魔法科高校の比企谷八幡   作:天音 八
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八「やっと将輝君との勝負だ!……といっても戦闘シーン苦手だから勘弁してね?」
雫「今回少し短いよ」



一高VS三高(前編)

テントの中で本を読んでいると、司波が電動バッグを引っ張ってテントに入って来た。そして俺を除くスタッフ全員が興味津々に見ていた。おそらく決勝で使う道具だろう

 

「……コート?」

「いえ、マントです」

 

黒い布地を持ち上げ、広げてみせる。マントの大きさは司波の身長でも引きずりそうなくらいありそうな洋風のマントだった

 

「そっちも?」

「こちらはローブですよ」

 

黒いマントを机に置き、今度は灰色の布地を広げてみせた。こちらも裾を引きずりそうなフード付きのローブだった

 

「一体……何に使うの、それ?」

 

テントの中は『?』で埋め尽くされているであろう。しかしその中で司波妹だけが訳知り顔で笑いを噛み殺していた。まあ妹なら何に使うかは知っててもおかしくはないか

 

「決勝で使います。いや、間に合ってよかった」

「お兄様、ルール違反になりませんか?」

 

話についていけない先輩達を余所に、司波妹は真剣な顔で司波に問いかけた

 

「大丈夫だとは思うが、試合前のデバイスチェックには提出するよ。ルールブックには魔法陣を織り込んだ衣類を着用してはならない、とは書かれてないけどね」

 

七草先輩が頭に『?』を追加しながら司波に訪ねた。幻覚かな?本当に『?』が見えるぞ

 

「魔法陣を織り込む?」

「ええ。古式の術式媒体で、刻印魔法と同じ原理で作動します。このマントとローブには着用した者の魔法が掛かりやすくなる効果を付与しています」

「補助効果ね……それ自体に特定の術式が組み込まれているのでなければ問題はないかな……」

「ルール上の問題はありません。ルールはそこまで想定していない、というのが正確なところですが」

「ダメだと言われれば諦めますよ。これがなければ戦えない、ってわけでもありません。他にも策はありますし比企谷もなにか策があるようなので」

 

今度は俺に視線が集まる。怖い、怖いよ。てかなんでわかんだよ

 

「お前なんでそんなに鋭いわけ?」

「やはりあるのか」

「ブラフかよ……」

 

確かに策はあるけどさ。新しい魔法も使って見たいし、いざとなったら結界使えばいいし

 

「そう言えば比企谷、お前も使うか?1つ余っているんだが」

「いらねぇよ」

 

うん、いらない。厨二心をくすぐるマントだが別に厨二病ではないしいらない。というかその発言、俺以外が着るってことになるんですが……まあいいか、関係ないし

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新人戦、モノリス・コード決勝。選手と登場に客席が大きく沸いた。と言いたいところだが実際のところは戸惑いにざわめく観客の方が圧倒的に多かった。理由?んなもんローブとマントを着ているこいつらに決まってるだろ

 

「なあ……やっぱおかしくねぇか、この格好」

「何で僕たちだけ……」

「使い方はさっき説明されただろ、俺に無いのは走りにくいものを着けてどうする、だそうだ」

「クソッ……今頃笑ってやがんだろうな」

 

『誰が』という部分が欠けているがそれが誰か特定するのは簡単である。ほらあの赤髪の……

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「やあ」

 

……いきなりここに呼ぶんじゃねぇよ、びっくりするだろうが

 

「ごめんごめん。あの魔法について言ってなかったことがあるから」

 

ああ、あれか

 

「あの魔法はね、対魔法魔法なんだ。人体、というか魔法以外に当たっても殺傷能力は無い。だから使う前に自分に使って人には害がないってことを伝えた方がいいよ」

 

お前そういうことは早く言えよ

 

「わすれてたんだよ〜」

 

ったく……というかお前CADにもなるんだな

 

「自分で内容増やす本だよ?構造ぐらい変えられるさ」

 

俺にはお前がいまいちわからねぇ、まあ相手になんの魔法を使われるのか悟られないのは助かるな

 

「えっへん。もーっと褒めてもいいんだよ?」

 

調子に乗るなアホ

 

「いたっ、もー少しくらい褒めてくれたっていいじゃーん」

 

決勝でお前の魔法が活躍出来たらな。じゃあな

 

「頑張ってねー」

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「……や、……がや、比企谷!」

「……うるせぇよ、聞こえてるわ」

「だったら反応しろよ、ったく。気を抜くんじゃねぇよ」

 

西城に怒られました。いや気は抜いてはいないけどね?

 

そこから数分後、試合開始を告げ、お相手様から攻撃が飛んできた

 

「さっそく攻撃かよっ」

 

左に走りながら攻撃を避ける。俺が元いた場所には小規模のクレーターが出来ていた。そして攻撃は続く。右へ、左へ、また右へを繰り返しながら攻撃を避ける。お相手はゆっくりと歩きながら多くの攻撃を仕掛けてきている。やべぇな、ジリ貧だ

 

始まって5分も経っていないだろう。しかし体感時間では等に1時間を超えている気がする。避け続けると体感時間ておかしくなんのな、攻撃が止み、別の方向から爆発が起きた

 

「西城!」

 

離れたところで西城が倒れている。先ほどの爆発は西城を吹き飛ばした爆発だろう。しかしやられっぱなしではこちらも終われない。相手が仲間の方を向いている間に首から掛けたチェーンを引きちぎり、『本』を突き出し詠唱を始める

 

「魂の共鳴!」

 

バラバラバラバラとページが開き、リィムと感覚が1つになったことを実感する

 

「『反転と破壊。全てのものには光があり、またその逆も然り。光は闇に、闇は光と混ざり合い、あらゆる魔法を破壊する!』」

 

詠唱を終える。そして今まで地面になかった柄を握り、引き抜く

 

「さあ、反撃開始だ!」

『さあ、反撃開始だよ!』

 

 

 

 




モノリス決勝!後編はオリジナルの戦闘になります。八幡は達也じゃないからね、仕方ないね。それと、本当に苦手なのでそこら辺は目を瞑ってもらえるとありがたいです。魔法は次回!

【魂の共鳴】
八幡、リィムの両者の感覚と魂をリンクさせる魔法。リンクさせることにより詠唱の短縮、魔力量が増加する。また、2人の意思がずれると魔法の使用が不可能になる





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