応用情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ【2018年版】 | サービス | プロエンジニア

    応用情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ【2018年版】

    前回記事:就職・転職に有利な資格?応用情報技術者試験とは【2018年版】では試験の概要についてご説明しました。今回は試験の難易度について、合格率から勉強時間の目安まで詳しくご紹介していきたいと思います。

    最終更新日:2018年12月27日

    目次

    1.応用情報技術者試験の受験者数と合格率の推移

    現行の試験制度となった平成21年以降の推移を表にまとめました。

    年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
    平成21年春期 56,141人 36,653人 9,549人 26.1%
    平成21年秋期 62,294人 41,565人 8,908人 21.4%
    平成22年春期 65,487人 42,338人 8,592人 20.3%
    平成22年秋期 66,241人 43,226人 9,898人 22.9%
    平成23年春期 62,116人 37,631人 7,745人 20.6%
    平成23年秋期 56,085人 36,498人 8,612人 23.6%
    平成24年春期 55,253人 35,072人 7,945人 22.7%
    平成24年秋期 57,609人 38,826人 7,941人 20.5%
    平成25年春期 52,556人 33,153人 6,354人 19.2%
    平成25年秋期 54,313人 34,314人 6,362人 18.5%
    平成26年春期 47,830人 29,656人 5,969人 20.1%
    平成26年秋期 51,647人 33,090人 6,686人 20.2%
    平成27年春期 47,050人 30,137人 5,728人 19.0%
    平成27年秋期 50,594人 33,253人 7,791人 23.4%
    平成28年春期 44,102人 28,229人 5,801人 20.5%
    平成28年秋期 52,845人 35,064人 7,511人 21.4%
    平成29年春期 49,333人 31,932人 6,443人 20.2%
    平成29年秋期 50,969人 33,104人 7,216人 21.8%
    平成30年春期 49,223人 30,435人 6,917人 22.7%
    平成30年秋期 52,219人 33,932人 7,948人 23.4%

    ここ数年の受験者数は、だいたい3万人前後に落ち着いています。しかし表から分かる通り、実は応募者数については毎回5万人前後にのぼっています。つまり受験率は6割程度と、とても低いようです。申し込みから試験日まで日が開いているため、とりあえず申し込んだものの勉強が間に合わなかったという方が多いのかもしれません。企業によっては団体での申し込みが奨励されているところもあるので、その関係とも考えられます。かくいう筆者も、団体申し込みしたものの忙しくて受験を見送った経験が2回あります。

    この受験率の低さのためか、合格率については基本情報技術者試験とさほど変わらない20%程度となっています。しかし応募者総数から計算すると合格率は10%台前半になり、厳しい数字となっています。

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    2.応用情報技術者試験の難易度と勉強時間

    応用情報技術者試験は、かなりの高難度試験です。専門に特化せずIT技術者としての総合力を問われる試験としては、最難関クラスではないでしょうか。
    合格率だけ見ると20%と基本情報技術者試験とあまり変わらないように見えますが、基本情報受験者のボリューム層が学生や新人エンジニアが中心のところ、応用情報の受験者はエンジニア実務経験者がボリューム層であるということからも、難しさの違いがうかがえます。

    特に基本情報技術者試験と比べて難度が大幅にアップしている原因に、記述式の午後試験があります。マーク式ならなんとなく覚えていても正解可能ですが、記述式では本当に理解できていなければ答えることの難しい問題が多く出題されるので、注意が必要です。

    なお旧制度で同等の位置づけである「ソフトウェア開発技術者」と応用情報の違いは、「午後Ⅱ試験」の廃止と、「ストラテジ系」の追加です。試験範囲が広くなり難しくなったように見えますが、アルゴリズムなどテクノロジ系の必須問題がなくなりSE向けのストラテジ系が追加になったことから、文系出身SEにとっては難度が下がったという側面もあります。

    勉強時間は、基本情報技術者合格済の方で一般的に200時間程度必要になります。
    仕事をしながら受験する場合、申し込みをしてから勉強を開始すると相当な詰め込み学習が必要になりがちです。申し込みが始まる前から、日々の通勤時間を利用して過去問アプリなどを用いて学習を進めておくことがおすすめです。

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    3どんな問題が出題されるのか

    基本的に、午前試験は過去問と同じ問題が多く出題される傾向にあります。午後試験には全く同じ問題は出ませんが、午前試験の学習内容を利用しての応用問題となっています。

    今回は午前試験の過去問から、8問抜粋してご紹介します。
    詳細な解説は省略していますが、試験の力試しとイメージ作りにご利用下さい。

    【問1】(H21秋 問1)
    2進数の表現で,2の補数を使用する理由はどれか。

    ア:値が1のビットを数えることでビット誤りを検出できる。
    イ:減算を,負数の作成と加算処理で行うことができる。
    ウ:除算を,減算の組合せで行うことができる。
    エ:ビットの反転だけで,負数を求めることができる。

