新世紀エヴァンゲリオン

登録日:2010/02/28(日) 22:27:46
更新日:2018/09/08 Sat 10:46:30
所要時間:約 12 分で読めます




2000年9月13日に起きた、南極への隕石落下でもたらされたとされる大災害「セカンドインパクト」により、人類の約半数が失われた。

それから時は流れ……





時に、西暦2015年




使   
徒、襲来


少年・碇シンジは父碇ゲンドウの働く特務機関NERVに呼び出され、突如として巨大ロボットに乗り、人類の敵である使徒と戦うよう言われる。
そのロボットの名は、汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン



使徒との戦い、進む「人類補完計画」。自分の存在意義に迷いながら、謎に満ちた碇シンジの物語は紡がれていく……。





原作GAINAX、監督庵野秀明のアニメ作品。
否定するファンもいるが基本的にロボットアニメに分類される。

90年代に社会現象とまで言われた大ブームを巻き起こし、グッズなどの総売上は1000億円を上回る。
そのため知名度が高く、少なくともヲタで名前を知らない者はいないだろう。パチンコになっていることから、意外な人でも知っているかも。ある意味国民的アニメ。

ゲームも『鋼鉄のガールフレンド』や『綾波育成計画』などたくさん出ているが、評判が芳しくないものも少なくない。
なお、公式から脱衣麻雀ゲーム(当然R-18)が出ている珍しいアニメ。ただ、絵師はキャラクターデザインを担当した貞本義行ではない。

近年では、ヱヴァンゲリヲン新劇場版が製作されている。



ロボットバトルだけでなく、さまざまな伏線を散りばめた謎や、少年少女の苦悩といった面も描いている。

難解な哲学や心理学に関する用語を乱発し、謎が謎を呼ぶ展開は、中二病患者の心をがっちりと掴み、俗にいう「セカイ系」作品のはしりとなった。
だが、その一方で「熱血ロボットアニメを蔑む風潮を生み出した」という指摘もある。
一説には、GAINAX内部にもこの風潮を生み出してしまったことを問題視する者がおり、このことが『天元突破グレンラガン』の制作につながったともいわれている。



~登場人物~

碇シンジ
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」
CV:緒方恵美
主人公。サードチルドレン、エヴァンゲリオン初号機パイロット。
内気で、他人との接触を嫌がる素振りを見せたり、他人の言うことに流されることが多い。

綾波レイ
「あなたは死なないわ、私が守るもの」
CV:林原めぐみ
ヒロインその1。ファーストチルドレン、エヴァンゲリオン零号機パイロット。
無口で他人と滅多に話さず、自宅の部屋もまるで廃墟のようだが、碇ゲンドウにだけは心を開いている。

惣流・アスカ・ラングレー(新劇場版では惣流→式波)
「あんたバカぁ?」
CV:宮村優子
ヒロインその2。セカンドチルドレン、エヴァンゲリオン弐号機パイロット。
ドイツ人と日本人のクォーター。普段は優等生だがEVAに乗ることへの執着が非常に強く、性格は勝ち気で負けず嫌いでプライドが高い。
綾波レイへ嫌悪感を抱いている。

葛城ミサト
「発進!」
CV:三石琴乃
NERV戦術作戦部作戦局第一課所属の戦闘指揮官。
基本的に明るくシンジを気遣う事もあるが、プライベートだと適当でズボラな性格。
部屋は放っておくとゴミだらけ、冷蔵庫の中身はツマミ、氷、ビールばっかししかなくなる。
しかし仕事になると毅然とした態度で指揮し、使徒を倒すためならどんな作戦も決行する一面も見せる。
なぜかエヴァを「エバー」と発音している。
唯一セカンドインパクトを目の当たりにした生存者。身に付けているペンダントは救ってくれた父がくれたもの。

赤木リツコ
「………嘘つき」
CV:山口由里子
NERV技術開発部記述局第一課所属、E計画担当・エヴァンゲリオン開発責任者、MAGIの管理・運営担当者。

碇ゲンドウ
「そのためのネルフです」
CV:立木文彦
NERV本部司令官。冷徹で、碇シンジの父親だが親交はほとんどない。

冬月コウゾウ
「勝ったな」
CV:清川元夢
NERV副司令官。温厚な性格。

伊吹マヤ
「……不潔」
CV:長沢美樹
NERV本部の発令所でオペレーターをしている3人の1人。
初号機のゼルエル補食シーンでゲロンチョと化した。
名前の由来は、大日本帝国海軍航空母艦「伊吹」、大日本帝国海軍高雄型重巡洋艦三番艦「摩耶(まや)」、および、『帰ってきたウルトラマン』のMAT隊長伊吹竜から。

