ブレーキ製造大手の曙ブレーキ工業は、1978年に同社の独自技術を用いて開発したAD型ディスクブレーキ(フローティングタイプディスクブレーキ) や高性能車用ディスクブレーキ(オポーズドタイプディスクブレーキ)の開発で培った技術ノウハウをベースに、既存のAD型ディスクブレーキの構造を大幅に見直し、自動車の電動化への対応と地球環境保全に配慮した新タイプの「新構造ブレーキキャリパー」を世界で初めて開発した。

同ブレーキキャリパーは素材にアルミを用いており、最大30%の軽量化を実現し、車両の燃費向上に貢献するとともに、既存製品に対してブレーキパッドの偏摩耗を1/5程度に低減させただけでなく、車両搭載性やデザイン性も考慮した画期的な製品とのことだ。



(画像は、従来タイプをベースとし、東京モーターショー2017に出品された高性能量販車用新開発10ポットブレーキキャリパーのプロトタイプの参考画像)

今後は、年内に開発を完了させ、2019年に生産体制を構築。将来は新構造ブレーキキャリパーを軸として同社で継承されてきた技術と新たな差別化技術の融合、発展を図っていき、電動ブレーキキャリパー、商用車用、産業機械用ブレーキキャリパーほか技術の連続性を視点に、この新技術を幅広い製品に展開していくとのことだ。


(画像は、東京モーターショー2017に出品された MR流体ブレーキのプロトタイプ )

自動車の電動化で搭載システムが複雑になる中、ブレーキに対しては、制動力の安定化や軽量化、低引き摺りに貢献する製品開発が求められてる。同社は、機能を兼ね備えた美しいデザインを追究した新構造ブレーキキャリパーで新しい価値を提供していくとのことだ。

東京モーターショー2017には、以前ご紹介したブレーキパッドを使わないMR流体ブレーキも出展されており、EV化による回生ブレーキとの併用を見据え、これまでにないブレーキが続々と誕生するかもしれない。

(補足:新構造ブレーキキャリパーの新構造については、同社より、特許申請中につき、具体的に公開できないとの回答をいただいております。続報にご期待ください。)

■関連サイト
曙ブレーキ 公式サイト
http://www.akebono-brake.com/

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