愛と嫉妬は紙一重:オキシトシンについての暗黒面
オキシトシン関係の研究報告は近年大量に流れてきています。
(2013年記)
以下、たくさんある研究報告の中、ここ数年以内の、
・オキシトシンが「すてきな愛」じゃない「暗黒面」も引き起こすんだぜ系
・オキシトシンは自閉症に効果あるかな
・オキシトシンは効果ないケース
の報告を並べておきます。
プチまとめ:
●「愛のホルモン」と巷で称されるオキシトシンは、同時に、冷酷な「ヨソモノ排除」反応も、ヒト行動に引き起こします。
●オキシトシンで発生する「ヨソモノ排除」現象は、量が多すぎると発生する、ということではないようです。
●「自閉症に鼻スプレー」系の研究報告は、前にも各方面から何本か流れてきています。
●「愛のホルモン」と巷で称されるオキシトシンは、同時に、冷酷な「ヨソモノ排除」反応も、ヒト行動に引き起こします。
●オキシトシンで発生する「ヨソモノ排除」現象は、量が多すぎると発生する、ということではないようです。
●「自閉症に鼻スプレー」系の研究報告は、前にも各方面から何本か流れてきています。
うおー、なんかひさびさに記事拾いやったぞー。楽しいぞー。
あっちのブログはやめちゃった関係で、こっちのブログを流用してまとめてみました。
この報道ですね。
2013/12 MT Pro
オキシトシン点鼻で対人コミュニケーション障害が改善 /東大グループが自閉症治療に新たな可能性示す
2013/12 科学技術振興機構
共同発表: 自閉症の新たな治療につながる可能性
世界初 オキシトシン点鼻剤による対人コミュニケーション障害の改善を実証
2013/12 毎日新聞
<自閉症>ホルモン点鼻薬を投与で改善 東大臨床試験で効果
2013/12 朝日新聞
自閉症、ホルモンを鼻に噴射して改善 東大チーム
■ 2009年
愛と嫉妬は紙一重
「愛情ホルモン」として名高いオキシトシンは、反社会的行動(嫉妬や冷笑)にも影響を与える
社会的感情の総合的な引き金であるホルモン
2009/11 EurekAlert The narrow line between love and jealousy
2009/08 New Scientist 'Cuddle chemical' may create green-eyed monster
愛情ホルモン・オキシトシンの暗黒面
オキシトシンが多いと妬み心が燃え上がる
■ 2010年
2010/04 読売新聞 女性ホルモン 自閉症治療に効果…金大の研究グループ
一部の自閉症患者の治療にオキシトシンの点鼻薬が効果
2010/04 EurekAlert New treatment for social problems in autism? Oxytocin improves emotion recognition
自閉症の社交能力に新しい治療? オキシトシンは情動認識を改良します。
偏狭的利他主義の生物学的基盤
被験者全員を成人男子ボランティアとした実験で、鼻腔スプレーを用いて投与
2010/06 【日本語記事】Science 母熊効果:オキシトシンが促進する「慈しんで守る」反応
The Mama Bear Effect: Oxytocin Promotes "Tend and Defend" Response
2010/06 Science The Neuropeptide Oxytocin Regulates Parochial Altruism in Intergroup Conflict Among Humans
神経ペプチドであるオキシトシンは、ヒトの集団間の争いにみられる偏狭的な利他主義を制御している
2010/08 【日本語記事】BioToday
オキシトシンは信頼しうる人に対する信頼感のみ強化しうる
信頼しえない人への信頼感を高める作用はない
オキシトシンで人を信用する傾向は強まるが、だまされやすくはならないのだよ
2010/08 EurekAlert Study suggests oxytocin makes people trusting, but not gullible
最近の調査結果は、オキシトシンがだまされやすさではなく、信頼を伸ばすのを示します
特定の状況でだけ、信用強化が成り立つのかもしれません。
2010/09 【日本語記事】BioToday
社交性の高い人にオキシトシンを投与しても共感能は改善しない
2010/09 EurekAlert Hormone oxytocin improves social cognition but only in less socially proficient individuals
2010/11 【日本語記事】BioToday
オキシトシンは記憶を愛ある方向にも愛の無い方向にも助長しうる
2010/11 EurekAlert Hormone oxytocin bolsters childhood memories of mom's affections
母親に確かに愛着を有している男性とそうでない男性では、母親の思い出に対するオキシトン鼻腔投与の効果が全く異なる
■ 2011年
2011/01 【日本語記事】BioToday
オキシトシンは自身が所属するグループを偏愛する傾向を高めうる
ヨソのグループに対しては、負の感情を助長しうる
