球団史上最速のサバイバル戦が幕を開ける。巨人は16日、川崎市のジャイアンツ球場でコーチ会議を開き、2月3日にキャンプ地の宮崎で若手主体の「1軍VS2軍」の紅白戦を行うことを決めた。関係者の話を総合すると、キャンプ3日目の実戦は球団史上最速で、1、2軍の対戦は最低30年は行っていないという。
原監督は「今の選手たちは非常に仕上がりが早い。そこまで仕上げてこられている若手にすごく興味がある」と意図を説明した。4年ぶりに指揮を執る指揮官は、昨秋の宮崎キャンプで若手戦力の把握に努めた。その理解を深めるとともに、一冬を越えた成長にも期待の目を向ける。
3日の紅白戦は中日と同じスケジュールだが、1、2軍が対戦する形式も肝だ。この日の会議で「9割方決めた」というメンバーの振り分け。その序列をすぐにひっくり返す可能性を秘める。10、11日にも紅白戦が予定され、13日から沖縄に移動して2次キャンプ。原監督も「13日でメンバー再編という形だね」とアピールに成功した選手の抜てきを示唆した。
吉村1軍打撃総合コーチが「チーム内の競争は監督が勝つために一番大事にされているところ。良いものを見せてくれれば、入れ替わる可能性はある」と言えば、宮本1軍投手総合コーチも「サバイバルだからね。早めに首脳陣の目に焼き付くぐらいのピッチングを期待したい」と語った。のし上がる機会をうかがう若手にとっては大チャンス。まだ肌寒いはずの宮崎で繰り広げられる熱いアピール合戦に注目が集まる。 (小林孝一郎)