    【問2】(H24春 問13)
    キャッシュメモリを搭載したCPUの書込み動作において,主記憶及びキャッシュメモリに関し,コヒーレンシ(一貫性)の対策が必要な書込み方式はどれか。

    ア:ライトスルー
    イ:ライトバック
    ウ:ライトバッファ
    エ:ライトプロテクト

    【問3】(H24秋 問21)
    8ビットのD/A変換器を使って,電圧を発生させる。使用するD/A変換器は,最下位の1ビットの変化で10ミリV変化する。データに0を与えたときの出力は0ミリVである。データに16進表示で82を与えたときの出力は何ミリVか。

    ア:820
    イ:1,024
    ウ:1,300
    エ:1,312

    【問4】(H27秋 問34)
    IPv4ネットワークで使用されるIPアドレス a とサブネットマスク m からホストアドレスを求める式はどれか。ここで,"~"はビット反転の演算子,"|"はビットごとの論理和の演算子,"&"はビットごとの論理積の演算子を表し,ビット反転の演算子の優先順位は論理和,論理積の演算子よりも高いものとする。

    ア:~a&m
    イ:~a|m
    ウ:a&~m
    エ:a|~m

    【問5】(H26春 問44)
    SSHの説明はどれか

    ア:MINEを拡張した電子メールの暗号化とディジタル署名に関する標準
    イ:オンラインショッピングで安全にクレジット決済を行うための仕様
    ウ:対称暗号技術と非対称暗号技術を併用して電子メールの暗号化,復号の機能をもつツール
    エ:リモートログインやリモートファイルコピーのセキュリティを強化したツール及びプロトコル

    【問6】(H25春 問58)
    情報セキュリティに関する従業員の責任について,"情報セキュリティ管理基準"に基づいて監査を行った。指摘事項に該当するものはどれか。

    ア:雇用の終了をもって守秘責任が解消されることが,雇用契約に定められている。
    イ:定められた勤務時間以外においても守秘責任を負うことが,雇用契約に定められている。
    ウ:定められた守秘責任を果たさなかった場合,相応の措置がとられることが,雇用契約に定められている。
    エ:定められた内容の守秘義務契約書に署名することが,雇用契約に定められている。

    【問7】(H23春 問65)
    受注管理システムにおける要件のうち,非機能要件に該当するものはどれか。

    ア:顧客から注文を受け付けるとき、与信残金額を計算し、結果がマイナスになった場合は、入力画面に警告メッセージを表示すること
    イ:受注管理システムの稼働率を決められた水準に維持するために、障害発生時は半日以内に回復できること
    ウ:受注を処理するとき、倉庫に在庫がある商品はリアルタイムで自動的に在庫引当を行うこと
    エ:出荷できる商品は、顧客から受注した情報を受注担当者がシステムに入力し、営業管理者が受注承認入力を行ったものに限ること

    【問8】(H22春秋 問79)
    企業経営における,コンプライアンス強化の説明はどれか。

    ア:企業存続の危機につながりかねない,経営者や従業員による不法行為の発生を抑制する。
    イ:競合他社に対する差別化の源泉となる経営資源を保有し,競争力を強化する。
    ウ:経営者の権力行使をけん制し,健全な経営を行うことができる仕組みを作る。
    エ:顧客,株主,従業員などの利害関係者の満足度を向上させ,企業の継続した発展を図る。

    【解答】
    問1:イ
    問2:イ
    問3:ウ
    問4:ウ
    問5:エ
    問6:ア
    問7:イ
    問8:ア

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    4.高度なIT人材を目指して

    狭く深く掘り下げる形のベンダー系などの資格に対して、応用情報技術者は広く浅く問われる内容となっており、広範囲の知識が問われるまさにSE向けの資格ではないでしょうか。
    今は実務に直接関係ないと感じる内容も、いずれ役に立つ場面があるかもしれません。入札条件など役立つ場面も多い資格ですので、現役SE、またはSEを目指している方は、受験してみてはいかがでしょうか。

    次回は応用情報技術者試験のおすすめ参考書など勉強方法を、詳しくご紹介したいと思います。
    よければ合わせてご覧下さい。

    関連記事: 応用情報技術者合格のカギは過去問!おすすめ参考書と午後対策方法を紹介

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