おっさん座談会
性格もキャリアもバラバラだけど、
なぜか気の合う1995年入社の同期3人組。
個性豊かなおっさんたちが、これまでのフジテレビ人生を振り返り、
そしてこれからのフジテレビについて、あちこちと話が脱線しつつも、
本音で語ってくれました。
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人事局
人事局
労務厚生部右近 照久 1995年入社
ドラマ、ネットワ-ク、営業、新規事業、秘書など複数部署を経験、現在働き方改革推進中。
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営業局
営業局
首都圏営業センターローカル営業部明松 功 1995年入社
バラエティで長らく『めちゃ²イケてるッ!』を担当、2年前に営業に異動。
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編成局
編成局
アナウンス室伊藤 利尋 1995年入社
アナウンス室一筋のベテランアナウンサー。
俺たちがフジテレビに入った理由。
伊藤:そもそも、なんでフジテレビに入社したの?
右近:俺はドラマで監督になって、ゆくゆくは映画監督になりたいという夢があって、当時ドラマも映画も当たっていたフジテレビを志望したんだよね。
明松:ドラマをつくりたいと思った、きっかけは?
右近:中学、高校と全寮制の学校に通っていて、その抑圧された生活の中で映画やドラマへの憧れが強かったからかな。
伊藤:明松は大学で建築を学んでたよね。建築士になろうとは思わなかったの?
明松:思ってたんだけど、大学時代はアメフト漬けの毎日で、たまの休みに録画しておいた『ごっつええ感じ』『みなさんのおかげです。』を見るのが好きだったんだよ。あとは、アメフト部の先輩がフジテレビに入って、「いい会社だぞ」って言われたのがきっかけかな。
伊藤:じゃあ、「バラエティつくりたい!」って入社したわけじゃないんだ。
明松:好きではあったけど強い意志とかじゃなかった。伊藤は?
伊藤:僕は結構早いうちから、アナウンサーになってスポーツ実況をやりたいと思ってたんだよ。で、当時一番人気のあったフジテレビを受けたわけ。TBSも受けたけど…。
フジテレビ人生を振り返る。
伊藤:それぞれのフジテレビ人生を振り返ろうか。右近は本当にいろんな部署を経験してるよな。
右近:俺は希望していたドラマ制作に配属されて、はじめはADとして雑巾掛けから釘拾いまで、何でも勉強と思って食らいついていったよ。それで念願の映画制作にも携われて、ようやく楽しくなってきた矢先に、突然ネットワーク局への異動が決まりまして。今思えば、あれが、会社人生のピークをかもね(笑)
明松:そのときはどう思った?
右近:ものすごく落ち込んだ。コンテンツを制作する事がフジテレビに入った意味だったからね。
でも制作現場以外で出会った先輩方が面白かったり、素晴らしい人だったり、スポット営業部での経験も会社人生で一番勉強になったりと色んな意味で収穫の方が多かったかも。
伊藤:いろんな思いはあっただろうけど、制作現場もネットワークも営業も経験してきたキャリアは、財産になったということ?
右近:そうだね。だからその後も配信や新規事業、秘書と様々な仕事をするんだけども、どれも貴重な財産だね。
伊藤:一方、明松はバラエティ一筋21年だもんな。
明松:3年目に『めちゃ²イケてるッ!』のADになったとき、演者さんとの距離が近くて、いっしょに番組をつくってるという感じがすごく楽しかった。自分が必死で選んだ写真がオンエアに載るだけでうれしいじゃない? 貢献できた感じがしてさ。ディレクターになってからは、自分が編集したVTRを先輩にがっつり直されるんだけど、、、たまに抵抗しても完全に論破されちゃうんだけど、、、その度に自信をなくしちゃうんだけど、、、やめようとは1回も思わなかったな。やりがいがあったから。
右近:同じ部署でもいろんな仕事があるよな。伊藤の会社人生も語ってよ。
伊藤:入社4年目かなぁ。ディレクターの指示通りに動いて、喋るのがつまらなく感じて、要は生意気だったんだけど。ずっとディレクターへの異動希望を出してたんだよ。そんなときフリーのディレクターの方に、「今は、アナウンサーをやめるな。この先それでもディレクターになりたかったら、ウチの会社で雇ってやるから」って言われて、今の仕事に踏みとどまったことがあるんだ。
明松:へぇー、すごい話だね。
伊藤:そんなことがあったから、心を入れ替えてアナウンサーという仕事に本気で向き合わないとダメだなって思って。そしたら制作スタッフとの信頼関係もできてきて、少しずつ自分の好きなように喋らせてもらえるようになったかな。そうすると、もう一歩進んで、みんなでいっしょにモノづくりをする楽しさがわかってきたという感じ。でもテレビって、結局そこがすべてじゃない?『めちゃ²イケてるッ!』なんて、まさにそうだったんじゃないの?
