八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない   作:sinobun
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八幡の四葉としての威厳がどんどんなくなっていく・・・そのうち取り戻せたらなと思います。
初期の頃の服部くんが大嫌いなんです。


入学式3

雪乃と共に達也達と落ち合う予定になっていた先ほど入学式が行われていた講堂に向かうと、丁度深雪も来たところの様で、エリカ、美月、結衣と挨拶しているのが見えた。

しかし八幡がそれよりも気になったのが、深雪の後ろに居る生徒会の人間であろう面々だった。

 

その先頭に居るのは、先ほどの入学式でも代表挨拶をしていた生徒会長の七草真由美。

彼女は日本の魔法会ではトップに君臨する十師族「七草家」の長女であり八幡とも面識があった。十師族やその他のナンバーズでたまに催されるパーティーに、本来出席するはずの母親である真夜が面倒くさいという理由で代わりによく八幡が駆り出されていたのだ。

この親にして、この子有である。

そして八幡は真由美の事が苦手なのである。

 

「なっ、なぁ雪乃。俺はやっぱり先に帰る事にする。」

 

突然そんな事を言う八幡に雪乃は

 

「何を言っているのかしら!ほらっ、早く行くわよ!」

 

その腕をひっぱり達也達の元に連れて行く。

 

「みんなお待たせ。」

 

雪乃がそう言うと達也や深雪もこちらに気が付き、雪乃に引っ張られている八幡を見た。

それを見て深雪は額に青筋を立てながら笑顔で八幡に言う。

 

「八幡、女性と腕を組みながらやってくるなんて言いご身分ね?」

 

「いやっ、これは、ちっ、違うぞ。帰ろうとしたら雪乃に捕まっただけだ」

 

「帰ろうとした?つまり私から逃げようとしたって事かしら?」

 

「そっ、それも違う、とっ、とにかくすいませんでした!」

 

そんなやり取りをしていると達也が割って入る。

 

「深雪落ち着け。この子がさっき言っていた、結衣と同じく八幡が総武中学で同じ部活に所属していた雪乃だ。八幡が逃げないように監視していてくれたんだ。」

 

「そうでしたか。挨拶が遅れてしまいました。司波深雪です。よろしくお願いします。」

 

「雪ノ下雪乃です。こちらこそよろしくお願いします。」

 

その様子を見て八幡はホッとしていたのだが、真由美の存在を完全に忘れていた。

そんな八幡に真由美は後ろからいきなり抱き着いてきて、少し怒ったようにこう言った。

 

「はちく~~ん!なんでお姉さんの所には挨拶に来てくれないのかな?」

 

それを見た達也以外の周りの者たちは

 

「「「「「「なっ!?」」」」」

 

達也だけは冷静に

 

「八幡、お前会長と知り合いだったのか?」

 

「ああ、十師族の会合とかでな・・・それより早く離れてください七草会長っ!!!」

 

「七草会長だなんて。いつもの様にまーちゃんて呼んでもいーのよ?」

 

「いや、そんな呼び方した事ねーからな?」

 

思わず素でツッコム八幡だったが、これを見ていた周りの者たちは、呆気に取られる者、怒りに顔を歪ませる者それぞれだった。

特に真由美の後方に居た恐らく生徒会のメンバーであろう男子生徒は

 

「十師族・・・こいつが四葉の・・・会長に対してなんて羨ま・・・無礼な口を。」

 

などと言っていた。

 

そして深雪はというと・・・

 

「小町・・・八幡が一高の生徒会長と・・・そう・・ええ・・・わかったわ、ではまた後でね。」

 

小町に報告していた。

 

場がカオスになって来たと感じた達也は深雪にこう言う。

 

「深雪、生徒会の方々との話はいいのか?」

 

「その心配は要りませんよ」

 

達也の問いかけに答えたのは真由美だった。

 

「今日はご挨拶だけで十分ですし、他に用事があるのならそちらを優先してくださって構いませんから」

 

「会長っ!」

 

真由美の発言に驚いたような男子生徒は納得出来ないのか真由美に食い下がった。

 

「ですが会長、此方も重要な用件だったのでは!」

 

「予め約束してた訳ではありませんし、彼女の予定を優先するのは当然だと思いますよ」

 

「それは……」

 

「それでは深雪さん、また後日改めて。司波君も今度ゆっくりと話しましょうね。はち君もね」

 

そう言って去っていく真由美と、その真由美に付き従うように先ほどの男子生徒も歩を進めたが、少し歩いた後に此方を振り返り、達也と八幡をキッと睨みつけてきた。特に八幡に対しては親の仇でも見るかのような眼をむけていた。

それに気が付いた八幡は

 

「(はぁ~、どれだけ会長の事が好きなんですかね。)」

 

と、できるだけ静かに暮らしたい八幡はまた面倒ごとが増えたと溜息を吐くのだった。

 

「さぁ八幡。小町も話があるみたいだから早く帰るわよ!」

 

と深雪に言われ、さらに頭を悩ます八幡だった。

 

 

 

 

雪乃達とは駅で別れ、八幡、達也、深雪の三人は、小町と水波の待つ八幡の自宅へと帰ってきた。

 

八幡達が帰って来た事に気が付いた小町はトテトテとリビングの方から走ってきた。

その後ろから水波も早足でやって来る。

 

「達也さん、深雪さん、いらっしゃ~い!」

 

「いらっしゃいませ、達也様、深雪様。」

 

そう言って小町は深雪に抱き着く。

 

「ええ、小町も水波もお久しぶりね!」

 

