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【サッカー】

原口PK弾も…「このままじゃ勝てない」 喜べない決勝T進出

2019年1月15日 紙面から

決勝トーナメント進出を決め、タッチを交わす吉田(22)ら日本イレブン=アブダビで(共同)

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◇アジア杯 日本1-0オマーン

 【アブダビ(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア杯は13日、当地で1次リーグF組第2戦があり、日本(FIFAランク50位)はオマーン(同82位)を1-0で破り、2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。前半28分、MF原口元気(27)=ハノーバー=がPKを決め、そのまま逃げ切った。日本は17日の1次リーグ最終戦で同組1位通過をかけてウズベキスタン(同95位)と対戦する。

 ゆっくりとした助走から、勝利をたぐり寄せる弾丸がネットに突き刺さった。前半28分、自ら倒されて得たPK。原口は相手GKをじっと見詰めながら、蹴る直前まで迷っていた。

 「緊張した。相手のGKが(好セーブを連発して)当たっていたので、最後まで(動きを)見ようかなと思ったけど…。コースはすごく気をつけて強めに蹴りました」

 代表通算9点目は、プロ人生でわずか2度目のPK弾。気持ちをしっかりと右足に乗せ、ゴール左隅へねじ込んだ。

 新体制が発足して以降、堂安、南野、中島ら新世代の台頭によって、原口の序列はサブに下がった。ベンチからまばゆい活躍を眺めながら、「彼らを追いかける立場。刺激を受け、危機感がある。いまは、競争を楽しんでいる」と言い続けてきた。

 我慢ではなく、まさに切磋琢磨(せっさたくま)。W杯組としての意地、選手としての本能。すべてを感じ、受け止めつつ、日本が強くなるために-と心を砕く原口がいた。

 「どんな状況でも力を出せるのが強み。チームがうまくいかない時に、もしかしたら自分の良さが出るのかな」。大分の寒空の下でそんな言葉を残した2カ月後、アジア杯で苦境に陥りかけたチームを“予告通り”引っ張った。

 勝利のハイタッチもそこそこに、原口は仲間たちとピッチ上ですぐさま反省会を開いた。「このままじゃ、決勝トーナメントでは勝てない」と厳しく言い放ち、「アジア(王座)を獲らないと肩の荷は下りないと思う。そのプレッシャーを、楽しみながらやっている」。中心軸として重圧、使命感を背負い、原口は頂へと歩みを進める。

 

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