Microbubble

圧力遮断用ノズル

先ほどマイクロバブルを作る時に音が出ることを説明しましたが、現代のように家庭で使用する機器の音が小さくなってくると、今まで気にならなかった音がうるさく感じられるようになります。そこで音を小さくする方法について説明します。また、水中でマイクロバブルを発生させるだけでなく、ジェットにして噴射させるときに必要な工夫についても紹介します。


旋回流型マイクロバブル発生器では以下の問題点があります。

  1. 音波の発生に伴う騒音
  2. 空中に放出する場合の空気の吸込みによる微細気泡の不生成
  3. 水中放出時の放出流体の再吸い込み
  4. 管路途中に設置した場合の液体全体の旋回による気泡発生効率の低下
  5. 旋回流中心における低圧部生成による溶解気体の再気泡化

実は、これらの問題点はマイクロバブル発生器の中の流れを流体力学的に分析することで解決することができます。

  1. 音波の発生は、旋回流型マイクロバブル発生器を民生品もしくは水質改善に使用する際の騒音問題を引き起こします。旋回流型マイクロバブル発生器から発せられる音波は旋回周波数と装置内部に形成される気柱の固有周波数の2種類の振動が存在することが知られています。圧力遮断用ノズルを渦崩壊ノズル前面に設置することで渦崩壊をスパイラル型からバブル型に遷移させることができます。バブル型の渦崩壊は気柱を伸縮させる外力が小さいため前記気柱音が小さくなります。
  2. マイクロバブル入りの空中放射ウオータージェット用ノズルの開発に必須です。旋回型マイクロバブル発生器前面が大気と接していると、中心部の負圧のために大気中の空気を吸い込み液膜シートが生成されます。したがって、旋回型マイクロバブル発生器前面の流れの低圧部は構造物で遮蔽する必要があります。
  3. マイクロバブルによるフロックの泡沫浮上分離時に放出流体を再吸い込みすることでフロックが破壊され液中に分散されます。圧力遮断用ノズルにより放出されたマイクロバブル水の再吸い込みが阻止されます。
  4. 旋回型マイクロバブル発生器前面の空間がノズル外径程度の広さしか取れない場合には、微細気泡の発生効率が低下するため工夫を必要とします。圧力遮断用ノズルにより旋回型マイクロバブル発生器下流における渦の発生および旋回流の生成を阻止することができます。
  5. 旋回流型マイクロバブル発生器では旋回流中心部の圧力が低下します。圧力遮断用ノズルに縮流部を設けることでマイクロバブル発生器中の圧力を上げることができます。

上の問題点は、それぞれの場合に応じた圧力遮断用ノズルを渦崩壊ノズル前面に設けることで解決できます。また、旋回流の中の障害物(圧力遮断用ノズル)は流れの抵抗にはなりません。逆に、流れを吸い出す効果があることが分かっています。

圧力遮断用ノズル図解

また、圧力遮断ノズルの位置を調整することで高濃度のマイクロバブル水を生成することができます(上記の5)。 下の動画は、このようにして発生したときの動画です。

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