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韓国出身の金沢市国際交流員(CIR)林慧娟(イムヘヨン)さん(27)が16日までに、防災士の資格試験に合格した。2月末に認証見込みで、市内では初の外国人防災士となる。林さんは災害時に市防災本部などが発信する情報の翻訳を手掛けるほか、留学生対象に防災講座の企画などに取り組む。
防災士の資格取得には、救急救命講習を受け、2日間の養成研修講座を経て試験に合格すると申請できる。林さんはCIRに採用された2016年4月、熊本地震が発生したことを機に、自ら災害に備えて知識を身に付けたいと防災士に関心を持ち、昨年12月に試験を受けた。
市内在住の外国人は、昨年末時点で5614人と過去最多を記録した。このうち韓国人は約800人となっている。市内では1228人の防災士が活動しているものの、外国人の防災士はおらず、災害時に言葉の通じない外国人への情報伝達や避難誘導、避難所の運営などが課題となっている。
市の担当者は「外国人の視点から意見を言ってもらうことで、防災の質が高まる」とも期待を込める。林さんは3月に新人防災士対象の研修に臨む予定で「災害時に活躍できるようスキルを磨く。防災への心構えなどを留学生ら外国人在住者に広めたい」と意欲を語った。