沖縄のジミ・ヘンドリックスとも言われた沖縄民謡の名人で2013年に80歳で亡くなった登川誠仁さんと弟子の知名定男(73)の師弟による唯一のライブ音源が初めてCD化され、「ライブ!~ゆんたくと唄遊び~」=写真=のタイトルで23日に発売される。
ライブは、2001年9月5日に東京・表参道CAYで行われた。前日まで入院していながら、当日東京入りして、本番ぎりぎりまでホテルで静養していたという登川さん。最初にステージを務めた知名が、子どものころに親同士の話し合いで登川さんの弟子になることが決められたいきさつや、親子で出身地の兵庫県から密航して沖縄入りしたことなどを面白おかしく披露している。
知名の音頭で客席から「せーぐぁーさーん」とニックネームを大声で呼び掛けられて登場した登川さんは、ご機嫌そのもの。
八重山民謡の「移民口説」を名調子で聴かせると、「八重山の歌だから、ワシも意味は全然わかりましぇん。だから私もアホらしいんですよ。こんなに真剣に聴いておられる皆さまがおかしいんです」。客席がドッと沸く。
こんな調子で、知名が、この時すでに亡くなっていた名人・嘉手苅林昌さんと登川さんとの不思議な友情について語るなど、ファンにはたまらない名演とエピソードのオンパレードだ。2枚組で42曲入り。