日向マコト
「撃鉄起こせ!」
CV:結城比呂(現在は優希比呂
NERV本部の発令所で)ry
実はミサトさんが好きで最期にはミサトさんとひとつになった。

青葉シゲル
「パターン青、使徒です!」
CV:子安武人
NERV本部の)ry
最期はオペレーター二人が意中の人の幻覚を見て幸せに逝く中、彼はレイの幻影に怯えて逝った。マヤを激励しつつ頑張って戦自と戦っていたのに…

ちなみに、上記の台詞は青葉の台詞だと広く認識されているが、本編では一度も言っていない。実際はマコトの台詞である。
多分誤解を広めたのはシゲルの一言台詞にこれを採用してしまったスパロボ。
さらにアニメ本編では一度も名前を呼ばれたことがない。
しかし実はスパロボにおいてはチルドレン以外はミサトですら声がなかった『F』において、中の人がで出演していたために声が収録された勝ち組である。
その結果が上記の誤解のわけだが

鈴原トウジ
「シンジ、頼むで!」
CV:関智一
相田ケンスケ
「碇、頑張れよ」
CV:岩永哲哉
洞木ヒカリ
CV:岩男潤子
シンジのクラスメイト達。

加持リョウジ
「シンジ君、俺はここで水を撒く事しか出来ない。 だが君には、君にしか出来ない、君になら出来る事があるはずだ」
CV:山寺宏一
葛城ミサトの元恋人。飄々とした人柄。
スイカが大好きなプレイボーイのイイ男。
いろいろと謎があるようだが……

渚カヲル
「僕は、君に会う為に生まれて来たのかもしれない」
CV:石田彰
物語終盤に突如現れるフィフスチルドレン。その正体は……

なお、ネルフ関係者は旧日本海軍の軍艦、あるいは船のパーツから名前を取っている。
例:碇→錨、赤木→赤城(航空母艦)、加持→舵



テレビ放送25話、26話(最終回)ではストーリーや大量の伏線を全て放棄し、
現実世界とは断絶した精神世界で登場人物が自らの心に向き合うと言う、アニメ史に残る物となった。最後の「おめでとう」の連呼は代表されるネタ。

当然苦情や批判が殺到したが、
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」(通称旧劇場版)でストーリーを完結させた。
しかしその劇場版も、あらかじめ旧約聖書の知識を頭に入れておかないと訳が分からない、というか難解すぎて知識があっても大半の人は理解できない。
なので放送終了から10年以上経った現在でも解説、考察などが絶えない。
ちなみに監督はあれこれ考察される事を嫌う。ならあんな作品を夕方6時30分に放送するなと……
なお、旧劇場版の前に映画化された「シト新生」はほとんどTV版の総集編な上に新録部分はAIRでも見られる…というか実質シト新生はAIRの予告編である。
TV版を見た人はスルー推奨。

一方、新劇場版は現在3作放映されているが、評価は今のところ上々。不完全燃焼で終わった原作とは違う結末に期待を寄せられている。
監督曰わく「新劇場版は大団円で終わらせる」らしいが…。

考察はほどほどに。

当時の庵野秀明の頭の中では、1990年にNHKで放送された同じガイナックス制作の『ふしぎの海のナディア』に準じた世界観上にある続編的物語であった。
この案は結局、『ナディア』の版権を所有するNHKからの使用許可が得られず実現しなかったものの、
『エヴァ』の初期の企画書でも『ナディア』の敵役「ガーゴイル」が閃光に触れて塩になってしまったことと「セカンドインパクト」は同種の現象であり、
「セカンドインパクト」は「死海蒸発事件」という名になっていた。
また、レッドノア内部にはエヴァンゲリオンの素体を思わせる巨人(アダム)や、それらの骨格、部品などが随所に多く見られる。
『ナディア』最終回では、16個の白い球体*1が衛星軌道上から地球各地に飛び散っていくシーンがある*2
CD「Good Luck Nadia」ドラマパートにて、西暦2005年の第2新東京でナディアのひ孫である伊藤ナディアとその友人「リツコ」が語り合う場面で、「ナディア」の物語は幕を閉じている。
ちなみに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では『ナディア』の劇中音楽の一部が使用されている。


2015年夏、放送から20周年&作中の設定年度を記念して初のブルーレイBOX化が決定。
TVシリーズ全26話と旧劇場版『シト新生』、『Air/まごころを、君に』の初収録となる劇場公開版も収録した、旧エヴァソフトの完全版となっている。


主題歌

OP
○残酷な天使のテーゼ
オタクじゃなくても知っている人が多いこの番組を象徴する楽曲。

ED
○FLY ME TO THE MOON
ジャズの名曲で本作含め様々な歌手がカバーしている為、OP曲とは別の意味で有名な楽曲。








この次も、サービス、サービスゥ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/