世紀の大誤審!J・ファメションVSF・原田Ⅰ | BOXING MASTER

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋40年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。夢と勇気と感動を与えるブログ。


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今を去ること37年”世紀の大誤審”といわれたのが、ファイティング原田(笹崎)選手が3階級制覇を賭けWBC世界フェザー王者ジョニー・ファメション(豪)に挑んだ試合。現日本プロボクシング協会・会長、ファイティング原田ジム会長として活躍する原田氏。ホントは3階級制覇王者だった。F・原田ジム・ホームページはこちらです。

試合は、69年7月28日敵地オーストラリア・アシドニーで行われた。いわゆるジュニア・クラスがない時代、フライ、バンタムの2階級を制覇した原田選手。19才にして世界フライ級王座を獲得、バンタム級王座は、”黄金のバンタム”といわれたエデル・ジョフレ(ブラジル)を攻略してのもの(65年)。リターンマッチでも返り討ち。この勝利は世界的にも評価が高い。

世界バンタム級王者として4年半で8連続KO防衛中。世界タイトル獲得前からの連続KO記録は17をかぞえていたジョフレ。カムバック後、37才にして世界フェザー級王座にも就いた。アマ、プロ通じてのボクシング生涯で敗れた相手は、ファイティング原田選手ただ一人。

さて、試合前の予想は3-1でファメション有利。この時代のシドニーには、ボクシング・コミッションなるものは存在していない。採点はレフェリー1人による”英国式”で、そのレフェリーは元世界フェザー級王者・ウィリー・ペップ(米)。

アウトボクサー・ファメションを追い掛け回し、3度のダウンを奪った原田選手。14回のダウンは特に強烈で、とっくにカウント・アウトのはずが、1人で立っていられない王者をレフェリーがささえ時間稼ぎをする有様。試合再開後すぐに終了ゴング。

試合終了と同時に両者の手を上げたレフェリー・ペップ。結果は引き分け。呆然とレフェリーを見つめる原田選手の顔が悲しそう・・・。コミッション代わりの警察隊がジャッジ・ペーパーを確認すると、あろう事かファメションの勝ちに。リングをおりかけていた王者が呼び戻され、勝利者宣言。しかし観衆は、激しいブーイングで王者を迎えた。

最初は71-71。確認後70-69。15回戦の5点法採点。3度のダウンを奪っている。なぜ王者が70?ペップ氏の採点、ダウンを奪ったラウンドも全て5-4だった。まさにむちゃくちゃな判定基準により、日本人初の3階級制覇の偉業達成は幻に・・・。

リングサイド・クラブの藤田氏 も現地で観戦。二人(王者とペップ)相手じゃ原田も勝てないと手記を寄せています。「ドローの審判の瞬間、頬に一筋の涙を流しながら唖然と立っていた笹崎夫人の姿が、今でもマブタにやきついて離れません」

「大体日本のスタイルを参考に決めたが、ダウンしたら5-3、5-2もあり得るとは我々にとっては常識的なため念を押さなかったのが、盲点をつかれた感じ・・・」「強烈なダウンがあった14回とダウンのない15回が同じ5-4とはべら棒な話しで、こんな採点は今まで見た事も聞いた事もない」と笹崎会長。

試合後もスポーツマン・ライクであった原田選手。ふてくされた表情など一切なし。笑顔さえ見せてファメションを祝福。笹崎会長「それだけにかわいそうでね・・・」-笹崎会長に関するこちらの記事も参考に-

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