戦姫絶唱シンフォギアAXZ・仮面ライダーエボル 作:星食べるエボルト
<< 前の話
『地球外生命体のエボルトだ。今回は俺の新しいフェーズを紹介しよう。』
<< ROBOT!/RIDER SYSTEM! >>
<< EVOLUTION! >>
<<EVOL ROBOT! >>
<< フッハッハッハッハッ!! >>
「本部、本部!応答してください!」
三台の車がオペラハウスから出て、物凄いスピードで"どデカい怪物"から逃げている。地面を抉ってきて追いかけてくるのは巨大な龍のような怪物だった。
「なんなの!?あれ!?」
3台のうち1台の車が巨大な龍に食べられてしまい1台だけとなってしまった。藤尭は本部に連絡を試みる。
─S.O.N.G司令部─
「友里さん!藤尭さん!」
声をかけている白衣を着ている小さな女の子、彼女の名はエルフナイン。
「装者達は作戦行動中だ!死んでも振り切れ!」
叫んでいるのはガタイのいい男性、風鳴弦十郎。彼がこの組織の司令官なのだ。
『死んだら振り切れませぇぇん!!!!』
叫んでいるともう1台の車も巨大龍に食べられてしまった。これを見た弦十郎は流石に不味いと思い、
「聞こえるか!?」
ある人物に連絡を入れた。
◇
必死に巨大龍から逃げている友里と藤尭、ここで友里のドライブテクニック技術で巨大龍から逃げ切ることが出来た。
「やり過ごせた!」
だが、地面に潜った巨大龍が頭を出して車を吹っ飛ばした。吹っ飛ばされた車は数回回りながら転がりひっくり返された。
「貴方達で73794。その命、世界革命の礎に使わせて頂きます」
崖から見ていた3人の女性がそう話す
倒れた車からゆっくりと出てきた友里と藤尭、
「世界革命!?」
巨大龍はいつでも始末できるように2人に牙を向けた。
『グルルルルル……』
その時
──
突如、何処からか歌が聞こえてきた。
「ッ!?」
「歌?」
「何処から?」
白い服で男装した麗人とネグリジェの服を着ていた女性が歌の発生源を探ろうとするがその必要はなかった。
走ってきた車がヨナルデパズトーリに直撃し爆散した。巨大龍は悲鳴を上げた。爆発と共に友里と藤尭の前にピンク、緑、白の3人のシンフォギア装者が現れた。
「マリア!切歌!調!」
「二人とも大丈夫?」
マリアは怪我をしている2人に心配して声をかけるが2人は大丈夫との事
「後は私たちに……」
「任せるデース!!」
「出てきたか、シンフォギア!!」
サンジェルマンが大きく叫ぶと、マリアはアームドギアを構えながら
「ようやく会えたわね。パヴァリア光明結社。今度は何を企んでいるの?」
「革命よ!紡ぐべき人の歴史の奪還こそが積年の本懐」
ヨナルデパズトーリが標的にマリア達に変えて牙を向け、戦闘が始まる。
─────────────────────────
一方響、クリス、翼のチームはプラントの制圧が完了したあと響が助け出したステファンという少年が逃走した工場長を見かけたという話を聞かされて彼の村に移動した。
しかし到着して目にしたのは複数のアルカ・ノイズに囲まれている村民と不敵な笑みを浮かべて1人の少女を盾にしている工場長がいた。左手に持っているのはアルカ・ノイズを操る装置、
「要求は簡単だ。俺を見逃せ!さもなくば出なくていい犠牲者が出るぞ!」
3人はシンフォギアを纏おうとしたが、少しでも下手な動きを見せれば犠牲者が増えてしまう。どうするか困惑する3人…
「卑劣な!」
「ちっ!」
このままでは不味い。どちらかの選択肢に迷っていたその時だった。
<<FULL BOTTLE!>>
「ッ!?なんだ!?」
突如何処からか謎の音声が聞こえてきた。工場長は周りを警戒しながら見ていると……
<< STEAM ATTACK! >>
音声が鳴ったと同時に村人を囲んでいたアルカ・ノイズ達がどこから飛んできているのか銃弾の雨を浴びており、銃撃音と共に村人を囲っていたアルカ・ノイズ達は全滅した。
「何ぃ!?畜生!誰だ!?……あだっ!?」
工場長の頭にサッカーボールが当たり、力が抜けて盾にした少女を手放した。どうやらステファンがサッカーボールを蹴って工場長を怯ませたようだ。
「ステファン!」
「ッ!?」
村民の集団から女性の声が聞こえた。その声はクリスがよく知っている人物だ。
「行くよ!」
「え?」
ステファンは女の子を引っ張って出来るだけ安全な場所まで走っていった。
「アルカ・ノイズが…」
「何処から撃ってきたんだ?」
3人は村民の皆を囲んでいたアルカ・ノイズ達を誰がやったのかを頭の中で考えていたが、そんな暇は無くなった。ボールに頭をぶつ蹴られた工場長が目を覚まして
「ッ!?あのガキ!!」
子供にやられた事に対して怒った工場長は隠し持っていたアルカ・ジェムを逃げ走っている2人に向かって投げつけた。
「「ッ!?」」
ステファンと女の子の周りには工場長が投げつけたアルカ・ノイズが複数現れた。
「きゃあ!?」
