戦姫絶唱シンフォギアAXZ・仮面ライダーエボル   作:星食べるエボルト
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序章
少年と少女


これはある国で少女と少年が出会った物語…

 

「ひぐっ…ぐすっ」

 

家の庭で1人しゃがみこんで泣いていた。日本を離れて家族と共に南米に渡って来たのだ。彼女は友達を作ろとしたが、周りの子に髪の色が白くて気持ち悪い、何かの病気か、と悪口を言われ虐められてここにずっと凹んでいた。虐められていたせいか銀髪が少し泥で汚れている。

 

「あたし…あたし、友達出来ないのかな?」

 

今は親も仕事で夜遅く帰ってくる。彼女は一人ぼっち、孤独という物が彼女を泣かせてしまった。

 

「やだよォ…1人はやだよォ…」

 

目から溢れる涙を両手で抑えて泣いてしまう。だが、涙の量が多すぎるせいで指の間から漏れてしまう。誰もいない場所で彼女の泣き声が響く。

 

 

 

 

 

「どうしたの?」

 

突如、背後から声が聞こえた。彼女は手で濡れている涙を拭いて後ろを振り向くと彼女と同じくらいの身長の帽子を被ってる男の子がいた。彼はしゃがみこんでいる彼女の隣に座り込んだ。

 

「……あたし友達作ろうとしたんだけど、周りの皆がお前の髪の色白で気持ち悪いって言われていじめられちゃった。ひぐっ…ぐすっ」

 

理由を説明した後に再び泣いてしまう。その時彼は……

 

「酷いね。そいつら、こんな綺麗な銀色してるのに」

 

「……え?」

 

頭を撫でながらそう呟くと、被っていた帽子を取る。

 

「……えっと、その髪」

 

帽子を取った少年の髪はなんと純白色、銀色とは異なるが輝きは同じだった。

 

「同じだね。俺も髪の色が白だから…それに」

 

少年はポケットからハンカチを取り出して少女の髪についている泥を取った。

 

「こんな綺麗な髪をしてるんだからさ。周りの奴がなんと言おうと気にする事はないよ。俺は綺麗だと思うよ君の髪」

 

そう言われた途端心が和らぐ感触を感じた少女、今まで悪口を言われてきたがこんなにも優しく接してくれた人は初めてだと感じている。

 

「俺、名前石動エイトって言うんだ。よろしくな!」

 

「あたし…雪音クリス」

 

「へぇー!クリスって言うんだ!いい名前じゃん!」

 

「本当に?」

 

「うん!」

 

「ッ!」

 

クリスは優しさの余り嬉し涙を流した。髪だけではなく名前まで褒めてくれた。それが嬉しすぎて泣き続ける。

 

「ひぐっ!ぐすっ!…ありがとう!ありがとう!エイト!」

 

「ふふふ、じゃあこれからクリスのパパとママが帰ってくるまで遊ぼうぜ!」

 

「え?」

 

「何うっかりしてんだよ!俺達もう"友達"だろ!」

 

「ッ!……うん!」

 

これが雪音クリスと石動エイトの出会い。彼女に取って初めての友達が出来た。2人は仲良くなり互いに分かち合い、親交を深めて行った。

 

 

 

 

 

 

ある日は

 

「エイトー!!一緒にボール遊びしよう!」

 

「ふふふ、負けても知らねぇぞ?」

 

クリスとエイトは2人でドッチボールを初めて何時間も遊んでいた。

 

 

ある日は

 

「え、エイト……」

 

エイトがクリスの家でお泊まりをしていた時

 

「どうしたの?クリス」

 

「い、一緒に寝ない?」

 

「え?……ど、どうして?」

 

年頃の女の子と何故一緒に寝るのかと理由を聞くとクリスはモジモジしながら

 

「ひ、独りだと……怖いから」

 

「……………………」

 

エイトはこの理由で理解した。この子は怖がりなのだと…それをわかった瞬間

 

「ぷっふッ笑」

 

「ッ!?笑うなッ!」

 

クリスは抱き締めていた枕を顔面に思いっきり投げつけた。

 

「ぬおおおお!?目がぁ!?目がぁ!?」

 

 

 

 

彼と一緒にいてからクリスはいつしかエイトを思い浮かべる度に心が熱くなってきた。彼といると心も身体も暖かくなる。エイトはクリスにとって暖かい場所となったのだ。このまま楽しい日々が続けばいい

 

 

───だが、そんな楽しい日常は直ぐに終わってしまった。

 

 

 

テロリスト集団がクリスと家族を襲撃し、彼等は逃げ走っていた。そんな中偶然一緒にいたエイトとソーニャも共に逃げていたが、クリスの両親は地雷に巻き込まれてしまい死亡してしまった。そして今は3人で逃げている。

 

「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫よ!クリス、エイト」

 

