魔法科高校の比企谷八幡   作:天音 八
<< 前の話 次の話 >>

23 / 30
八「ウボァ」
エリカ「……何やってんの?」
八「戦闘難しいよぉ〜」
エリカ「三人称視点ならまだ作りやすいだろうけど一人称視点だからねーこれね
八「しかも八幡がかなりアグレッシブだし」
エリカ「何それ見たい」






一高vs二高

次の試合は第二高校と45分後に対戦することに決まった。本来もう少しインターバルが短いのだが試合が早く終わりすぎたためインターバルが少し長めだ、しかし控え室にはソワソワしている人が一名いる

 

「……落ち着け吉田」

「落ち着いていられないよ。さっきの試合、すぐに終わって緊張を誤魔化すことなんて出来なかったんだから」

「それもそうだな。比企谷、あれ何をしたんだ?」

「企業秘密、と言いたいとこだが……まあいいか。気になってる人が来てから話すわ」

「気になってる人ですか?」

「ああ、っと来たみたいだな」

 

司波妹「深雪です」……深雪の問いに答えるとキャンパスの仕切り(21世紀仕様のハイテク布)をめくって七草先輩と中条先輩が入って来た

 

「次のステージが決まったわ。市街地ステージよ」

 

へぇあんな事故があったっていうのに市街地ステージなのか。ま、大方ランダムで決めてるからそんなこと考えられてないんだろうな

 

どうやら俺の考えは当たっていたようで司波が昨日あんな事があったばかりなのにですか?と聞くと七草先輩からステージの選定はランダムだもの。そんなことは考慮されていないんでしょうね、と答えた。しかしその場合は選び直しとかすればいいだけだと思うのは俺だけか?

 

次の試合について一区切りついたところで話題が変わった

 

「それじゃあ比企谷君、話してくれる?」

「いいですよ、どうせ聞かれて困るものではありませんし。俺が使った魔法は2つ、感知魔法とリフレクト、つまり反射魔法です。方法はいたって簡単、感知魔法で場所を突き止めリフレクトで相手の攻撃を反射する。それをこちらが攻撃したように見せれば相手は反撃し自爆するって策です」

 

いやーあれは面白かったな。俺が出て来たら幽霊でも見たような顔して魔法連発して来たからな、全部反射して自爆したけど

 

「な、なんだよそれ……強すぎるだろ……」

「ところがそうでもない。この魔法、一面にしか張れねぇんだ。全方面のどこかに張ると他の場所で展開は不可能と、結構リスクが高い魔法だ。三方面から来たら対処出来なくはないが」

「同時に使えないのに対処出来るんですか?」

「はい。まあチームプレイによりますけどね。司波、西城、吉田、手伝ってくれ」

「手伝うって何をだよ」

 

西城が立ち上がり、司波と吉田も続いて立ち上がった

 

「好きなタイミングで手を前に伸ばしてくれ」

 

と俺が言うと西城、吉田、司波の順番で手を伸ばした

 

「このように動きに差があると最初に攻撃して来た順に魔法を使えば防げますが同時攻撃されると一面にしか張れないので防げません」

「なるほど。だから対処出来なくはないか」

「ああ。だが、これもう使わねぇ方がいいな」

「なんでだ?それがあればかなり有利だろ?」

「死角からの攻撃を跳ね返したらおかしいからだよ」

「あ、なるほど」

「そう言うことだ。っとそろそろ試合か」

 

防護服(プロテクション・スーツ)を着直し、ヘルメットとCADを携える。西城も司波から小通連を受け取っていた

 

「次は逃げ回りか」

 

次の試合は司波の考えで行くのだが、完全に囮じゃないですかやだー

 

_____________________________________________________________________

 

「吉田、聞こえるか」

『聞こえるよ、比企谷』

 

通信機を使い吉田と連絡を取る。モノリス・コードでは通信機の使用は禁止されていないが使用する学校は少ないらしい。まあ今の技術があれば簡単に探知出来るからな、通信機なんか使えば居場所がバレるが、今回はそれを作戦としているから問題ない

 

「敵の陣地に入った。モノリスの位置探査を始める」

『こっちもビルに入ったよ』

「了解だ。先に俺が行く、モノリスが開いたら合図を送るから吉田は二階で待機していてくれ」

『わかった。気をつけてね』

 

吉田との通信を終える。今回のステージは市街地ステージの廃ビル。双方のモノリスは中層階、具体的には五階建てビルの三階に設置されている。相手のビルに行くにはどうすればいい?もちろん隠れながら走って、というのが普通の答えだ。しかし移動手段は別に隠れながら走るだけじゃない、別に屋上から移動しても問題はないということだ。むしろこっちがいい、なんせそこからくるなんて思いもしないだろうからな

 

「よっと、中々スリル満点の綱渡りだったぜ」

 

鎖を出し敵ビルの三階の壁に刺してその上を走る

 

「お、あれか」

 

ビルに入り直進すると運良くモノリスを見つけた。ディフェンダーはいないようだ

 

「幸先良すぎだぜ」

 

CADを操作し『鍵』を発動させる。魔法と割れた音で気づかれるだろうが今回は囮だからな、関係ない

 

「しまった!くそっ」

 

相手選手がモノリスが割られたことに驚き、俺を追いかけてくる

 

「吉田、モノリスが開いた。西階段から降りるから気づかれないように頼む」

『了解したよ』

 

走りながら吉田に通信を入れる。相手は俺を倒すことだけを狙っているようで通信のことなど気にしていないようだ。もっとも聞こえてはいないだろうが

 

「喰らえ!」

「断る」

 

相手選手が繰り出す『鎌鼬』を躱す。カッコつけて返事をしたが最低限の動きで避けているため躱すのがギリギリだ。全力?出しませんよもちろん

 