アルカ・ノイズが現れた事により悲鳴を上げている少女を守るようにするステファンは少女に向かって
「君は逃げて!!」
ステファンは少女を逃がそうとしたが、一体のアルカ・ノイズが触手を放って彼の足に絡みつけた。
「ッ!?」
「ステファン!!」
「くそッ!」
クリスは狙いを定めていたこのままではアルカ・ノイズによってステファンが消えてしまう。そうなる前に足を切断すればいい。
だが、そうすれば彼が足を失う事になる。同時に姉同等の存在であるソーニャを悲しませてしまう。どうすればいい?早くしなければ消えてしまう。翼と響は他のアルカ・ノイズと戦っている。自分が決めなければならない今この状況を打開できるのはクリスしかいないどちらを選べばいいのか。
(畜生!!結局あたしはこういう事しか出来ねぇのかよ!!"あいつ"だったら……どうしてたんだ)
その時だった。
村民の集団の中を物凄いスピードで駆け抜けていく赤い影がクリスの横を過ぎ去った。影はアルカ・ノイズの触手を切断した。
「うわっ!?」
ステファンは地面に尻もちをつき、
「なんだ今の?」
クリスは自分の真横に何かが過ぎ去ったのをほんの一瞬見ることが出来た。
………そしてそれはステファンの前に姿を現した。
「痛っ。………ッ!?」
彼が目を向けると自身の前に立っていたのは全身の装甲は天球儀や星座早見盤などの宇宙関連器具、頭部にはコブラが口を開き牙を向く様子が見られる。前腰には謎のベルトが装着されている。
見るからに宇宙とコブラが合わさった異質さと強大さを醸し出した壮大な外見となっている。
「……なんだ?あれは…?」
戦っている翼も声を漏らした。
『………………』
そのコブラはゆっくりとステファンの前に立って、彼にこう告げた。
『お前はその少女を守ってここにいろ。死にたくなかったらな』
「え?……わ、わかった!」
コブラから発する声は不気味なオーラを漂わせる。しかしステファンは少女を守るようにくっついた。
コブラは水色のボトルを取り出してそれをドライバーにセットする。
<< PIRATES!/RIDER SYSTEM!>>
<< CREATION! >>
レバーを回すと交響曲第九番第四楽章・歓喜の歌が流れた。ドライバーから水色のパイプが出てきてそれが形となって形成する。
<< READY GO! >>
<< PIRATES FINISH! >>
パイプから変わったのは水色の弓矢だ。弓を引くと矢の先端から水色のエネルギー波紋が一点に集中する。
<< 各駅電車〜急行電車〜快速電車〜海賊電車〜! >>
引いている最中に車内アナウンスが流れてきて最後の"海賊電車"とアナウンスが流れると矢を放つ
弓を引いて放ったのは、実は矢ではなく電車型攻撃ユニットだ。ユニットが発車すると周りのアルカ・ノイズを通り抜き一体ずつ倒していき赤い塵となってノイズは消滅した。
電車型ユニットが何回か周り走っていくとユニットはどこかへ走り去って行った。
『………』
カイゾクハッシャーをドライバーの中にしまうとコブラは瞬間移動で工場長に近づいた。
「ひ、ひぃ!?」
目の前にコブラが現れて、尻もちを着く工場長は怯える表情でコブラを見つめた。
コブラは工場長の首を掴んで殺そうとするが……
『……フゥ、』
殺そうとしないのか。つまらない表情で工場長を村人達の前に投げ捨てた。
『お好きにどうぞ』
そう言いながらその場を去ろうとするコブラだが、横から金属が重なり合う音が聞こえて向けると首元に刀を突きつけられてしまう。
『ん?』
「動かないでもらおうか。お前に聞きたいことがある。」
『………はぁ〜、こんなもの突き付けなくても、質問くらいは答えてやったの"バリィンッ!"……あれ?』
「ッ!!」
コブラは突きつけられた刃を右手で掴んだ途端、刀身が薄いガラスのような軽い音を立てて真っ二つに折れてしまった。
「あ、天羽々斬を……」
『えっと…すまんすまん。まさかこんなにも壊れるとは思わなかった。お詫びと言っちゃあなんだが』
刀を折った事を謝り、弁償しようとコブラは天羽々斬の折れた刀身に煙を発生させると、折れたはずの刀が元に戻っていた。
「元に戻った!?」
『んじゃあ、治ったからこれで良いだろう?俺はお暇させてもらうよ。チャ〜オ〜』
「ま、待ってください!」
響はコブラを止めようとするが瞬間移動で物凄いスピードをつけて村から去っていく。
「奴は一体……」
3人のシンフォギア装者達はコブラを去っていったずっと見つめていた。
『地球外生命体のエボルトだ。今回はシンフォギア装者と初めて遭遇だったな。
いやぁー倒した途端に風鳴翼に刀を突き付けられたもんだから参ったよ。
しかし、見ない間に随分大きくなったなソーニャとクリス、幼い頃に比べて美人になったじゃねぇか。
おっとこれ以上言うとネタバレになっちまう。んじゃあそろそろ俺も次のストーリーに行くとするかァ
また会おうぜ。CIAO〜!』