請求人 原田 優
主 文
本件につき、再審を開始する。
理 由
1 事案の概要
本件は、2006年8月24日午前0時ごろ、延岡市昭和町の堤防で談笑していた高校生5人を包丁で襲い、高校1年生の森重和之を殺害、高校2年生の女子生徒に重傷を負わせたとして、殺人罪、殺人未遂罪で2008年3月22日に、宮崎地裁延岡支部で懲役26年の判決を受けたが、殺人行為を行った時の延岡市の状況が、判決や検察警察事務に関わった者らの想定しているような趣旨の社会ではなく、インターネットの病的特殊状況とあいまって、社会に誹謗中傷などが氾濫しており、殺害された者らは、堤防で談笑をしていたのではなく、集団的にあてつけのような意図で、敵対勢力に対する誹謗中傷のような意図の会話をしており、堤防周辺の住民はこれに我慢をしていて、請求人は、被害者らの会話の内容が善良な社会通念に照らし、過酷に過ぎるので、我慢できずに「うるせえが」と言った大声を出して被害者らを殺害したものであって、懲役26年の刑は重きに失するとして、再審の請求をするというのである。
2 当裁判所の判断
そこで検討するに、弁護人らが言うとおり、2006年8月当時の我が社会は、善良な社会通念を破ろうとする特殊勢力がインターネットに出現し、これとあいまって、延岡市にも、堤防などで、夜間に悪質な意図内容を有する会話をわざとらしく行って、周辺住民に迷惑をかけようとする者がいたことは、常識的に十分認められ、とりわけ、殺害された被害者は、延岡市の青朋高校という、実態は社会的な不良者を集めており、インターネットの特殊状況に容易に参加するような人間であったことも、十分に認められる。そうすると、本件については、判決当時に捜査関係者らが知りえなかった新規証拠が発見された場合に当たり、刑事訴訟法に定める、再審を許す場合に該当すると認められるから、再審を開始することとし、主文のとおり決定する。
平成30年9月9日
宮崎地方裁判所延岡支部
裁判長裁判官 宮島 文邦
裁判官 吉野 俊太郎
裁判官 岸田 二郎