「さて、どうやって逃げる、お?」

 

前方に窓がある。ひびが入り今にも割れそうな窓だ

 

「確か倫太郎さんが見てた映画でこんなんあったな」

 

映画のタイトルは忘れたが主人公が防弾ガラスを割って逃げ回る話だ。てか今思うと防弾ガラス割るって相当すげぇよな、主人公生身だぞ

 

「Yeah!!」

「んなっ窓から!?」

 

最後のガラスをぶち破り外へ出る。そのまま落下するがもちろん鎖を使って自陣一階に着地する。そして試合終了のサイレンが鳴り響いた

_____________________________________________________________________

 

光が差し、目が覚める。しかしそこは割り振られた部屋のベッドではなく誰かのベッドだった。周りには多くの本棚があり、その数は1万を、いや10万を軽く超えているだろう

 

「やあ、起きたね八幡」

 

ベッドから出て声のする方を見ると何か作業をしている少女がいた

 

「少女?あ、今は女の子の姿だったっけ」

 

ケラケラと笑う少女。この図書館には出入り口などない。ならこの少女の正体もわかる。俺に魔法を教えた魔道書(グリモワール)

 

「いい加減名前で呼んでよー、リィムってー」

 

だったらいちいち性別や姿を変えるな、この前男だったろお前

 

「だってずっとおんなじ姿だとつまんないし」

 

知らねぇよ……んで?俺を呼んだってことは新しい魔法でも出来たのか?

 

「そうとも!」

 

ない胸を張る魔道書。やめとけひっくり返るあ、ひっくり返った

 

「いった〜い、八幡が変なこというからひっくり返ったじゃないか!」

 

事実をいっただけだ。んでどんな魔法なんだ?

 

「ふっふっふーそれはね?…………って魔法。八幡今は大会に出てるでしょ、それに使えるかなって」

 

九校戦な、確かにこれは使えるだろうがこれ、銃型のCADないと無理だよな

 

「大丈夫、その辺は考慮してあるから」

 

さいですか

 

「それにしてもどんどん魔法が増えていくねー。お父さん感激っ」

 

お前女だろ

 

「あ、そうだった。お母さん感激だよ」

 

母親でもなんでもないだろお前

 

「……恋人?」

 

推定年齢200歳の幼女が恋人とか……

 

「幼女いうな!あ、幼女だった」

 

アホだ、正真正銘のアホだこいつ

 

「アホじゃないよ!魔道書だよ!あれ?魔道書なのになんで魔術じゃなくて魔法作ってんだろ?」

 

やっぱアホじゃねーか

 

「んなっ!?バカにするなー僕は最高位の魔道書だぞ!」

 

はいはい頭撫でてやるから起こるな起こるな

 

「ふにゃあ〜」

 

チョロい

 

「っは!今なら新しい魔法作れそうだ!うおぉぉぉぉ」

 

さて、アホは放っておいて戻るか

 

ちなみにベッドで寝れば現実に戻る

_____________________________________________________________________

 

再び目を覚ます。今度は割り振られたベッドだった。時計を見るともうすぐ次のステージが決まる時間だ

 

「本部に向かうか」

 

ベッドの脇にある本を手に取り本部へと向かう。あいつも中々面白い魔法作るよな

_____________________________________________________________________

 

準決勝は第九との試合だった。いやね?今回は渓谷ステージだったんだが基本吉田1人で終わらせちゃったからね?俺モノリス割っただけだし西城に関してはなんもしてないし

 

決勝戦は三位決定戦の後に行われることになった。モノリス・コードの試合時間はどんなに長くても30分以上かかることはないが、開始時刻は余裕を持って2時間後の午後3時半と決定された。そのため部屋で寛いで過ごす予定だったのだが

 

「なんでいるんですかねぇ御三方」

「何か問題?」

「問題だ。どうやって入ってきたお前ら」

 

部屋の鍵は閉めたはずだ。それなのに何故司波妹と光井と北山が入って来ているんだ?司波妹に関しては司波といたはずだが

 

「型を取って氷で作った」

 

何してくれてんだこの人……

 

「んで何しに来たんだよ、甘味が欲しいのか?それとも世界の半分か?」

「甘味」

「世界の半分じゃねぇのかよ、甘味っつったってマカロンしかねぇぞ?」

「問題ない」

 

何様だよお前、いやマジで

 

「んで何しに来たんだよお前ら」

「私は深雪について来た」

「私はほのかに」

「え、私は雫について来たんだけど……」

「「「………」」」

「……用がないなら帰れよ」

「あ、八幡、あれなんだったの?」

「あれ?」

「二高との試合で窓を突き破ったやつ」

 

部屋に沈黙が訪れる

 

(嘘だろ!?あれ映ってたのかよ!やばいやばいやばいどうする黒歴史確定だぞどうする」

 

「ねえ雫、これ聞かない方が良かったんじゃない?」

「ここまで取り乱すなんて余程のことなんでしょうか?」

「かっこよかったじゃんあれ」

「た、確かにちょっとかっこよかったけど……」

「もうやめてくれー!!」

 

ホテルの一室、廊下に響き渡るほどの悲鳴が聞こえたと清掃スタッフは語った

 

 




【リフレクト】
ありとあらゆる魔法を跳ね返すことが出来る。しかし一面しか張れないという欠点がある。簡単にいえば某第1位の劣化版

〈グリモワール〉
アホの子。八幡が主する詠唱魔法がかかれた本。アホの子。強力な魔法を作ったりするがネタ魔法も作る。夢の住人で姿は自在に変えられ今回は少女の姿で現れた

原作でもそうですが、九高なんかかわいそう過ぎませんかね?次回は三高との勝負、なのかな?





※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。