「小町、水波、久しぶりだな。」

 

達也と深雪もそう返す。

 

それを見て自分だけ挨拶をされていない八幡は

 

「小町ちゃん?水波ちゃん?俺も居るんだけど?」

 

「さっ、二人とも早く上がってよ」

 

「八幡様も取り合えず早く中へ。」

 

小町には完全に無視され、水波もご立腹の様である。

 

ちなみに「八幡お兄ちゃん」は、破壊力があり過ぎるため家では封印されている。

 

リビングにやって来ると小町は早速本題に入った。

 

「さてゴミぃちゃん、何をしたのか洗いざらい吐いてもらうよ」

 

「いやいや、俺は何もしてないからね?」

 

「それを決めるのはゴミぃちゃんじゃなくて深雪さんだからね?」

 

「えーーー。」

 

八幡は物凄い理不尽を感じながらも小町に逆らえる訳もなく、今日あった事を一通り話した。

 

「そっか、雪乃さんと結衣さんに会えたんだね!」

 

「ああ、小町のおかげだ。ありがとな!」

 

「エリカさんて人の事と、美月さんて人がなんでお兄ちゃんの手を握っていたのかもわかりました。さすが小町のお兄ちゃんです。」

 

「そーだろそーだろ」

 

どーやら誤解は解けたようだと安心した八幡だったが

 

「しかーし、その生徒会長さんについては許せませんな。」

 

「そーよ八幡!抱き着かれてあんなにデレデレするなんて。」

 

ダメでした。

 

「いや、デレデレはしてないからな?あの人は会うといつもあーやって俺をからかってくるんだ。それに深雪も見てただろ?あの人が勝手に抱き着いてきただけだ。」

 

「八幡に隙があるからいけないのよ!」

 

「そーです、八幡様が悪いんです!」

 

水波も入ってきた。

 

「そお言われてもなぁ~。」

 

八幡がどう言い訳しようか頭を悩ませていると小町が

 

「お兄ちゃん、ちょっと想像してみてよ。」

 

「何を想像するんだ?」

 

「もしお兄ちゃんの目の前で、深雪さんに誰か男の人がいきなり抱き着いてたらどーお?」

 

「な、なん・・だ・・・と・・・・」

 

八幡は小町にそう言われ想像してみた

 

 深雪に男が抱き着く↓

 

  達也すぐ雲散霧消(ミスト・ディスバージョン)で消す→達也捕まる→深雪泣く ✕

 

  深雪相手を氷付けにして殺す→深雪捕まる 絶対 ✕

 

  深雪デレデレする→相手ろくでなし→深雪不幸になる ✕

 

(これじゃどー転んでも深雪が不幸になっちまう、俺がどーにかするしか・・・)

 

  俺が相手の男を抹殺→達也無事→深雪も泣かないし不幸にもならない 〇

 

八幡は斜め上な想像をして怒りでどーにかなりそうになっていた

 

「深雪を泣かせる奴は絶対許さねえーーー!!!!」

 

「「「「はっ?」」」」

 

そう叫んだかと思うとリビングがいきなり夜になる。

 

「ちょっ、ちょっとお兄ちゃん!これって真夜おばさんの流星群(ミーティア・ライン)!?」

 

「はっ、八幡様、落ち着いて下さい!」

 

「お兄様っ!!!」

 

小町は焦り、水波は防げないと分かっていても小町を守るため障壁を展開する。、

 

深雪だけは冷静に達也に助けを求める。

 

達也は即座に術式解散(グラム・ディスパージョン)を使いこれに対抗し打ち破った。

 

魔法を破られた事によって八幡はやっと我にかえる。

 

「あっ、あれ?俺は一体何を・・・」

 

そんな八幡に対し四人は

 

「今のは変な事言った小町も悪いけど、一体何がどーなったら流星群を使うことになるのさ?」

 

「八幡様・・・」

 

「八幡、いくら何でも叔母上の「夜」はやり過ぎだ。」

 

「八幡っ!何か言い訳はあるのかしら?お兄様がいなかったら、私たちに向けては使わないにしても、この家が穴だらけになっていたかもしれないのよ?」

 

完全に落ち着きを取り戻した八幡は正直に答える。

 

「いや・・深雪が泣いたり不幸になる姿を想像したら頭に血が上って、俺がなんとかしないとって・・すまん」

 

「「「「・・・・」」」」

 

しばしの沈黙の後

 

「ぷっ、あはははは。お兄ちゃん一体何を想像したのかは分からないけど、深雪さんの事大切にし過ぎでしょ。小町も妬けちゃうよ。それでこそお兄ちゃん。でもあそこまでするのは今回だけにしてよ!」

 

「水波も妬けてしまいます。ですがやっぱり八幡様はお優しいですね。」

 

「お前って奴は、想像だけでここまでするとは・・・。」

 

小町と水波は一応納得し、達也は呆れていた。

 

そして深雪はというと・・・

 

「八幡っ!」

 

「ひゃっ、ひゃいっ!」

 

「いくら何でもこれはやり過ぎよっ!」

 

「すっ、すまん。」

 

「でっ、でも・・・私の為にありがとう・・・」

 

「おっ、おう。」

 

どうやら嬉しかったようで、若干頬を赤らめそう言った。

 

「よしっ!そろそろご飯にしようよ!小町もーお腹ぺこぺこだよ」

 

「そうですね。すぐ準備致します」

 

 

 

こうして色々あった入学式初日は終わったのだった。




すいません後半は完全にやり過ぎましたm(._.)m自覚あります

感想待ってます。




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