八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない 作:sinobun
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「深雪は俺の天使だ!」発言の翌日、八幡は学校最寄り駅へ向かう移動中に頭を悩ませていた。
「はぁ~、深雪にどんな顔で会えばいいんだよ。他の奴らも絶対何か言ってくるだろーな。特にあのシスコンお兄様怒ってないよな?ハチマンマダシニタクナイ!」
そんな事を考えていると直ぐ駅に着いた。
八幡が駅の出口を出ると狙ったかの様なタイミングで達也と深雪以外のいつものメンバーが居た。
エリカが八幡に気が付き寄ってくる。
「八幡おはよー!なんで昨日はいきなり消えたのよ!」
ニヤニヤしながらそう言ってくる
(くそっ、殴りたいっ!この笑顔!)
「それはアレだ!録画してたプリキュアを見忘れてた事を急に思い出してな!」
「嘘つくんじゃないわよ!そんなの見てるわけないでしょ!」
「そんなのとはなんだ!プリキュアにあやまれ!」
そこに他のメンバーもやって来る
「ヒッキーまだプリキュア見てるんだね。」
「えっ?ちょっと結衣!どーゆー事?」
雪乃も入ってくる
「エリカさん、八幡君は中学の頃からプリキュアの熱狂的なファンよ!」
それを聞きエリカは残念なものを見るような目で八幡を見る。
「なんだよ!プリキュアが使う魔法は色々参考になるんだぞ!」
「えっ?本当にっ!?」
「嘘だ!」
「結局嘘なんじゃない!」
「それより皆いつのまに仲良くなったんだ?」
雫とほのかは達也以外の二科生とは面識がないはずだったのでそう聞く
「昨日八幡が居なくなった後皆でケーキを食べに行ったの。」
「一高の近くにあって、とってもおいしいんですよ!今度八幡さんも行きましょう!」
「おっおう!今度な!」
そこに昨日エリカと一緒に森崎と揉めていた男子生徒も入ってくる
「おい、エリカ!俺の事も紹介してくれよ!」
「そう言えばあんたは八幡とは初対面だったわね!八幡、こいつはレオ、私達のクラスメイトよ!」
「西条レオンハルトだ!レオって呼んでくれ!八幡!」
「おっ、おう!よろしくなレオ!」
(やっぱり名前呼びか!全員リア充かよ!)
「それにしても昨日は感動したぜ!あんなに堂々と「俺の天使!」なんて絶対俺には言えないぜ」
(俺も二度と言えないけどな!!!)
「いや・・あれは間違えただけで・・その、忘れてくれると助かる。」
「八幡?誰と間違えたのかしら?」
八幡が振り返ると達也と深雪(凍りの微笑)が居た
「いや、小町と水波の事だからな?深雪にも恥ずかしい思いさせてすまなかったな。」
「私は別に構わないのに・・」ボソッ
収拾がつかなくなりそうなので達也が促しメンバー揃って学校へと向かった。
~昼休み~
あの後八幡達が学校へ向かっている途中で真由美が現われ、昼休みに生徒会室で一緒に食事を取ろうと誘われた。
八幡、達也、深雪の三人は生徒会室へと廊下を歩いている。
「なんで俺まで呼ばれたんだ?深雪は生徒会へのお誘いの話だろうから分かるが・・・」
「おまえは昨日あれだけ派手にやらかしたんだから仕方がないだろうな。」
「だからあれは小町と水波の・・・」
「天使の件じゃない。昼の食堂や、お前が使った魔法の事だ。別に俺は天使発言についてはなんとも思ってない。お前が深雪を天使と呼ぶのなら止めは・・」
「だーーー!分かったから天使天使言うな!!!」
深雪もそれを聞き顔を赤くしながら
「大体八幡!食堂で言っていたじゃない!昼は毎日わちゃしと・・・」
噛んだ
「わかったわかった!おとなしく付いて行くよ。」
「おほんっ!分かればいいのよ!」
そして生徒会室に着いた
中に入ると真由美と摩利以外に知らない女生徒も二人居た
真由美にその二人、市原鈴音(リンちゃん)と中条あずさ(あーちゃん)を紹介されたのだが八幡はあずさを見て
(なんかこの人を見てるとお兄ちゃんスキルがオートで発動しそうになるな)
「会長!私にも立場と言うものがありますから、後輩の前であーちゃんはやめてください!」
「そうですよねあーちゃん先輩!会長!あーちゃん先輩をイジメるなら俺が相手になります!」
発動した
「はち君?あーちゃんと知り合いなの?」
「いえ、初対面です!なんか見てると妹を見ている様で、お兄ちゃんとしては守らなければと!」
「もう既に立場がないじゃないですか!!!」
そんな事もありつつ昼食を済ませた後、真由美が三人を呼んだ本題を話す
「まず初めに、我々生徒会は司波深雪さん、あなたに生徒会に入ってもらいたいと思っています。如何でしょうか?」
「はい。謹んでお受け致します。」
「よかった、ありがとうございます!それと次に・・」
真由美がそう言いながら摩利に続きを促す
「風紀委員の生徒会選任枠に司波達也君、君が任命された!」
それを聞いた深雪は嬉しそうに
「お兄様!」
しかし達也はこれに異を唱える
「ちょっと待って下さい!二科生の俺が一科生の生徒を取り締まれるとは思えないんですが?」
「なに、力業なら私が居る!それに君の起動式を読み取れると言う眼は凄く役に立つ!」
「しかし・・・」
達也がさらに反論しようとしたのだが、一連の話を聞いていた八幡が割って入る。
「達也なら大丈夫だろ?