2011/01 【日本語記事】ワイアードビジョン
「愛情ホルモン」オキシトシンのダークサイド
被験者らのエスノセントリック(自民族中心主義)な傾向が増したのだ。
愛情ホルモン・オキシトシンの暗黒面
オキシトシンはネガティブな情動も引き起こせる
2011/08 The dark side of oxytocin
2011/08 【日本語記事】BioToday
オキシトシンは状況に応じて正の感情のみならず負の感情も促しうる
■ 2013年
自閉症にオキシトシン治療は効果なし
自閉症の38人の少年のランダマイズ比較臨床試験
2013/07 EurekAlert No benefit from oxytocin treatment for autism
2013/07 BioToday オキシトシン鼻腔投与の自閉症改善効果示せず/小規模試験
連続4日間のオキシトシンのスプレー式点鼻
「愛のホルモン」オキシトシンは他の人々の承認を増加させるかもしれません
2013/10 EurekAlert New research reveals that oxytocin could make us more accepting of others
オキシトシンは自己他の知覚の境界を鋭くする
2013/07 EurekAlert Another scientific proof of the difference in social perception between men and women
男女の間の社会的知覚の違いの別の科学的証拠
「愛のホルモン」オキシトシン
競争関係を特定する男性の能力を改良し、
女性では、親族関係を特定する能力を促進します
2016-06 ワイアード 「幸せ」は、ハグやセックスで増えるオキシトシンで決まる
プチまとめ:
●オキシトシンが過剰だとヨソモノ排除的になる、のではなくて、
オキシトシンによって、寛容に対処していい人物とそうでない人物の弁別反応が強化される
みたいな感じなのかな。
●ふだん安心できる相手に対しては、寛容度がさらに強化される
ふだん親しくない(安心できない)相手に対しては反感や攻撃性が惹起されやすくなる
のかもしれない。
その効果は、母親に対する感情にさえも及ぶわけで、愛しい母親に対する愛情は強化しても、なつけなかった母親への愛は、オキシトシンは強化しない。(2010年の報告参照)
オキシトシンによって、愛する人にはベタベタに、裏切り者にはギラギラに…
●オキシトシンが過剰だとヨソモノ排除的になる、のではなくて、
オキシトシンによって、寛容に対処していい人物とそうでない人物の弁別反応が強化される
みたいな感じなのかな。
●ふだん安心できる相手に対しては、寛容度がさらに強化される
ふだん親しくない(安心できない)相手に対しては反感や攻撃性が惹起されやすくなる
のかもしれない。
その効果は、母親に対する感情にさえも及ぶわけで、愛しい母親に対する愛情は強化しても、なつけなかった母親への愛は、オキシトシンは強化しない。(2010年の報告参照)
オキシトシンによって、愛する人にはベタベタに、裏切り者にはギラギラに…
大事なことなので二度書きます。
「なつけなかった母親に対しては、自閉症児にオキシトシンを点鼻しても、愛着が強化されることはない」
● ● ● ● ● ●
加えて、これ関係あるかなーと思える件がありまして、うちの偏見心理特集の中のこちらなんですが。
┗ 受胎可能な時期にある「危険日の女」は、異人種の男や、ヨソ者の男に対する偏見が強くなる
ホルモンの分泌かげんしだいで、評価の低いヨソモノに対して、イライラが強まったりする。
この、相手の安全度合いによって感情反応が異なってしまうという、本能的(と言っちゃいけないのかもしれないけど)な反応には、オキシトシンが関与しているかどうかは明示されていない。というか、まだ調べられていないのかもしれない。
けど、どうにも上掲の「オキシトシンが煽る自民族中心主義」現象と合わせて鑑みたくなってしまう。
2013/11 NEWSポストセブン
NHK『あさイチ』女性の生理取り上げて視聴者の反響1500件超
女性は生理中にイライラするのではない
2013/10 NHK『あさイチ』
激白!誰にも言えない“私の生理”
イライラは、生理前の期間(ヘタなのと親しくしちゃうと受胎がヤバイぞ期)だけで、生理(妊娠しない時期)が始まると収まる。
女性は、生理前の期間、安心できない相手に対して、イラチになる… のだとしたら。
ご家庭で、奥さんにイライラされる旦那さんは、もしかして、「安心できる身内」だとはみなされていないのかもしれない。少なくとも、奥さんの肉体レベルで。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「安心できる肉体的接触」を欠いていると、相手の身体の底が「オマエは敵だ」と反応して「伴侶にイライラされる」事態に陥る。
相手の本能が「オマエは敵だ」と告げているのだ。
身内に戻りたければ、理屈ではなく、相手との身体レベルでのなごめる接触を怠っている自分を省みるべし。
握手でも頭なででも背中さすりでもいいんだ。やれ。
追記:
このページ 『愛と嫉妬は紙一重:オキシトシンについての暗黒面』 は以上です。