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【大相撲】

千代の国、1敗キープ 平幕勝ち越し第1号

2019年1月22日 紙面から

取組後笑顔を見せる(福永忠敬撮影)=両国国技館で

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◇初場所<9日目>

(21日・両国国技館)

 東前頭15枚目の千代の国(28)=九重=が明生をはたき込み、一人だけ1敗を守った。昨年10月に生まれたまな娘からも力をもらい、番付下位ながら優勝争いに食らい付いている。関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=は錦木を押し出し、3連勝で7勝目。横綱白鵬(33)=宮城野=は琴奨菊を突き落とし、9戦全勝とした。

 九重親方(元大関千代大海)によると、場所前に稽古を見学したスピリチュアル・カウンセラーの江原啓之が「あなたが一番輝いてるわ」と声をかけたのが千代の国だった。それがズバリ的中だ。何色のオーラに包まれていたのかが気になるところではあるが、「そう言われると本人も気分よくできるしね、プラス材料として」と親方もうれしそうだ。

 昨年はけがにも苦しめられ、勝ち越しは1場所だけ。ところが、この日は明生をはたき込んで新年の平幕勝ち越し第一号。これまで、「多いときはほぼ毎日」と千代の国がいう治療が、「今は気になったときに行くくらいです」と体調が回復したこともある。

 それにも増して、親方が心配していた「勝ったら体が張るし、負けたらしぼむ」という精神的な弱さを克服できたことが大きい。

 昨年10月15日に第1子で長女の実采ちゃんが誕生した。「朝起きて顔を見ると、頑張ろうと思いますね。笑ってくれるとうれしくて。お風呂のときに着替えをしたり、あやしたり、けっこういいもんですね。しっかり頑張って記憶に残るまで元気に取りたい」。親方は「子どもが生まれて地に足がついていない」と心配したこともあったそうだが徐々に父親としての自覚をもたらしてくれた。

 調理師免許とアスリートボディケア・セルフトレーナーの資格を持つ愛夫人の支えもある。「1場所で9キロも減ったことがある」という体重が、今場所は「初日から変わってない」という。「奥さんは(食事を)作るのが大変だと思います」と感謝の気持ちを忘れない。

 「毎年、三役という目標を持ってやっているけど届いてない」。結婚してから金星、三賞は獲得した。あとは三役。恩返しへの弾みの場所にしたい。 (岸本隆)

 

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