一般的な知名度は高くはないが、2019年要注目の好選手がいる。滋賀県日野町出身のレスリング男子グレコローマン130キロ級のアジア大会銅メダリスト・園田新(ALSOK)。昨年12月の全日本選手権では圧倒的な強さで他を寄せ付けずに5連覇を達成し、優勝インタビューでは「勝って当たり前と思われている。うれしいのひと言にしておきたい」と言ってのけた。とにかく国内無敵の強さなのだ。
この園田が大胆なチャレンジを計画している。2月から約3カ月間、ヨーロッパの強豪国へ自費で武者修行に出掛ける。「海外には行きたいとずっと言ってきたけど、なかなか実現できず、自分の中で海外が怖いと思っていた部分があった。(海外に行くという)気持ちになれたのが誇らしい。強くなって帰ってきます」と血気盛んだ。
レスリング男子はグレコローマン、特に重量級は層が薄く、世界との差が大きく開いている。園田もアジア大会でこそ好成績を残したが、世界選手権では初戦敗退を繰り返してきた。「そもそも日本には練習相手がいない」と園田。東京五輪に向けてレベルアップするため、今、強豪国でもまれる必要があると判断したようだ。
自腹での出費額は3けたに達するらしい。安くはないが、園田は「自分のお金で行くわけですから、無駄にならないよう、今しかないという気持ちで使ってきます」。果たして自費修業は高くつくか、格安ツアーとなるのか。24歳の変身に期待したい。 (木村尚公)