折龍でとてもR-18なので注意です。
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耳にかかる、濡れた吐息で目が覚めた。
ハァハァと、高く掠れれたその声は、多分イワンだ。
気付けば、寝る時に着ていたタンクトップはずり上げられているし、
ショートパンツは膝のあたりまで脱がされている。
寝ぼけた頭で現状を理解しようと努めるけれど、
いまいちこの状況は、どういうものなのかは分からなかった。
横向きに寝ていたパオリンを抱きすくめているイワンは、
密着するように同じように横に寝ていて、
えらくせっぱつまった様子のようだった。
にゅく、にゅく、とパオリンの太ももの間に
自身のそれを擦り付けているイワンは
夢中で腰を振っていて、
その体温はひどく高い。
スンスンとパオリンのうなじに鼻を寄せてはその匂いを嗅いでいるが
いかんせんそれがくすぐったかった。
おねしょをしているわけではないのに、
イワンがそれを擦り付けた太ももの隙間はぬるぬるとした何かで濡れていて
じんじんとそれらが甘く痺れる感覚に、なぜだか胸が甘く疼いた。
「イ、ワン………?」
「パオリン、パオリン………!」
名を呼んでも、イワンはパオリンを呼び返すだけでその行為を止めない。
むしろそれは情熱を伴ってさらに速度を増すばかりだ。
「あっ、な、なに?」
「パオリン、パオリン、すき、すき………」
かくかくかくとイワンが腰を振るたびに、パオリンからは、
つるりとしたイワンの陰茎が太ももの間から顔を出すのが見える。
その先にはぷくりと先走りが湛えられていて、
ぷくりとたまった液体が大きくなっては落ち、大きくなっては
パオリンの太ももに落ちて伝う。
『イワンは今発情期だから、嫌な事をされたらちゃんと叱りなさい』
そう家族から言われていた。
嫌な事ってなんだろう?
これはその「いやなこと」、に入るのかな。
もしこれが、嫌じゃなかったら、どうなっちゃうの?
「んっ、は、はぁ、パオリン、パオリィン…」
甘えるような、むずかる様な声でしきりにパオリンの名を呼ぶイワン。
獣のような吐息が耳元に降りかかる。
いつのまにかイワンの体温がじわりじわりとパオリンにも移ってしまったような
感覚にすら陥った。
「イワン…? ど、どうしたの? 苦しいの?」
イワンの声に後ろを振り向けば、すかさず唇をふさがれて、
吐息より熱い舌が無遠慮にねじ込まれる。
「はふ、パオリン、パオリン……」
「ねえ、どうしたの…?」
「すき、ぱおりん…すき……」
「ボクも好きだよ? ねえ、イワン……あっ!」
さらに激しさを増したイワンの切っ先がパオリンの下腹部を擦りあげると、
パオリンの口からは小さな嬌声が漏れる。
その声を聞きのがすだなんて事はしない。
イワンの伏せられていた耳はピンと立ち、パオリンの方を向く。
先ほどまでパオリンの太ももに擦り付けられていたそれは、
今度はパオリンの潤んだそこに添えられる。
勢いよくイワンが腰を前後させると、
イワンの先走りと、パオリンの潤みで濡れたそこは、ぬるりと淫猥に光った。
「あっ、な、なに? こ、これ、ひんっ!」
「かわいい、パオリン、僕ので、感じてて、かわいい」
「イワ、ン、やっ、なに、やだ、あっ」
「だいじょうぶ、すぐに、擦れて、よくなる、からっ」
イワンの腕はがっしりとパオリンを後ろから抱え込んで、
胸の下で固く結ばれている。
迫りくる初めての甘い波のような感覚に、
パオリンは思わずその筋張った腕にしがみつく。
するとその腕はおずおずとパオリンの胸に伸ばされた。
「あ、や、だめ、へん、へんなの、きちゃう、からぁ」
「だいじょぶ、僕といっしょに、いこう、パオリン」
胸と下腹部、両方から与えられる刺激に、ぼんやりと思考が融けていく。
いつのまにかうつってしまった荒い呼吸は、さらにその思考を朦朧とさせる。
イワンとぴったりとくっついた背中を幾筋も汗が伝う。
さざ波だった感覚が集まって、波を作り出して、それが寄せては引く感覚に、
いつの間にか自分の腰もイワンに合わせて動いていることに気付く。
羞恥すらも今はその快感をとがらせるらしい。
「パオリン、腰うごいてる、かわいい」
「ああっ……」
もはや、イワンの声が耳からじわりと染みる感覚すら気持ちいい。
「パオリン、僕、も、う、イきそう」
「ボクも、ボクも、なんか、へん、だよお」
「一緒にいこ、パオリン、すき、すきだよ」
「あ、あっ、あ…!!!」
「ん、っ……!!!!」
ぷし、とパオリンの愛液が噴き出すのと、
イワンの白濁がパオリンのふとももにどぷどぷと吐き出されるのはほぼ同時だ。
ヒクヒクと痙攣を繰り返すパオリンを抱きしめて、
残りの精を絞り出すように自身を太ももに擦り付けた。
「は、ふ………」
イワンは相変わらず背中に引っ付いたままだ。
太ももに吐き出されたそれらは青臭くてぷりぷりとしている。
なんなんだろう、これ。
これを出したらイワンは苦しそうじゃなくなったみたいだ。
パタパタと尻尾を振り回すイワンはどうやら機嫌がいいらしい。
スンスンと首の後ろに鼻を擦り付けてはぴったりと密着するその体温がなんだか愛おしく感じて
パオリンはその大きい図体の犬を引き寄せた。
「おいで、イワン」
「パオリン、すき」
「ぼくもだよ」
イワンのそこがまだ元気であることを、パオリンはまだ、知らない。