魔法科高校の黒トリガー使い 作:三日月達也
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アンケートの結果と今後のストーリー展開を考えた結果…………
エリカ、愛梨、響子、リーナ、鈴音をハーレムヒロインキャラに追加するとこにしました!
壬生や摩利も入れてほしいという方々も多くいましたがすいません。壬生は主人公との関わりが一切ない状態、摩利は彼氏とのラブラブを悠一がネタにした、ということでハーレムヒロインキャラに持っていくのは困難だと思いました。
また今後もしかしたら追加でアンケート取るかもしれません。話的に水波や香澄や泉美を追加するときとか。
その時もご協力よろしくお願いします。
それでは「悪魔の追い討ち」どうぞ!
<悠一視点>
「さて、ここら辺りでいいかな」
工場からおよそ三kmも離れた山の中に立っていた。
理由は工場でブランシュのリーダーが口を割らないかどうか監視するため。最悪重傷負わせて意識不明状態にさせる。…………狙って出来るものではないのでは?と自分で自分ちツッコミをいれたが…気にしない。
工場の中の様子は、ダクトに忍ばせているレプリカの子機から映像と音声を送ってもらっているためしっかりと確認できる。
すると車が一台フェンスを突き破ってきた。
「お、達也たちが来たか。ブランシュのリーダーさん、自分で自分の首を絞めることはしないように願っておくよ」
<達也視点>
俺たちはブランシュのアジトへ侵入するため、俺、深雪、レオ、エリカ、十文字先輩、桐原先輩と共に車を走らせて向かっていた。
「……………………お兄様」
「どうしたんだ、深雪」
「いえ、考えすぎかもしれませんが……」
「言ってごらん」
「……急いだ方がいいと思います」
「急ぐとは……工場にか?」
「はい、自分でも何故かわからないのですが…………」
「深雪も?実はあたしもそう思ってたんだ」
「エリカもか。何故そう思うんだ?」
「ん~、あえて言うなら……女の勘ね」
「勘かよ、もう少しましな答えはねぇのかよ」
「うっさいわね!女の勘はね、よく当たるものなのよ!」
「勘か……」
達也は信憑性が無いものだと一瞬思ったが、なぜか否定することはできなかった。
「十文字先輩」
「あぁ、ともかく急いだ方が良さそうだ。桐原」
「分かりました」
車は加速し工場へと近づいていく。
数分後工場の入り口が見えたがフェンスで閉められていた。
「オレに任せて突っ込め!
車の装甲がレオの硬化魔法で傷ひとつ付くことなくフェンスをぶち破った。
「よくやった、西城」
「う、うす」
「おかげでへばっちゃってるけどね」
「うるせぇ……こんなの平気だ…………」
「司波これからどうする」
「本来なら分かれて別々の方向から行くのがよろしいのですが…………一ヵ所に固まってますね、他の場所を見ても人がいない。ここは全員で行きましょう」
「ほう…………中が見えるのか」
「七草先輩のように高性能ではありませんが、エイドスを探るのは得意です」
「万が一逃げた者がいたらどうする」
「俺が常に視ておくのでなにかあったら俺自身で対処します」
「分かった」
「レオ、行けるか?」
「大……丈夫だぜ」
「よし、それじゃ行きましょう」
工場の中を走っているが誰とも遭遇しない。それどころかさっきから人がまったく移動していない。もしや………
「止まってください」
扉の前で皆が止まる。
「この先にいます」
「司波、俺が先行しよう。銃を向けられても俺なら大丈夫だ」
十文字家の[ファランクス]のことだろう。その防御は現日本にある防御魔法の中で最強と言われるほどだ。
「分かりました。お願いします」
「では…………行くぞ!」
「な、!」
「これは…………」
予想では銃を構えて待ち伏せをしているかと思っていたが、予想斜め上の光景が今目に映っている。辺りは血の海と化し、肉体は切り刻まれていた。血の海の向こうにブランシュのリーダーの司一が座り込んでいた。
「なんなんだ…………なんなんだお前らは!ぞろぞろと出てきて!さっき出ていったんじゃなかったのか!?」
さっき?どういうことだ。
「ブランシュのリーダーの司一だな。拘束させてもらうぞ」
「く、くそ、これでもくらえ!」
司一がアンティナイトのキャスト・ジャミングを発動させる。
「そんなものぉ!」
だが桐原先輩が一人で突っ込んでいき、
「てめぇのせいで壬生がぁ!」
[高周波ブレード]により切れ味を増した真剣で右腕を斬った。
「ぎゃぁぁぁ!」
「この…………「よせ!桐原」十文字会頭……」
「そこまでにしておけ」
「っ、はい…………」
「深雪すまないが頼む」
「お任せください」
深雪が切り口の血を凍らせて止める。さて…………
「いくつか質問があるのだが…………エリカ」
「何?達也くん」
「そいつらの外傷を見て何か分かったことがあるようだな」
「あはは、さすが達也くん。分かっちゃったんだ」
「で、何が分かった?」
「…………こいつら全部真剣で斬られてる、けどこいつらアンティナイト持ってたんじゃないかな。全部中指だけ共通に斬られてるから。指輪をした後もある。だけどそれだったらおかしいところがあるのよ」
「おかしい?」
「うん、真剣で斬ったんならこんなに綺麗に骨まで斬れるはずがない。でもまるで包丁で豆腐を切ったように断面が綺麗なの。普通の得物じゃまず無理ね」
