カランカランとベルの音がなり男性と女性が入って来た
「おいーっす元気にやってっか坊主!」
「坊主はやめてください、まだ開店前ですよ」
「釣れねーなー」
「まあまあ、今日から学校でしょ?そのお祝いと様子を見に来たのよ」
入って来たのはこの店の常連である里町佳奈恵さんとその旦那であり向かいで八百屋をやっている里町倫太郎さんだ。というか佳奈恵さんはほぼ毎日顔を見せていますよね?
「別にいらないですよそこまでしてもらわなくても」
「おい坊主、俺の家内の祝いが受け取れねーってのか!?」
なんで怒るんだよ理不尽すぎだろ
「わかりました、そこの机にでも置いておいてください。でも割引とかしませんよ?」
「別にいいわよ。というかこれ以上安くしたらダメじゃない?」
俺が経営している店の商品の値段は基本150円で最高でも500円というものすごく格安の値段だ。こんな値段では赤字になるんじゃないかって?ならないんだよなそれが。なぜかって?それは企業秘密だ
「まあこれ以上は安くなるとしたら100円ですけどね」
「あ、安くはなるのね」
「ところで坊主、どこに入学したんだ?」
「だから坊主はやめてください、というか制服でわかりますよね?一高ですよ」
国立魔法大学付属第一高校
魔法技能師養成のための国策高等学校の1つであり、これから俺が通う学校だ。この学校はもっとも多くの優秀な魔法技能師を輩出したエリート学校である
【徹底した才能教育】
【残酷までの実力主義】
それが魔法の世界だ。この学校には一科生とニ科生での差別がある。一科生はプルーム、ニ科生はウィードと呼ばれている。一科生の制服には8枚の花弁のエンブレムがあるがニ科生にはエンブレムがなく花の咲かない雑草を揶揄してウィードと呼んでいるとのことだ。ちなみに俺はニ科生だ
「これから入学式よね?髪は切らないのかしら?」
「めんどいので切りません」
そう、これから入学式があるのだが俺の髪の毛は伸びっぱなしのボサボサだ。別に切る理由はない
「だったら仕事してる時みたいにオールバックにしたら?」
「お断りですよ」
佳奈恵さんの提案を断り時計を見る。針の短針はⅦを指していた
「もういくのか?」
「はい、入学式に遅刻はしたくないから」
「お前、俺にだけ態度変えるよな」
「いやだったら坊主はやめてくださいバカ亭主」
「誰がバカ亭主だこの野郎、表へ出やがれ」
「はっチートと呼ばれた俺の動きについてこれるかよ」
「……やっぱやめとくわ」
やめるのかよ。ま、別にいいや呼ばれたことはないけどな友達いないし
「あなた、そろそろ出ましょうか」
「そうだな、頑張れよ高校生」
2人は店を出ていった。余計なお世話だと呟き店の鍵を閉め一高へと向かった
どうも天音八というものです。今日からこのSSを投稿することにしました。他の投稿もしているので遅くなると思いますがあまり間隔を開けないように頑張ります
八幡が店を開いていることにはツッコミなしでお願いします。後日何話か投稿した時に明らかにします