明松:もちろん、そういうチームの一体感みたいなもの、空気感は画面から醸し出るからね。みんなそれを信じてやってたよ。
伊藤:おっさんが青臭いんだけど、この年になったから、むしろ恥ずかしくなく言えるよね。いっしょにモノづくりをすることが、究極に面白いんだよな。
右近:フジテレビって、普段はみんな好き勝手なことをやってるけど、いざ向かう方向が決まると、一致団結できる会社だよね。
伊藤:そんなモノづくりの楽しさを、この中で一番知っている明松プロデューサーが、営業に異動になったじゃない?
右近:あれは驚いた。
明松:正直、悲しかったね。もう俺は番組に必要とされてないのかなぁ、と思った。デイレクターの道を自ら断ってプロデューサーに転向したのも、ただ番組に貢献したかったからなのに、、、ってね。でも、営業の人が俺を引っ張った理由をはっきり言ってくれたのと、バラエティの先輩に「辞めるのはいつでも辞められるよ。今がベストなの?」って言われて、そのふたつの言葉で、なんとか折り合いをつけられたのかなぁ。
伊藤:アナウンサーだって、番組が変わるのは人事異動みたいなもんだからね。そういう意味では気持ちもわかる。
でも営業局でもこの間放送したけど、ドラマとCMにもう少し一体感が出せないかとか…新しいモノを作る仕事をやってるんでしょ?
明松:まあテレビ局として広告というものにいかに価値をつけられるかという試みの1つかな。
右近:俺もいろんな部署に行ったけど、20数年働いていく上では、それぞれのフィールドで前向きに勉強しようって姿勢が大切かもね。
おっさんから、就活生へのメッセージ。
伊藤:最後は、就活生へのメッセージだね。我々の若い頃には過酷な仕事も無かったわけではないけど、最近の制作現場の働き方はどうですか? 人事の右近さん。
右近:時間的な制約の中でも良いものをつくろうと頑張ってますよ。
伊藤:僕らの世代はテレビが大好きで、テレビ業界に憧れて入ってきたけど、今の世代の人たちにとってのテレビは、当時の僕たちとはテレビの捉え方が違うんだろうね。でも、こちら側に入ってモノづくりをする喜びや面白さは変わらないと思う。
明松:確かに、テレビを取り巻く状況は変わったけど、モノづくりへの情熱は不変だよ。辛いことも多いけど、その何百倍、何千倍と宝物のような一瞬がもらえるからね。
伊藤:ただ番組をつくるということじゃなくて、これからのテレビのあり方そのものをつくって欲しい。
明松:そうだね。もっとデカイ夢を持ってもいいんだよね。メディア王になるとかさ。
伊藤:俺は生意気なヤツに入ってきて欲しいかなぁ。
明松:ちょっとうらやましいよ。もし自分が今の時代に新入社員で入ってたら、もっとなんでもありなんだから。
伊藤:テレビ業界全体が過渡期だからね。これからの人たちは今のテレビの枠組みさえ超える大きなモノをつくることになるんじゃないかなあ。
右近:しかも「効率良く」ね。
明松:さすが、人事局員。