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【大相撲】

白鵬、平成最後の天覧相撲6連勝

2019年1月21日 紙面から

白鵬(左)が下手出し投げで碧山を下す(安藤由華撮影)

写真

◇初場所<8日目>

 (20日・両国国技館)

 天皇、皇后両陛下が観戦された土俵で、白鵬(33)=宮城野=が碧山を下手出し投げで退けて無傷で給金を直した。阿武咲(22)=阿武松=は関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=に押し出されて2敗に後退。平幕の魁聖、矢後、千代の国が1敗を守った。大関は高安が松鳳山に不覚を取って4敗目を喫し、豪栄道は玉鷲に突き落とされて5敗となった。

   ◇

 貴賓席のイスから身を乗り出すようにして土俵をみつめる天皇、皇后両陛下に、白鵬は感謝の気持ちを白星に乗せて届けた。

 平成最後となる天覧相撲。天皇賜杯を39回、手にし「平成に育ててもらいました」という平成の大横綱は、「花道を下がるときちょっと(貴賓席を)見ましたけど、寂しいというか」と声を絞り出した。

 野球賭博問題に揺れた2010年の名古屋場所で、相撲協会は天皇賜杯の授与を辞退した(2011年技量審査場所も八百長問題により賜杯を辞退)。そのことに涙した白鵬のもとへ、激励の手紙を送ったのが天皇陛下だった。

 「9年前の手紙を思い出しますね。あの手紙があるからこそ、頑張ろうという思いになりましたし、今頑張れるのも間違いなくその影響です。賜杯がなかったというその思いが伝わった。ほんとにうれしかった」とあらためて感謝の言葉を口にした。

 その手紙は「協会がしっかり保存してくれてます」と言う。白鵬は手紙のコピーを自宅に持ち帰り大切に保管。「何度か見てますよ」と何かあったときの心の支えになっている。

 「少し時間が、縁があったら会って、昔園遊会で会ってますから、その話を振り返ってみたいですね」と白鵬は願う。

 今場所は序盤でばたつきながら、「でき過ぎくらいの気持ち。頭になかった」という全勝ターンを、天覧相撲では横綱として負けなしの6連勝で飾ってみせた。

 「あと1週間、引っ張れるような頑張りをしたいな」。さらにギアを上げた感じの白鵬。今場所だけではなく、新しい時代になっても角界を引っ張っていくことが、恩返しとなる。 (岸本隆)

 

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