魔法科高校の比企谷八幡 作:天音 八
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昼休み、俺は何故か西城と千葉に無理やり食堂へ連れてこられた。食堂の中は五分の四ほど埋まっていた。食堂の中は一科生がほとんどだった。ただでさえ一科生と二科生にも溝があるんだ自分から食事が不味くなるようなところにはいかないよな、俺は来たくなかった
「それじゃあレオ比企谷のこと見張っててね〜」
「ちゃんと俺のも取ってこいよ」
「わかってるわよ」
計6人は座れそうな席を見つけると俺と西城を残し司波達は昼食を取りに行った
「全くなんで俺がこんなところに…」
「お前がいつもいなくなるからだ、一緒にいた方が楽しいだろ」
いつもって入学式昨日だったろ
「それはお前らの価値観だ」
「そんな固いこと言うなって」
こいつ、めんどくさっ!そして論破しても意味がないだろうな
「何のお話をしていたのですか?」
「西城がめんどくさいって話だ」
「あら、それは今に始まったことじゃないでしょ」
「なんで俺とお前が昔からの知り合いみたいになってんだよ!?」
「それはわかるな」
「達也!?」
千葉は声を出し笑い柴田は楽しそうに笑っている。司波は表情こそ変わらないが楽しそうに西城をいじって遊んでいた
「お兄様ご一緒してもよろしいですか?」
「深雪ここ空いてるよ」
「ありがとうエリカ」
少し移動し司波妹を座らせようとする千葉。だがその席に座ることはなかった
「司波さん」
「もっと広いところに行こうよ」
「邪魔しちゃ悪いよ」
「あ、いえ私はこちらで…」
「司波さん…ウィードと相席なんて辞めるべきだ」
「一科生と二科生のけじめは付けたほうがいいよ」
「なんだと?」
一科生の生徒が引き止めたからだ。そして一科生の言葉にキレ気味になる西城。あーあやっぱりこうなったか、こうなるから一人でいたいんだよ。特に司波兄といると高確率で妹もいて一科生と二科生の話になるからな
「落ち着け西城」
「落ち着けるわけないだろ!」
「確かに一科生と二科生には溝がある。関わり合わない方がいいだろうな」
「そっちのやつはわかってるな」
何を言っているのだろうかこいつは、まだ喋ってる途中だぜ?
「それでも誰と座るかは本人の自由だ。あんたらが決めることじゃないだろ」
「あんたらのそれは束縛だ、1-Aはそこまでして司波深雪の高校生活をつまらないものにしたいのか?」
「お前何言って!」
「実際そうだろ、司波深雪はお前らといるより兄達といる方が楽しんでいる。そうでもなきゃ自分から二科生の兄のとこなんて来ないだろ」
あ^〜正面論破が気持ちいんじゃ^〜。うん、キモイな
「何かあるか?あるなら正面から感情まで論破してやるが」
「あるに決まってるd」
「あーはいはい。とりあえず司波妹、あんたが答えろ」
「わ、私ですか?」
「これはあんたの問題だろ。なら問題の中心核であるあんたの意見が重要だ」
「私は…」
「何してるんだお前達!」
えーここで先生来ちゃうのかよ。せっかく苗木くんバリの論破決めようと思ったのに
「なんでもありませんよ、ただ1-Aが二科生をウィード呼びをし、司波深雪という一人の人物を束縛するとてつもなく問題のあるクラスだと言う話を」
「んな!?そんな話してないだろ!」
「ウィード呼びは事実だがな」
「それは本当か?」
「本当ですよ。なんなら録音でも聞きますか?」
「いやいい。二科生をウィードと呼ぶのは禁止用語だ。これからは使わないように」
「……はい」
流石の一科生も事実を言われ言い返さず声が小さくなり、先生はすぐどこかへ行ってしまった。これどうすんの?
