魔法科高校の黒トリガー使い 作:三日月達也
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この作品を九校戦へと話を進める前に、全ての話を修正します。
理由は、投稿スピードを意識しすぎて展開や表現が雑になってしまい、話の内容が雑になってしまったからです。
修正といっても話が大幅に変わるわけではなく、細かい説明を入れたり、間違った表現を直す、というものです。
読者の皆様もここの表現がおかしい、変だと少しでも思ったのなら、活動報告の「修正について」にコメントしてください。
勝手な作者ですがよろしくお願いします。
それと皆様のおかげでUAが41626と4万を越えました!
では「二十八家総会議」どうぞ!
十師族
それは日本の最強魔法師集団。
基本二十八家が揃って会議することはまずありえない。だが魔法協会関東支部で一家を除き二十八家それぞれの当主がそこにいた。
その理由は、日本の魔法師のトップクラスにある二十八家の地位を揺るがしかれない重大な事件が起こったからである。
<三人称視点>
会場のは険悪なムード一色で、どの当主も苛立ちの表情を見せていた。
「では今回我々が集まった理由について改めてお話しよう」
そんな中、短く切り上げた髪に、日焼けサロンに通っているかのような肌が特徴の一条家当主、一条剛毅が喋りだした。
「我々が集まった理由はただ一つ、何者かに各家の重要機密が同一人物によって盗まれたことが起こったからだ」
正確には盗まれたというよりも、コピーされ、持ち出された形跡がある、と言った方が正しいのだが、剛毅の言葉に異論を唱える者はだれもいない。
そもそも各家の重要機密はその家の人物であってもその保管してある場所について知るものは極わずかだ。それが盗まれたとなればその家の情報が他家、又は外国にも漏れる可能性があるため早めの対策を取る必要がある。
「同一人物というのは確定しているのですか?」
質問したのは二木舞衣、十師族二木家の当主だ。表の職業は化学工業、食品工業会社の大株主をしている。
「事前に各家の監視カメラなどの情報を照らし合わせた結果、同一人物であると判明した」
情報と言っても、見つけられたのは姿だけでそれ以外の情報は全くない。見つけようにも尻尾を掴むことすら出来ないのだ。
「今回の被害には四葉家もあてはまるのですか」
そう言ったのは、十師族十文字家当主、十文字和樹。表の職業は土木建設会社のオーナーだ。
「……四葉からはいまだに連絡がきていない」
そう、今ここにいないのは四葉家だけ。基本的に外部との接触をしていない四葉家がこうして来ないのは師族会議以外では珍しくなかったが…………その時
「あらあら、どうやら来ていなかったのは私たちだけのだったようですわね」
その声に会場がざわめく。入り口に立っている声の主は四葉家当主でありながら、『夜の女王』『極東の魔王』と呼ばれる魔法師、四葉真夜だったのだ。
「四葉家が参加されるとは珍しいな」
ざわつく中、落ち着いたトーンで話しかけたのは、十師七草家当主、七草弘一。七草真由美の実の父であり真夜と同レベルの魔法師だ。…………ちなみに真由美からは陰で『狸親父』と言われるほど嫌われている。
「今回の事は我々も被害者ですからね」
その一言で会場のざわつきはさらに大きくなる。被害者、ということは四葉も重要機密を盗まれたということだ。同時に、本宅が一切わからないあの四葉の居場所を特定できる相手ということもわかった。
「それで?四葉家のことだから当然追っ手はだしているのだろう」
「貴女方に話をする義務はありませんが…………まぁ結果は残念、とだけ言っておきましょう」
四葉家と七草家は十師族の中でも魔法師の力と共に情報力も高い。しかし四葉家は黒羽の者を使っても無駄だったのだ。
その言葉を予測していたかのように弘一は「そうか」と言った。
「ですが…………」
真夜は和樹を見ながら
「今回の人物に十文字家は心当たりがあるようですが」
和樹は顔を渋める。
「ほう、それはどういうこどだ?十文字家当主」
剛毅が目を鋭くして話しかける。他の当主も同じように和樹を見た。
「…………先日、第一高校がブランシュによるテロを受けたのは皆さんも知っておられるでしょう」
「そのブランシュのリーダー、司一が何者かによって重傷を負い、現在も意識不明の重体だそうです。我が息子、十文字克人と数人の一校生が現場に向かいましたが、到着したときには彼の部下が全身を切り捨てられ全滅、司一にその理由を問いただそうとしたところ奇妙な斬撃が飛んできて司一の四肢を斬ったそうです」
「その奇妙な斬撃というのは具体的にどのようなものでしたか?」
十師族六塚家当主、六塚温子が手を挙げながら質問する。六塚の表の職業は地熱発電所堀削のオーナーだ。
「克人に聞いた限りだと急に光る線が司一の体の下に現れて、そこから斬撃が飛んできたと報告しています」
「そんな魔法が存在するのか?」「そもそも系統がわからないぞ」そんな声ばかりが会場を飛び交った。
「で、そんな話をした理由はあるのだろうな」
会場のざわつきを一刀両断するかのように低い声で言ったのは、十師族九島家当主、九島真言。世界最強と言われていた九島烈の息子である。
和樹は心のなかでため息をつき
