魔法科高校の比企谷八幡 作:天音 八
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今回は少しあのハゲが出てきます
「比企谷!」
「比企谷君!」
「比企谷さん!」
後ろ、だと空になるか。足がある方向から西城達の声と足音が聞こえてきて俺を起こす
「大丈夫比企谷君!?」
「大丈夫だ問題ない」
「絶対嘘だろ!大丈夫だったら倒れたりしないだろ」
「いや大丈夫だから、ただの魔力が切れただけだ」
「それ大丈夫じゃないから!って魔力?」
「サイオンのことだ」
サイオンよりこっちの方がいいやすい。なんならMPでもいいくらいだ
「どうして倒れたのですか?」
「魔法の継続使用だ、アンチ魔法の結界は継続で魔力を消費する、それで魔力が空になって倒れたというわけだ」
「それなら魔法を解除すればよかったのでは?」
「いきなりきた会長達に気を取られ解除するのを忘れていました」
「え、私たちの所為なの?」
「さあ?あと千葉、そこの桜の木の所に缶があるから取ってくれ」
「なんであたしなのよ」
「近いから」
近いから。それ以外の理由があるのだろうか、いいやないね近いから千葉を選んだそれだけだ。渡辺先輩は先輩だから無理だしな
「全く、これのこと?」
「黄色の缶だ」
「これのことね」
黄色の缶、そうマッカンだ。俺の好物であり生命でもあるマッカンだ
「あんたこれ飲んでんの?」
「速くしろ間に合わなくなっても知らんぞ」
「何がよ……はい」
「サンキュー。……ゴクッ、よし魔力の補給完了」
「は?今なんて」
「帰るかって言った」
「いやいや補給完了って言ったでしょ!今ので!?」
聞こえてるじゃねぇかボケたの?
「理由は俺にもわからん。だいたい半分ほど魔力が回復する、これは実験でわかったことだ」
「俺はもうお前がなんなのかわかんねぇよ」
「失礼な俺は人間だ、目は濁っているが」
「それと失礼しました無駄な心配をかけて」
「倒れたのは驚いたけど大丈夫なの?」
「はい帰ってから寝れば完全に回復しますので大丈夫です」
「それじゃあしっかり寝るのよ」
「では失礼する。この後用事があるのでな」
「わかっていますよ。さようなら」
「気をつけて帰れよ」
「じゃあね比企谷君、深雪さん達も」
「それではまた」
そう言えば司波ほとんど喋ってないな、だいたい西城と千葉ぐらいか?恐らく場を読んだだけだと思うが
「待て比企谷まだ達也達が来てない」
「……何故一緒に帰らないといけないんだ」
「アンタがまた倒れるかも知れないからでしょ」
余計なお世話だ、と言いたい所だがその可能性がないとは言えないから否定ができない
「帰ったらすぐ寝るから店は開かないぞ」
「わかってるって。達也達来たな」
「待たせたな。比企谷お前に伝言だ」
「いらん、あと人数を増やすな」
司波の後ろに女子生徒が増えているのがわかる。エンブレムがあるってことは一科生、司波妹の知り合いか?
「貸しだなんて思わないことだな、僕はお前のことは認めないぞ、だそうだ」
「結局言うのかよ……別にいい、今まで認められたことなんてほとんどないし」
どんなことをいようとしても即断で悪と判断された、今更認められたいなんて思わないし思わせない。それにお前に言われたところでそんなこと思うはずもない、既に諦めているのだから
「比企谷…」
「おい西城憐れむな、そして周りもそんな目で俺を見るなお前らの体内に結界張って永遠に魔法を使えなくするぞ」
「なにそれ怖い」
「冗談だが」
「冗談にならないでしょアンタ」
まあな。この結界は範囲を小さくすれば小さくするほど魔力の消費が少なくなるからな、いつもマッカンを飲んでいる俺にはそんなこともできるのだ
「で、そこの俺の目を見て一瞬ビクッとなったが話を聞いて哀れむ目で俺を見ていた一科生は誰だ?」
特に茶髪の方、俺を見た途端ビクッてしたくせに今となっては哀れむとかこの子表情豊かですね
「よく見ていたな比企谷」
「ぼっちは周りの目に敏感なんだよそれぐらいわかるわ」
「……2人は深雪と同じクラスの北山雫と光井ほのかだ」
「北山雫、よろしくね」
「光井ほのかです。あの、ごめんなさい」
「……気にするな慣れてる」
決して慣れてはいけないのだろうが慣れてしまった。仕方ないね周りがこうしたのだから
「おーい比企谷くーん」
幻覚かな向こうからハゲが俺の名前を呼んでいる気がするぞ
「ハゲとは失礼な僕は剃り上げているんだよ」
「いやハゲでしょそれは、それと心を読まないでください」
「比企谷、師匠を知っているのか?」
「師匠?まあ裏の常連だしな」
何かこの人に習い物しているのか?