3人は森の中にある小さな洞窟で隠れ過ごしていた。エイトは少し顔を出して外に敵がいないか確認する。

 

「どう?エイト」

 

「今の所は大丈夫だ。けど、いつ来るか分からねぇからな」

 

「ぐすっ…ママ、パパァ…!」

 

クリスはずっと泣いていたがそんな暇はない。敵が彼女の泣き声を聞いてしまえば直ぐここにいる事がバレてしまう。

 

「このままだと見つかるわ。何とかしてこの地域から出ないと」

 

ソーニャは泣いているクリスを抱きしめながら呟いているとエイトは立ち上がり

 

「エイト?」

 

 

 

「……俺が囮になる。お前ら2人はこのまま真っ直ぐ走って逃げろ。」

 

「エイト!あんた何言ってるのッ!?」

 

「ッ!?…嫌だ嫌だ嫌だッ!」

 

クリスはソーニャから離れてエイトに必死に抱きついた。

 

「お願いッ!嫌なんだよォ!エイトまで死ぬなんて嫌だよォ!!」

 

「そうだよ!エイト!あんたが死ぬ必要なんてないのよ!3人で一緒に逃げればッ!」

 

「……クリス」

 

エイトはクリスを見つめて両手を彼女の肩に置くと笑顔で

 

 

「クリス、ありがとな。お前と一緒に遊んでとても楽しい日々を送れた。一生忘れないよ。クリスのおかげで俺は人の感情が芽生えてきた。今何をするべきか分かる。だから俺は皆を守る」

 

そう言うと

 

 

『何処だッ!?どこ行きやがった!?』

 

『まだ近くにいるはずだッ!?探し出せぇ!!』

 

敵兵の声が聞こえる。恐らく3人を見つける為にここまで来たのだろう。

 

「ソーニャ、クリスの事…頼んだッ!」

 

「ッ!エイト!?」

 

「あぁ…ァァ……嫌だァ…嫌だよォ……エイト!!エイトォォォォ!!!!」

 

エイトは洞窟から抜け出して森の中を一直線に走っていった。すると近くにいた兵士が気づいたのか

 

『見つけたぞッ!』

 

『奴を追えッ!』

 

兵士達が彼を追いかけていく。クリスとソーニャは彼の走っている光景を目にしていた。

 

 

──その瞬間最も考えたくない事が起きてしまった。

 

 

 

 

 

──ッッドガアァァァァァァァァァァ──!!!!!!

 

 

「「ッ!?」」

 

なんと彼が走ったその先にミサイルが着弾したのだ。爆炎に巻き込まれたエイト、爆炎に巻き込まれた数分後に彼の右腕が宙を待っている光景が見えた。残酷な光景を目にした2人は

 

「……嘘…ッ!?」

 

 

「あぁぁぁぁぁぁ………あぁぁぁぁぁぁ……ァァァァァァ

 

 

 

 

 

 

エイトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ──────────ッッッッッッ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

「昔の事か?」

 

ボートで移動していた立花響、風鳴翼、雪音クリス、緒川慎次。昔の事を頭の中で遡っていたクリスは目を見開く。

 

「あぁ。昔の事だ。だから気にすんな」

 

翼はクリスを心配していたが、大丈夫だと言った。

 

「詮索はしない。だが今は前を見ろ。……でないと」

 

その瞬間横の陸地から機関銃を撃ってくる兵士が見えた。それを阻止する為立花響はシンフォギアを纏い一番槍で突撃し、ジープごと破壊して行った。

 

「私達も行くぞ!雪音」

 

「おうよ!」

 

翼とクリスも同じくシンフォギアを纏い、森の中に現れたアルカ・ノイズを殲滅していく

 

(そうだ。先輩の言う通り、今は前だ。自分がやるべき事をするだけだ!!)

 

心の中でそう誓い2丁のガトリング砲でアルカ・ノイズを撃ち抜いて行った。






『地球外生命体の石動エイト、またの名をエボルトだ。
後書き担当をしているのが何故俺か?それをここで語るのはやめにしようか。
夏休みを過ごしているシンフォギア装者達の前に新たな敵が現れちまう。
しかもこいつらはパヴァリア光明結社と呼ばれる組織、その親玉であるアダム・ヴァイスハウプトってもんだから参ったよ。

アダムは俺と違って力任せ型の機会主義者でなぁ。

超高位な錬金術の力で自分が完全であることを示す為、人類を滅ぼそうしてやがる。
折角いい友達が出来た矢先に地球が消えるのはゴメンだね。
こうなったらここであいつらパヴァリア光明結社を倒すしか俺に明日は無さそうだ。

シンフォギア装者との共闘も悪くないな!』



『【戦姫絶唱シンフォギアAXZ・仮面ライダーエボル】でまた会おう。チャ〜オ〜』


久しぶりにエボルを書いてみました。上手くかけたでしょうか?次回もお楽しみに!





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