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別荘がある聟島列島まで約900キロ。司波曰く最高時速100ノットのフレミングシップでおよそ6時間かかるらしい。6時間もかけて移動するなら飛行機などを使った方が早く着くと思ったのだが千葉や西城に言わせれば「これが旅の醍醐味」だとか。こいつらの目的って旅じゃなくて海水浴なんじゃねぇの?てか貴方達息ぴったりですね
というか、佳奈恵さんは移動にかかる時間がわかってたから6時前に店から出したわけ?何それ策士
北山家のクルーザーに乗り込む。甲板が外から見た以上に広く驚いた。8人がデッキチェアに並んで座ってもまだまだ余裕のある広さがある
「全員乗船を確認。それでは出発します」
このクルーザーの操舵手の黒沢さんが操舵室に引っ込み、船は岸から離れ、聟島列島へと走り出した
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あれから約6時間が経ち、船は無事に北山家の別荘がある媒島に到着した。女性陣が船の中で予定を決めていたらしく、昼食後にビーチで泳ぎ、夜はゲームをして遊ぶとのこと。そしていつも通りに拒否権などなく、両方とも参加することになった。そして今はビーチでパラソル下にて女性陣待ちだ
「そろそろ俺にも拒否権くれねぇかなぁ」
「女性の結託ほど恐ろしいものを俺は知らない。諦めるんだな」
「だよなぁ」
隣には俺と同じく拒否権を与えられなかった司波が諦めた表情で足を伸ばして座っている。こいつも大変だなぁ、主に妹で
「てかあいつら遅すぎだろ。西城と吉田泳ぎに行ったじゃねぇか」
「幹比古は無理やり連れて行かれてたと思うが……確かに遅いと思うが女性の着替えは時間がかかるものだと深雪が言っていたな」
「流石に20分はかかりすぎだろ、ここ俺ら以外いないってのに」
「水着の話でもして盛り上がっているのだろう。もう少し待ってやってくれ」
別に泳ぎたいってわけじゃないんだが……むしろ部屋で引きこもってたい。太陽眩しいし
『はちまーん僕もひまだよー』
「知らねぇよ。そんな暇なら海で泳いでろよ」
『えっ、いいの?』
「えっ、出来んの?」
『出来るよー。魔力で出来た仮初めのからだになるけど』
「ならいいんじゃね?知らねぇけど」
『やったー!ルーちゃんパパに会いにいくよー』
『……やった』
『それじゃあ準備するねー』
2人の声が聞こえなくなるとガタガタと言い始め、しばらくすると何も聞こえなくなった
「比企谷、独り言ならもう少し小さい声で頼む」
「独り言じゃねぇよ、通信魔法みたいなもんだ。や、電話とか使ってねぇしやっぱ独り言になんのか?」
「お得意のなんでも魔法か、本当に色々あるんだな」
「最近また増えたからな。そろそろ把握できなくなってきた」
「どれぐらいあるんだ?」
「俺が把握してるもので10ちょい。本のページが200あって1ページに2〜3個書かれてるから、最低でも400はあるな」
「……流石に多過ぎだ」
「だよなぁ」
しかも増える魔道書ときた。この魔道書、いったい後どれぐらいページが増えることやら
「うーみに向かって3、2、ドボーン!」
「……気持ち、いい」
「あの子達は、雫の親戚か?」
違います。うちの魔道書と魔法です。マジで実体化してるよ……
てか女性陣が遅い!
前書きでも言ったように本当にスランプになりました……
次はいつも通り出せるように頑張りますが、今のままだと難しそうなので気長にお待ちいただけると幸いです