「……帰るか」
「え、あ、おい比企谷!」
名前を呼ばないでくれますかね西城さん。周りの目が痛いじゃないですか
あと録音はブラフだからな
放課後
午後の授業には参加せず門近くにある桜の木で寝ていた。不良生徒と思われるかもしれないがもう今更だ。小、中で冤罪をかけられ不良生徒扱いされていた。今更高校で不良生徒と言われても傷つかないし気にしない、反論しても意味がない味方なんていないのだから
マッカンを飲みふぅと息を吐く、今日のマッカンはいつもより甘く感じる。マッカンを飲んでいつも以上に甘く感じるのは何かある前兆だ、おそらくこれから1時間以内になにかおk
「一体なんの権利があってお兄さんとの仲を引き裂こうって言うんですか!」
………はえーよ。今の声は柴田だろ、おっとりしている柴田があそこまで大きな声を出したんだもう何が起こってるのか予想もできた。どうせまた司波妹の件だろうな
あ、男子生徒の銃から魔法式が出て来た。そして千葉が叩き落とそうと警棒?を振り下ろした、あれ西城まで叩こうとしてたな。他の生徒も魔法使おうとしてるし、……止めないと不味いよなぁ
「それ意味ないぞ」
「うわ!?誰だお前、と言うかいつの間に!?」
「俺、今」
「そういうことじゃねぇよ!」
「比企谷!?てか意味がないってどう言うことだ?」
「そのまんまだ、さっきアンチ魔法の結界を張った。この中にいる限り俺以外魔法は使えないぞ」
「はっどうせはったりだ!」
「いや張ったんだけど」
「くそっ何でだ魔法が使えねぇ」
「お前何しやがった!」
今言ったよね?さっき結界を張ったって、この人達もうボケが始まったのん?
「んでどういう状況だ?どうせお前の妹関連だろ司波」
「そうだな。昼の続きだと思ってくれ」
こいつ説明するのが面倒いからってもっと具体的に言ってくれませんかね
結界内は何かとシュールなことになってる。魔法無理だって言ってんのに魔法式だけが出て来て発動しないの繰り返しだからな、見てて笑えるわ、笑わないけど
「やめなさい」
歩いて来た女子生徒2人のうち1人が言った。あれこの人何処かで見たことあるような?あ、生徒会長か
「自衛目的以外での魔法による対人魔法は犯罪行為です」
「風紀委員長の渡辺摩利だ。事情を聞きます、全員ついて来なさい」
風紀委員…なんかもうあれだな、まんまジャッジメントだな。腕章の色が違うだけで
「すみませんが事情を聞くのは事の発端である俺だけでいいですか?」
「何を言っている事の発端が君であったとしても魔法を使用したではないか」
「彼らは未遂ですよ。現に誰も魔法を使っていません、と言うか使えません」
「魔法が使えない?」
「はい、ここら一体にアンチ魔法の結界を張りました。この結界の中にいるものは魔法が使えず俺しか使えません。なので魔法を使用したのは俺で、校則違反をしたのは俺だけになります。ですのでついていくのは俺だけです十分ですね」
「……摩利、確かに魔法が使えないわ」
えー信じてくれなかったのー?ま、こんな目の濁ったやつ普通は信用しないわな納得納得
「君は何故そこまでして一科生の生徒を庇う?」
「庇う?渡辺先輩冗談がうまいですね。別に庇ってなんていませんよ、庇う理由もありません。結果的に庇った風になっただけであって誰かを庇うつもりなんて毛頭ありませんよ、この命を賭けてもいいですよ」
「そこまで賭けるのか…」
俺の言葉に軽く引いている渡辺先輩。そりゃそうでしょ、二科生をウィード呼びした奴らだぞ助ける義理なんてない。そういえば後ろ空気だな
「それでついていけばいいんですか?」
「どうしますか会長」
「あなた名前は?」
「1-E組比企谷八幡です」
「魔法を使用した理由は?」
「魔法を使わせないためですね、使われてもそちらの事後処理に困りますよね、使用した側も取り返しのつかない事態になり兼ねますので、例えばどんなに威力を調整した対人魔法であっても最悪の場合死にいたることがありますからね、流れ弾で死にたくありません」
「むしろ後者が理由なんじゃ……こほん。比企谷君今回のことは不問にします。このようなことはもうしないでくださいね」
「いいんですか不問にして」
「理由として魔法を使ったのは怪我人を出さないようにするためと判断しました」
不問にしてくれるなら魔法を甘えておこう。でもこれから目をつけられるだろうな
「ねえ比企谷君」
「何ですか?」
「顔色悪いけど大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込んでくる生徒会長
近い近い近い近いいい匂い近い!!なんでこんな近いんですか!あと女の子って何故かいい匂いするけど何故だろうか
「目の濁りならいつものことですよ」
「あ、いえ目じゃなくて顔色が」
会長が何か言い切る前に俺の視界が切り替わった
八幡のスペック
特に使えない魔法はない。が魔法を発動するときに使うサイオン(長いので魔力)が他人と比べ2.5〜3倍近く消費するという謎体質
得意としている魔法はオリジナル魔法で生活面でも使用している(材料費が少ないのはこのため)
【アンチ魔法の結界】本人が名前を決めていないため仮称呼んでいる。半径15メートルに結界を張り中にいるものの魔法を使用不可とする。ただし自分は使えるが解除の魔法だけしか使えない。結界発動中にも魔力は消費していく
こんな感じですね、話が進む度に魔法の詳細も書いていきます
体質が悲しすぎる…