魔法科高校の比企谷八幡 作:天音 八
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八「仕方ないね今のところまともな人市原ちゃんと北山ちゃんだけだから」
八幡「……確かにそうだな、地味にポンコツの会長にデバイスマニアに実力風紀委員長」
八「ブラコン妹に追っかけだもんね」
八幡「こう見ると本当まともな人いねぇなぁ」
放課後の生徒会室、室内は険悪ムードだった。風紀委員長である渡辺先輩と副会長が口論をしていたからだ。一科生が二科生を取り締まることがあっても二科生が一科生を取り締まることは溝を深める、最もその通りだ、どうでもいいけど
「私は司波達也と比企谷八幡の風紀委員入りを副会長として反対します。魔法力のない二科生に風紀委員なんて務まりません」
「待ってください!確かに兄は魔法実技の成績が芳しくありませんがそれは評価方法に兄の力が適合していないだけの事なのです。実戦ならば兄は誰にも負けません」
副会長の発言に司波妹が反論をする
「司波さん、魔法師は常に冷静に論理的に事象を認識出来なければなりません」
「不可能を可能とする力を持つが故に社会の公益に奉仕する者として自らを厳しく律することが求められています。魔法師を目指すものは身贔屓に眼を曇らせてはならない」
「……」プルプル
「比企谷君?どうしたんですか?」
俺が震えていることに気づいた中条先輩。そして全員が俺を見る、やだ俺ってば目立ってる♪……自分で思っといて吐き気がしてきた
「なんでもありませんよ。ただ一科生の俺つえーみたいなこと言ってる副会長が凄く眼の曇った人だってことがわかっただけです」
差別意識のある副会長はこの挑発に絶対乗る。二科生から言われただけでは乗らないかもしれないが自身のプライドを傷つけられれば別になるだろう
「そうでしょう?二科生だからと言って自分より弱いと勝手に決めつけている副会長さん?」
「お前!」
「あれ怒りました?魔法師は常に冷静に、と言ったのは誰でしたっけ」
「っ!」
(((怖いもの知らずだなぁ)))
副会長の顔が更に紅潮する。それは怒りが恥ずかしさかは知らないが
あと生徒会メンバーに失礼な事を思われた気がする
場所は変わり第三演習場。長方形の構造をしている演習場で、長さはかなりある。何故俺らがここにいるのか、それはあの後会長が演習すればいいんじゃない?なんてめんどくさいことを言ったからだ。ふぇぇ帰りたいよぉ〜
ちなみに勝負をするのは俺ではなく司波だ、副会長の方は俺とやると思っていたみたいだが残念だったな生徒会室での話は司波達也の事だ俺のことではない残念だったな、あっーはっはー
俺のテンションがおかしいのは気にしないでくれ自暴自棄になっているだけだ、生徒会室で挑発した時に渡辺先輩が君はもうこちら側の人間だなと言う目で俺を見ていたからだ。諦めた
「全く、どうして俺が模擬戦を…」
司波がCADを組み立てながら愚痴を吐く
「それなら言われっぱなしの方が良かったか?」
「……お待たせしました」
無視かよ。まあいいけど、審判は渡辺先輩がする様だ、その後ろにあそこにいたメンバーがいる。俺がそこに混ざれるわけもなく会長達の反対側へ行く
「それはいいが、いつも複数のストレージを持ち歩いているのか?」
「ええ、汎用型を使いこなすには処理能力が足りないので」
司波の発言に勝ったと言うような顔をする、慢心はだめですよー
(貴方、怠惰ですネ)
誰だお前!?
