魔法科高校の比企谷八幡 作:天音 八
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新人戦ミラージ・バットは光井、里美のワンツーフィニッシュで幕を閉じた。その試合が終わるとミーティングルームに呼び出された
ミーティングルームの中は、完全にたがの外れた狂躁状態となった1年(女子)とは対照的な抑制の効いた感情さえも改まった表情の下に隠した上級生がいた。帰っていいかな?こんなとこいたくないんだけど
「今日はご苦労様。期待以上の成果を上げてくれて感謝しています」
七草先輩が格式張った、というか形式張った言葉を掛けてきた。司波、任せたと視線を送る
「……選手達が頑張ったからですよ」
司波が形式的な答えで返す。俺はそれに頷く
「もちろん光井さんも里美さんも他のみんなもそれぞれに頑張ってくれた結果です。でも2人の貢献が大きいのはここにいる全員が認めているわ。担当した三競技で事実上無敗……現段階の新人戦の2位以上のポイントを確保できたのは2人のおかげだと思っています」
「……ありがとうございます」
少し間をおいて司波が頭を下げた
「………」
次の言葉を待つが中々本題に入ろうとしない。そこまで話しにくい話なのか?
「今も言った通り、モノリス・コードをこのまま棄権しても新人戦の準優勝は確保出来ました。現在の2位は第三高校で、新人戦だけで見た点差は50ポイント。モノリス・コードで三高が2位以上なら新人戦は三高の優勝、三位以下なら当校が優勝です」
ああ……わかってしまった……この次の言葉が、そして呼び出した理由が
「新人戦が始まる前は、それで十分だと思っていたのだけど」
「ここまで来たら新人戦も優勝を目指したいと思うの」
やっぱりか……
「三高のモノリス・コードに一条将輝君と吉祥寺真紅郎君が出ているのは知ってる?」
「はい」
「……」
答えず頷く。ここで話を長くしてもあれだ、後で誰かに聞けばいいだろ
「そう……一条君の方はともかく、吉祥寺君の事は達也君の方が詳しいかも知れないわね。あの2人がチームを組んでトーナメントを取りこぼす可能性は低いわ。モノリス・コードをこのまま棄権すると新人戦優勝はほぼ不可能です」
「だから比企谷君、森崎君達の代わりにモノリス・コードに出てもらえませんか」
…………俺だけ!?え、司波は!?
「ちょ、待ってください!なんで俺だけなんですか!?司波は!?」
「達也君は比企谷達のサポートをしてもらいます」
「本人の了承なしに役を決めないでください」
「いいじゃないか比企谷、お前は1人でテロを制圧した実力が、司波はサポート面での成果がある。私は適任だと思うが?」
「とにかく無理なものは無理です」
「どうしてだ?」
待っていた、その言葉を待っていた。その言葉にこれを言えば相手は引き下がるしかない
大きく息を吸い高らかに声を発する
「ぼっちの俺と組むやつなんていないからです」
どうだこれを言われたら引き下がるしかないだろう。ほら見ろ他の人全員が苦笑いしてるだろ?
「胸を張って言えることじゃないでしょ……」
「比企谷、それはお前と組む選手がいれば選手として出るという事でいいんだな?」
と十文字先輩がいう。まあ意味的にはそうなるが
そうです、と返すと司波が口を開いた
「十文字先輩、比企谷と組んでくれる人に心当たりがあります」
「本当か?」
「はい。チームメンバー以外ですが」
「え、それはちょっと」
「構わん。例外に例外を積み重ねているのだ。あと1つや2つ例外が増えても構わん。それにいるのだろう?」
「十文字君……」
七草先輩が止めようとしたが十文字先輩により意味を成さなかった。まあ確かに例外だけどさ、そんなやつ居たか?
「では、1のEの吉田幹比古と同じく1のEの西城レオンハルトです」
「おいっ、司波!?」
慌てた声で副会長が口を挟もうとしたが市原先輩に手振りで制止された。もっと頑張ってくれよ副会長……
「良いだろう。中条、吉田幹比古と西城レオンハルトをここに呼んでくれ。確かその2人は応援メンバーとは別口でこのホテルに泊まっていたはずだ」
なんでそんなこと知ってるんですか貴方は……諦めるしかねぇのかなぁ
反論しようにも話は先に進み後戻りできないところまで来ている。どうしてこうなった
「ひっ!」
突然前方から悲鳴が聞こえた。悲鳴を発したのは七草先輩の様だ、虫でもいたのだろうか
「比企谷、目!目!その濁りを止めろ!」
どうやら目がいつも以上に濁っているらしい。無茶言うなよあんたらの所為なんだから
あと俺ほとんど喋ってねぇな
八「やったね八幡活躍できるよ」
八幡「喧しいわ。なんで司波は出ねぇんだよ」
八「だって達也と八幡だしたら相手瞬殺だよね?」
八幡「……だったら司波でいいだろ」
八「これ君が主人公だよ?」
八幡「そうだった……」