「…………我々十文字家は今回の事件の犯人と、司一を襲った者を同一人物と捉えています。そしてその人物は[黒い悪魔]ではないかと推測しております」
当主のほとんどが絶句する。
[黒い悪魔]
3年前の沖縄大亜連合襲撃の時に突如現れた謎の人物。
見たこともない力を使って敵をなぎ倒していき、〔化成体〕とは違うロボットのような機械を黒い穴から生み出し、従え、大亜連合を恐怖の底に叩きつけた。黒いフード付きのマントを着て敵を倒す姿から大亜連合から[黒い悪魔]と呼ばれるようになった。
そして、襲撃が終わると霧のように消え、そのまま行方が分からなくなっている。
その[黒い悪魔]が再び現れたということに一部の者は除き誰もが驚きをかくせないでいた。
「では私の方からも1つ」
先程と変わらない声で真夜が言い、懐から封筒を1つ取り出した。
「今日の朝、私の所にこれが届きました。差出人は書いておりませんが、封筒にこのようなことが書かれていました」
"四葉真夜殿へ、近々師族会議が行われることでしょう。この封筒はその会議で開けていただきたい。そして、中に入ってある手紙をあなた自身が読んでいただきたい。勿論、あなたがこれを守らずにどうしようが結構だが、この手紙の内容は貴女方日本を代表格する魔法師にとって関する重要なことを書いてあるので、これを読まないのは貴女方のデメリットになることでしょう"
「…………中には本当に手紙が入っているのか」
剛毅は表情を変えずに言う。
「調べたところ普通の紙が入っていたので手紙です。……さて、書かれてある通り私が読んでもよろしいのでしょうか?」
誰も自分が読む、なんて言うはずがない。得体の知れない相手から送られてきた手紙を自分自身がわざわざ見るような真似はしたくないのだ。
「いないようでしたら、読ませていただきます」
真夜はゆっくりと封筒の中から手紙を取り出し、広げ、読み始めた。
"十師族、ならびに師補十八家の当主様。名を名乗ることができませんが、貴方方が呼んでいる名をお借りするなら[黒い悪魔]と申します。先日、貴女方のデータを盗んだのは私です。では何故そのようなことをしたか、そう思っているでしょう。それはここ最近、私の事を嗅ぎ回っている貴方方への脅迫するためです。もし今後私のことを調べようとする者がいたら、こちらが持っている貴方方の情報を敵国に提供します。1つ勘違いをしているようですが私はこの国が嫌いというわけではございません。ただ、私の日常を邪魔する存在になる貴方方が嫌いだからです。勿論、何もしなければ、こちらも何もしません。この国が危機的状況に陥ったときは手を貸しましょう。
最後に、貴方方が賢い行動をすることを私は願っていますよ"
by黒い悪魔
真夜は手紙を閉じ、笑顔で各当主を見ながら
「どうやら私たちは、開けてはいけないパンドラの箱を開けようとするところだったようですね」
会場は静寂の空気に包まれる。
そんな中真夜は
「(達也さんだったら、もしかしたら黒い悪魔の正体に気づいているのかもね)」
「(それにしても黒い悪魔…………ふふ、一度会ってみたいわ)」
人はやるな、と言われたらやる動物であることを改めて思った真夜であった。
「ぶっぇっくしょん!~、誰か噂でもしてんのか?」
家の2階にある作業室で作業していた悠一は、突然の悪寒について思った。
「心当たりならいくらでもあるがな」
悠一の顔の横をフワフワと浮いているレプリカが言う。
「二十八家のことか?しょうがないだろ、あいつらしつこいし、それにこっちに情報という名の
悠一は作業をやめ、~ん、と腕を伸ばした後アイスコーヒーを飲んだ。ちなみにコーヒーとミルクの対比は8:2である。…………需要のない情報だけど一応ね。
ピリリリッ ピリリリッ
すると電話がかかってきた。
「ん、誰だろう…って達也?」
なんと相手は達也だった。悠一はcallのボタンを押した。一応ビデオ通話ではなく音声だけにしている。
『悠一、今少しいいか?』
「なんだ達也?」
『実はこの前のCADについて色々聞きたいんだが』
「あー、あれか」
悠一はブランシュテロ事件の際、達也に夢月についてまた今度話す的なことを言っていたのだ。
「別にいいけど、どこで話す?」
『よかったらうちに来ないか?俺の家にはCADの機材もある』
「ふーん(何を考えている?)」
達也の家の地下室にはおいそれと見せれないデータがある。例え友人として招くとしても疑っている俺を家に誘うのは不自然だと思ってしまう。まぁ、バレてないだろう。…………たぶん。
「いいのか?」
『あぁ、構わない』
「ならお言葉に甘えさせてもらう」
『わかった。5時に駅で待っててくれ。迎えにいこう』
「サンキュー、じゃ駅でな」
電話を切り、支度を済ませて家を出る。
「………さて、行きますか」
悠一は真っ直ぐ駅に向かって歩き始めた。
「…………深雪」
「はい、お兄様」
「悠一が今からここに来る。5時に駅で待ち合わせだ、迎えにいくぞ」
「わかりました」
「それと……家に帰ってからはCADを持っておくように」
「…出来ればそのようなことにならないことを願っています…………」
「出来れば、な…………」
「(悠一、お前の正体を暴かせてもらう……!)」
達也と深雪は悠一を迎えるために駅に向かった。
コメントについては期限はありません。
それでは次回もお楽しみに!