NGT48の山口真帆が暴行被害を告発した件について、14日、運営側が謝罪会見を開いた。グループの劇場支配人の交代劇で事なきを得ようとしたようだが、事件にはいまだ疑問点が残っており、ファンが納得してNGTを応援できるような状況とは到底言えない。ネットでは事件に関与した「あるメンバー」と、犯人グループと見られる一味の存在などについて、新たな疑惑も浮上している。
14日、NGT48を運営する株式会社AKSは都内で会見を開き、NGT48の支配人・今村悦朗氏の“異動”を発表。AKB48やNGT48を運営する「AKS」の運営責任者である松村匠取締役および、NGTの新支配人に就任した早川麻依子氏、新副支配人の岡田剛氏らが一連の騒動について謝罪した。ちなみに松村氏は、元フジテレビ局員であり、秋元康氏が『とんねるずのみなさんのおかげでした』でブレーンを務めていた頃からの旧知の間柄だという。
会見では、一部で取り沙汰されているメンバーの事件への関与についてあらためて否定。「NGT48メンバーの中で違法な行為をした者がいたのであれば、加害者たちと同じように送致されるはずですが、今回、メンバーは誰も送致されておりません。したがいまして、当社としては、メンバーの中に違法な行為をした者はいない、と考えています」とした。しかし記者からの詳しい質問については、「事件内容は捜査に関わるのでコメントを差し控える」と、歯切れの悪い回答を繰り返した。今後、第三者委員会を設けて調査を続けるとしている。
こうした運営の対応について、初動の遅れはもとより、責任者であった今村氏を雲隠れさせたことなどについても、ファンからは批判が集中。事件への説明もまるで足りておらず、AKSへの不信感は高まる一方だ。
いまだ残る疑問点 「あるメンバー」と「Z会」の存在
事件の疑問点はいまだいくつも残る。
まず、被害者である山口真帆が、告発動画やツイートで複数の「あるメンバー」の関与をほのめかしていたこと。山口は、被害を告発したツイッターで「あるメンバーに公演の帰宅時間を教えられ、あるメンバーに家、部屋を教えられ、またあるメンバーは私の家に行けと犯人をそそのかしていた」「寮の向かいのメンバーの部屋から男が出てきた」と告白している。
一方で運営側は、道で犯人グループの男に山口の帰宅時間を尋ねられて「教えてしまったメンバー」がいる、と説明していた。運営側の主張と山口の告発は明らかに食い違うが、この点について「山口の誤解だ」といった主旨の説明をすればいいはずなのに、運営は明らかにこれを避けている。メンバーの事件関与がないのであれば、ここを明確に否定し、またその根拠を示すべきだろう。「違法な行為をしたメンバーはいない」との説明では、メンバーが犯人グループに関与していた可能性までを否定できていない。
もしもNGT48のメンバーが犯人グループと面識があり、山口の帰宅時間を意図的に教えていたとすれば、事件の本質が「ファンの暴走」とは変わってくる。本当に「あるメンバー」の関与はないというのであれば、山口の証言と照らし合わせながら事件のあらましを説明すべきだ。