北山雫の幼馴染(エンジニア兼婚約者)な劣等生 作:魂魄木綿季
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2095年4月3日(日)北山家 リビング
ほのか「」ソワソワ
明らかに落ち着きのないほのかがそこに居た
達也「ほのか、そんなに緊張していては式の途中で倒れてしまうぞ」
雫「無理だよ達也。
ほのかは小学校入学のときも中学校入学の時も受験の日だってこんなだったんだもん」
達也「それもそうか」
ほのか「2人共酷いです!私は’’落ちちゅいてます''ってば!!」
2人「~~~!!」
達也「そうだなw落ち着いてるな」
雫「’’落ちちゅいてる''もんねw」
2人「~~~!!」プークスクス
2人共先ほどのがツボり再び笑い始める
ほのか「あ、明日から朝御飯作るのやめますよ!」
ほのかがひそやかな抵抗をした
達也「すまなかったな。ほのか」キッパリ
雫「ごめんね。ほのか」キッパリ
2人「「だからご飯は作ってくれ」」
ほのか「2人共ご飯のために謝ってませんか!」
少し大きな声を出して講義をする
2人「「そんなことないよ」」
と2人そろって目をそらす
ほのか「次やったら絶対に作りませんからね!」
時刻 午前7時30分
達也「そろそろ出ようか、2人共」
雫「うん」
ほのか「はい!」
登校中
達也「それにしても、雫やほのかはともかく俺まで合格するとはね」
雫「ううん。達也が合格するのは当たり前」
ほのか「でも、残念ですね。達也さんが二科生だなんて」
達也「まぁ仕方ないさ。俺が実技面で不出来なのは事実だしな」
ほのか「でも・・・」
達也「ほのか、科が違うだけさ。
昼休みには会えるし携帯端末だってあるんだ完全に離れるわけじゃないよ」
雫「そうだよほのか。休み時間とか昼食の時間に会えばいいだけだよ」
達也「(まあ。そう簡単にいけばいいが)」
達也がそんなことを考えているうちに学校に到着した
達也「それじゃあ雫・ほのか、あとでな」
雫「うん。後でね」
ほのか「それでは後で!」
雫たちは入学式の前に興味のある部活の活動を見に行くらしいのでここで一度分かれる
達也「さて、どうやって時間を潰そうか」
現時刻は午前8時10分 入学式開始まではまだ50分ほど時間がある
達也「本でも呼んで時間を潰すか」
そういって達也は近くのベンチで本を読み始めた
しばらく経つと声をかけられた
真由美「貴方は新入生ね。もうすぐ入学式が始まるから『講堂』に向かって」
達也「(この声は)・・・・・・お久しぶりですね。真由美さん」
真由美「えぇ。久しぶりね。達也君」
達也「生徒会長がこんなところにいてはいけないのではないでしょうか。真由美さん」
真由美「私もできればまっすぐに『講堂』に向かいたかったけど知り合いを見つけたからね♪」
達也「そうですか。ありがとうございました。」
真由美「もう!久しぶりに会ったっていうのにかなりドライじゃないかしら」
達也「最後に会ったのは貴女が小学校中学年の頃でしたね」
真由美「そうね。あの頃は達也君、私よりも背が小さかったのにね」
達也「真由美先輩が縮んだのでしょうね」
真由美「縮んでなんかいません!!」
達也「ところで・・・!」
真由美「どうかしたの?達也君」
達也「生徒会長がこんなところにいてよろしいのですか?」
真由美「あ!そうだったわ!私講堂で打ち合わせあるんだったわ!達也君あとでねー!!!!」
速度がかなりありながらそれでも上品に走っていく真由美
達也達の居た場所は静かになる
達也「・・・それで?真由美さんを遠ざけてやったんだ。そろそろ顔を出したらどうだ?」
達也の問いかけに応じるように先ほどまで達也の座っていたベンチの後ろから1人の女性が姿を現す
深雪「お気づきでしたか。北山さん」
達也「何を白々しい。」
達也の声に敵意が含まれる
深雪「安心してください 。私は母から預かっている手紙を届けに来ただけです。」
達也「そうか。そこのベンチに置いておいてくれ。」
深雪「分かりました。・・・・・・やはりこちらを向いてはくれませんか。」
達也「向く理由があるのか?」
深雪「久しぶりに兄に会ったのです。お顔を拝見させて頂けませんか?」
達也「・・・俺は雫達の兄だ。司波、いや『四葉』深雪の兄ではない」
深雪「そうですか。分かりました。それでは新入生同士仲良く過ごしましょう」
その言葉を境に後ろから司波深雪の気配は消えた
達也「・・・」
達也は手紙を拾い制服の内ポケットに入れると講堂に向かって歩きだした
【七草真由美】
第1高校現生徒会長
『魔弾の射手』と呼ばれるほどの遠距離攻撃を得意とし10年に1人の逸材とされる
達也とは達也が北山家に引き取られる前に何度かパーティなどで顔を合わせている
達也が引き取られた本当の理由は知らず。「四葉に不要な魔法師」として
北山家に移ったと思っている。
また、達也とは元から仲がよく達也の「北山家への養子入り」に
反対もしていた。
自分が小学校中学年の頃から達也とは会っておらず達也の「人間不信だったころ」は一切知らない
【司波深雪】 本名【四葉深雪】
兄としての達也のことが大好きだった俗に言う「お兄ちゃんっ子」だったが
「君はすごいのに君の兄はダメだよね」などという周りの達也を「忌み子」として嫌っている状況を見て
真夜に「達也を自由にできる方法」はないか。と相談して「北山家に養子入り」させることを真夜に
提案され「兄を自由にできるなら」と即決断した
四葉内では「真夜」、「葉山」以外に達也一族追放の「本当の理由」を唯一知っている人物である