原作通りにはいかないことを
そして……………………
「この残り僅な時間、未知の強者に出会い戦うことに使いたいものですな」
…………本来開くはずのない異世界の扉が開こうとしていた。
それでは次回もお楽しみに!