「裏の常連ですか?」
「そーだよ比企谷君お菓子とか料理作るの上手いし自作している野菜とかも美味しいんだ。それを買い取っているんだよ」
「司波、この人と知り合いなら何か言ってやってくれ。野菜取りに来る時毎回店にいる客をセクハラして迷惑しているんだ」
本当に迷惑な人だ、セクハラするだけなら別に構わない、俺のことじゃないし。だがセクハラされた客が俺を盾にするという迷惑を食らっている。それとそこらの八百屋より野菜の品質がいいらしい
「師匠そんなことをしているのですか」
「いやいやしてないよ比企谷君もそんな嘘言わないでよ」
「してるじゃないですか、どうせまた萌えだとか言って手を出そうとしたんでしょ、現に司波妹の顔が引きつってますよ」
「いやはややっぱり君はよく周りを見ている。それだけで言い当ててしまうとは恐れいったよ」
あははと笑う九重さん。頭に手を置いて笑うが夕日が反射して眩しい
「それじゃあ僕は帰るよ、じゃあね比企谷君達」
ダンボールを抱えて颯爽と走り出しもう姿が見えなくなった、流石忍び逃げるのが速い
「なんか嵐のような人だったな」
「すごい人でしたね」
「いい人ではあるのですけどね」
「そうだな」
はあとため息をつく司波兄妹。いつものことなんですねわかります、確かにいい人ではあるんだよなぁ
はあとため息をつき歩き出す、まだ校門を出たすぐに九重さんにあったため門からほとんど動いていなかった
「……じゃあ深雪さんのアシスタンスを調整しているのは達也さんなんですか?」
「ええ。お兄様にお任せするのが1番安心ですから」
一高の帰り道の他愛もない会話、前を歩いている司波妹と光井との会話。声の上りからして司波妹は得意げに話していることだろう
「少しアレンジをしているだけだよ」
「それだってデバイスのOSを理解できる知識がないとできませんよね」
司波達也を中心に話が弾んでいる中俺は気配を消し後ろで声を聞いているだけだ
「じゃあ達也君あたしのも見てもらえない?」
「無理だ。あんな特殊な形状のCADをいじる自信はないよ」
「あはっ、やっぱり達也君はすごいね」
近くにあった店で食べるものを買い椅子に座る。座ったのは柴田、司波妹、北山の3人で光井は後ろ、司波は隣で立っている。西城と千葉は通路の真ん中に立ち俺は木に寄りかかっている
「刻印型の術式?」
「そうよ、だから柄以外全部空洞なの」
「サイオンを注入し続けるってことだろ?よくガス欠にならないな」
「おっ流石に得意分野、でももう一歩ね」
振り出しと打ち込みの瞬間だけ魔力を流す、そうすれば瞬間的に魔力を流すだけでほとんど消費しない、だろうな
「振りだしと打ち込みの瞬間にサイオンを流してやればそんなに消費しないわ、兜割りと同じ原理よ」
「……ってみんなどうしたの?」
「エリカ、兜割りってそれこそ奥義や秘伝とかに分類される技術だと思うのだけど。サイオン量が多いより余程凄いわよ」
「もしかしてうちの高校って一般人の方が珍しいのかな」
「魔法科高校に一般人はいないと思う」
柴田の疑問に北山が答える。魔法を使える時点で一般から離れているからな、一般人じゃないだろ
なんとも微妙な空気の中1人気配を消し家に帰る俺。晩飯何にすっかなー
最後喋ってないじゃん俺…
八幡の体質おかしい過ぎませんか?考えたの私ですけど…
あと八幡がエリカの技に気づいたのは似たような技を自分も使うからです