エリカ程の年頃の女子ならこの惨劇を見て悲鳴の1つや2つあげて見ていられないはずだがそこは千葉家の娘、冷静であった。
「成る程。おい……」
達也は殺気を含んだ低い声で語りかけた。
「な、なんだ!?」
「明らかに俺たちの前に誰かいたようだな。そいつについて話してもらう」
「だ、だめだ。そいつには決して喋るなと言われている……」
「ではここで地獄を見るのとそいつの約束を守る、どちらを取る?」
シルバーホーンを司に突きつけ脅す達也。
「わかった!だから命だけは……」
「まずそいつの外見は?」
「そいつは…黒い……
刹那、司一の真下に光る線のようなものが現れた。達也は反射的に後ろに飛んだ。
次の瞬間
光る線から現れた斬撃が司一を襲った。
「がぁ、!…………」
四肢全てが斬られ血が大量に溢れた。
「まずい、深雪!」
深雪は司の体全体を凍らせて血を止めたが、これだけの大量出血、当分は意識が戻らないだろうと確信した。
「十文字先輩、救急車の手配をお願いします」
「わかった。家にも連絡してここを調べてもらおう」
「お兄様…………」
「達也くん……」
「達也……」
皆納得のいかない顔をしている。
「そいつはなんていってたの?」
「いや…………黒い、としか言ってなかった」
「黒い服装ってことか?んなもん、手がかりにもなりゃしねぇな」
「そうだな、とにかく思う所があるだろうがここは十文字先輩に任せよう」
「そうだな…………」
「そうね…………」
車に戻る途中達也はずっと考えていた。司一が斬撃をくらった後、声に出さずに言っていた言葉があった。読唇術ですぐにわかったがその言葉は悠一に対してさらに疑いを高めるものだった。
「(この悪魔め…………か。まさかな……)」
<悠一視点>
「ふぅ~、危ない危ない」
見事風刃を使って情報が漏れるのを防いだ(実際達也にはバレているが)悠一は一人安心していた。
「何も言わなかったらよかったのに…………まぁ、達也の殺気をぶつけられたら無理もないか」
よいしょ、と腰を上げる。
「さてさて急いで学校に戻りますか」
この後は無事にレプリカと合流できた。
~翌日~
テロにより今日から3日間臨時休校になり、家でくつろいでいる。
「あー、なんかこういう日もたまにはいいな」
「ユーイチは少し気張りすぎだ、しばらく休むといい」
「…………だけどそういうわけにはいかないんだよな、これが」
そう、ブランシュのリーダー司一を襲ったのは[黒い悪魔]ではないかと噂が流れている。もちろんただの噂だと気にしない者が多いがここで厄介な連中が動き出した。
十師族だ。
あの四葉まで俺を探しているというのだから正直迷惑している。今のところ俺だと疑われてはいないがそれも時間のもんだいだろう。
というわけで、
「よしレプリカ、行くぞ!」
「せめて今日1日くらいは休みに専念しておいた方がいいんじゃないか?」
「いや、早めの方がいい。しかも俺らの方を気にしていられなくなるからな。メリットもちゃんとある」
「決めるのはユーイチだ。心得た」
「じゃぁ最初は…………
一条家、行ってみようか」
<雫視点> 遡って、ブランシュ事件当日の夜
「いやー、心配だったんだぞ。会社の方に娘の高校がテロに襲われたって聞いたときは生きたここちはしなかったからな!」
「もう、潮くんそれもう3回目よ」
今はお父さん、お母さん、航とほのかと一緒にご飯を食べているけど…………お父さんが勢いでどんどんワインを飲んでいくので酔っぱらってしまった。
「……………………もう」
「あはは……」
ほのかもどうしたらいいか分からず苦笑いをしている。
「でも本当に心配だったのよ雫。怪我がなくてよかった」
お母さんが優しい顔で言ってくれた。
「うん、大丈夫。……悠一さんが守ってくれたから」
「悠一さん?お友達なの?」
「うん、同じクラスで風紀委員なんだ」
「そうだね、悠一さんがあっという間にテロリストを倒していったもんね」
彼に助けてもらったのは今回で二度目。前路地裏で助けてもらった時もそうだけど本当に強くて…………かっこよかった。
「じゃぁそのひとは雫とって白馬の王子様みたいな人なのね」
お母さんはお酒が入っているせいか、からかい気味でそう言った。
けど何故か、その言葉を否定出来ず……
「……うん///」
と言ってしまった。
「「「「………………………………」」」」
皆はとが豆鉄砲を食らったような顔をしている。
「え、皆?」
「つ、つまり」
航が目をキラキラさせながら
「姉さんはその人に好意を抱いているの!?」
「………………………………え?えぇぇぇ!」
普段からは予想もつかない雫こ大音量が部屋に響いた。
「航!なんでそんなことを」
「だって大抵白馬の王子様に助けられた人って王子様のことを好きになるのが常識じゃないの?」
「それどんな常識…………?」
「あの雫がねぇ…………」
「待ってお母さん、そういうわけじゃ………」
「し、雫!」
ほのかが何故かエキサイトしていた。
「ほのか?」
「わたし、応援してるから!」
「ほのかは私のことよりまず自分のことを優先。少しは達也さんにアタックしたら?」
「うぅ、それを言われると…………」
「雫」
お母さんがニヤニヤしながら
「紹介する日を待ってるわよ」
「だから待ってってば!」
この思いが恋だと気づくのはもう少し先の話。
ちなみにお父さんは白く灰みたいに
「燃え尽きた…………真っ白にな」
と言っていたが特に気にしなかった。
それでは次回もお楽しみに!