「「なっ!」」
これには達也だけじゃなく深雪も驚く
「
「そうよ摩利。無系統魔法の最強の対抗魔法ね。達也君も使えるの?」
「それは・・・」
達也が何て答えようか迷っていると、時間も時間なのでこの話は放課後にまたと言う事になった。
生徒会室を出て八幡が
(摩利さんまで案の定いきなり呼び捨てになってたな?でも俺も摩利さんとか言ってるし!ヤダ、ハチマンッタラリアジュウ!)
とか考えていると達也が真剣な目で
「八幡!どーゆーつもりだ?」
「そんな怖い顔するなよ。」
「納得のいく理由があるんだろうな?」
深雪は心配そうに二人を見る
「俺はな、昨日の森崎じゃないが差別が心底許せないんだよ!ましてや達也、お前が見下されてるなんて見過ごせない。そんなの深雪も望んじゃいないしな。だから少しくらいお前の力を周りに分からせてやろうと思ってな。」
「八幡・・じゃあお兄様の為に・・・」
「なるほどな。一応納得はした。お前が暴走して今年の慶春会見たいな事を起こされたらたまったもんじゃないしな。」
「なっ!?あの話はもういいだろ!」
「ふふふ、お兄様?八幡が無茶をするのは私と小町の為だけじゃなくお兄様もでしたね?」
深雪は嬉しそうに二人の手を引き教室へと向かった。
~放課後~
先ほどの件からずっと機嫌が良い深雪は、生徒会室に行く為八幡の手を引き教室から出ようとしていた。
それをクラスの男子達が羨ましそうに見ている。
「おっおい深雪!恥ずかしいから手を放して貰えると有り難いんだが!」
「ダメよ!放したら逃げるじゃない!」
「そもそも昼も思ったが俺が行く意味あるのか?」
「私が八幡と行きたいのよ!ダメ?」
八幡は深雪にそんな事を言われて断れるはずもなく
「うっ!ダメじゃないです!」
「じゃあ行きましょうか!」
そこに雫とほのかが来る
「八幡と深雪、手を繋いでどこかに行くの?」
「二人ともどこかに行くの?」
そう言う雫はいつも通り無表情なのだがどこか不機嫌そうに、ほのかは羨ましそうに見えるのは気のせいだろう。
「あー、ちょっとまた生徒会室に呼ばれていてな。」
「私が生徒会で、お兄様が風紀委員に入りそうなのよ!」
「そーなんだ。達也さんは風紀委員に。」
「あれ?じゃあ八幡さんは?」
「俺か?俺はどっちにも入らないぞ!例え誘われても絶対断る!」
この発言に深雪はこめかみを抑え、雫は無表情、ほのかは苦笑いをした。
「お兄様を待たせてはいけないし、とりあえずもう行くわね」
「「うん、行ってらっしゃい。」」
二人に見送られて八幡と深雪は途中で達也と合流し生徒会室へと向かった。
余談だが、達也と合流しても深雪が八幡の手を離すことはなく、八幡と達也の間に微妙な空気が流れていた。
あーちゃんが可愛い( ゚Д゚)
次回、また八幡が暴走します!