「ルールを説明する。直接攻撃は相手に捻挫以上のダメージを与えないこと、相手を死に至らせる術式並びに回復不能な障害を与える術式は禁止、武器の使用も禁止だ」
「素手による攻撃は許可する。勝敗は一方が負けを認めるか審判が続行不能と判断した場合に決する。ルール違反は私が力ずくで処理するから覚悟しろ」
キメ顔でルール説明を終える渡辺先輩。この人よっぽど止められると自信があるんだなぁ
「準備はいいか?では始め!」
審判の合図によって模擬戦が開始される。司波が動き一般人にはできない様なスピードで動き相手の後ろへ回り込みトリガーを引く、すると副会長は倒れ模擬戦が終了する。生徒会は眼を見開いて驚き妹は嬉しそうな顔をしている
「勝者司波達也!」
呆気にとられ思い出したかの様に判定を下し会長と一緒に副会長を壁へと運ぶ。だから言ったのに、赤い空母も言ってたでしょ慢心はだめゼッタイってこれ橙の空母だったか
「待て、今の動きはあらかじめ自己加速術式を展開していたのか」
「それはないですよ」
「どうしてお前が答える比企谷」
「試合始まる直前まで俺がアンチ魔法の結界を2人の体内に発動していたからですよ。これが体内にあると魔法の発動はできません」
あらかじめ自己加速術式を展開していたとするとその魔法は発動せず発動しなかったことに動揺するはずだ、司波はもともと表情を作らないが少しでも反応があるはずだ。それがなかったと言うことは自己加速術式は展開していなかったことになる
「お前そんなことしていたのか」
司波が驚いた様な声色で話す。やはり表情は変わらないか
「公式な試合だ、ルール違反をして渡辺先輩の力ずくをなくしてやったんだ感謝しろ」
「もともとするつもりはなかったんだが…」
「念のためだ」
念には念を押すタイプだからな、あと俺はバレなければ使う
「それじゃああの動きは本当に九重先生に指導を受けのものだったのか」
「それではあの攻撃に使ったのも忍術なのですか?サイオンの波動をそのまま放った様にしか見えなかったんですが」
「正解です。あれは振動の基礎単一魔法でサイオンの波を作り出しただけです」
なるほどそしたらあの攻撃は波の発生による《酔い》か
「しかしそれでははんぞー君が倒れた理由がわかりませんが」
「それは、比企谷お前はわかっただろう?」
なんで俺に振るんだよそのままお前が答えればいいじゃねぇか
「酔ったんだろ」
「正解だ。魔法師はサイオンを可視光線や可超音波と同じ様に知覚します。予期せぬサイオンにさらされた魔法師は実際に自分の体が揺さぶられた様に錯覚するんです」
すると何か考えていた市原先輩が自分の推理を司波に言う
「波の合成ですね」
「りんちゃん?」
淡々と自分の推理を話す市原先輩。市原先輩の言葉の意味がわからず首を傾げる七草会長、本当にこの人が会長でいいのか?心配になるぞ
「流石市原先輩、お見事です」
「ですがあの短時間で三連続魔法の発動、その処理速度で実技評価が低いのはおかしいのでは?」
確かに、三連続魔法を発動できるのなら司波は二科ではなく一科にいるはずだがその疑問は中条先輩によって解決した
「あの〜これってもしかしてシルバーホーンじゃないですか?」
「シルバーホーンってループキャストを開発したあのシルバー?」
七草会長の疑問に嬉々として答える中条先輩。周りは中条に集中しているため俺は奥義ステルスヒッキーを使い演習場を出た。比企谷八幡はクールに去るぜぇ
帰ろうとすると校門のところに複数の男女(と言っても男は1人しかいない)がいた、西城たちだ
「お、比企谷、もう終わったのか?」
「知らん、途中で抜けてきた」
「比企谷なんか怒ってる?」
「怒ってはないが機嫌は悪い方になるな」
「何かあったんですか?」
「風紀委員」
「あー、そういうことか、ま家帰って休め」
「慰めにもならねぇよ」
あの人のことだ、絶対司波も入ったから俺も入れとか言ってくるよな、気が重い、明日学校サボろうかな…
八幡が最初に挑発したのは実力も知らないのに自分より下だと見下していたからです。コンナノハチマンジャナイ…