(cache)大韓航空「水かけ姫」への執拗過ぎるバッシングはなぜ起きたか(崔 碩栄) | 現代ビジネス | 講談社(3/3)


大韓航空「水かけ姫」への執拗過ぎるバッシングはなぜ起きたか

韓国政府もマスコミも叩きに回ったワケ
崔 碩栄 プロフィール

韓国経済界に地殻変動も

文大統領が導入するスチュワードシップコード実現すると、一般企業に対し、政府の影響下にある国民年金による社外理事、監査の推薦が可能になり、政府による企業経営への干渉、財閥支配が強化される見込みだ。問題は国民年金の株主権限の行使には、政府からの独立性が保障されず、政治的に悪用されないための装置がないということだ。

悪用されれば、国民年金が「年金」を武器にして政権の意に沿って企業に干渉し、あるいは支配するという「年金社会主義」へと変質する恐れすらある。

 

これに対し最も脅威を感じているのは大手企業のオーナーたちだろう。企業のオーナーが2世に経営権を譲ることがこれまで以上に難しくなるからだ。大韓航空のケースをみても、現在はオーナー一族の株式持分は28.96% (会長17.84%、長男2.34%、長女2.31%、次女2.3% 等)だが、会長の持ち分を譲り受けるためには多額の税金を支払わなければならず、必然的に一族の保有株式は減少することになり、ともすれば筆頭株主の地位を失うことにすらなりかねない。

いずれにせよ危機に瀕するオーナー一家に対抗し、少額株主運動を展開する市民団体が国民年金に加勢しようものならば、オーナーにとっては間違いなく大きな脅威となる。

「水かけ姫」こと、チョ・ヒョンミン氏。photo by gettyimages

「少額株主運動」とは、市民団体が多数の少額株主から株主権限の委任を受け、株主総会に参加し影響力を行使することで経営陣による独断的な経営に歯止めをかけ、株主の権限を守ろうという韓国の代表的な市民運動の一つだ。

既に、ある法務法人は韓進KALの株主たちに呼びかけ、現経営陣を交替しようという作業にとりかかっている。仮に、少額株主運動を展開する市民団体の力が国民年金といった、政府の影響下にある機関投資家と手を組んだなら、財閥の2世承継が難しくなるのはもちろん、経営陣交替など企業経営全般に地殻変動が起きかねない。

国民年金に言わせれば「国民のための」正当な権限行使ということになるだろうが、企業のオーナーの目には国民の財産(年金)で、政府が経営権を奪おうとしているものと映るのではないだろうか。

ところで、少額株主運動は経済学の教授や弁護士等からなる市民運動家らが1990年代末から始めた市民運動であるが、これを主導する人物について言及しておかなければならない。この運動を主導してきたのが、現・青瓦台政策室長、張夏成だ。財閥改革、反財閥政策を強力に推し進め「財閥の冥途の使者」とさえも呼ばれている人物である。

首を傾げるしかない。パワハラがあったのは紛れもない事実だ。だが、それを理由に起きたバッシングの執拗さ、タイミング良く経営に口を出し始めた国民年金と経営陣交替のため行動を起す市民団体。そして、長年その市民運動を主導してきた人物が政権の中枢にいるということは、やはり釈然としない。

水かけ姫のパワハラによるバッシング騒動は、本当にパワハラが原因だったのだろうか。

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