やるのはラクだけど、こだわると動画編集と同じくらいの地獄が待つ。
パソコンで生放送をやる場合、まず最初に意識するべきポイントとしては、録画ソフトの設定で「どうやって処理させるか?」を選択しなければいけないということ。
大まかに分けると2つの方式があって、求める画質と配信環境に合わせて、ベストな選択をしないといけないんです。
ソフトウェアエンコード | 「x264」と表記している録画ソフトが多い。高画質。 とにかくCPU性能が求められる。 |
ハードウェアエンコード | 使っているパーツによって、「QSV」とか「NVenc」とか「VCE」とか分かれる。 CPUのグラフィック処理チップ、もしくはグラフィックボードで処理する方式。 ファイル容量が大きくなってもいいのならそれなりに綺麗。 |
ゲームの録画とか、YouTubeへの動画投稿ならばビットレート設定を特盛にしたハードウェアエンコードで十分。
思い切って30Mbpsぐらいまでビットレートを上げてしまえば、1920*1080の60fpsでもほとんど劣化なく録画ができる。
ただ、生放送の場合は2M(2000k)bps~5M(5000k)bpsぐらいまでビットレートを下げる必要があり、そうなるとハードウェアエンコードでは露骨に画質が落ちてしまう。
こうした使い方をする場合、より圧縮率が高く高品質なソフトウェアエンコードがまだまだ必須かなと思うね。
要するに、敷居が低くてお手軽な生放送も、本気でやり込むならとことん金が必要になるということ。
動画の録画(編集なし) | 生放送 | |
高画質 | ファイル容量を気にしなければ、 2万円程度のグラボでOK。 (録画ソフトの設定でNVenc,VCE等を選択) | ソフトウェアエンコードを選択。 8コア以上の最新CPUを推奨。 |
普通 | グラボ非搭載PCでもゲームの画質を下げれば可。 (録画ソフトの設定でQSV,VCE等を選択) PS4 Pro単体でも可能。 | ハードウェアエンコードを選択。 PS4 Pro単体でも可能。 |
低画質 | PS4単体でも可能。 | PS4単体でも可能。 |
海外のストリーマーが、やたらと16コアCPUを使いたがるのって、こういう事情があるのかなと思うね。
高画質な生放送だとCPU処理性能が高くないといけないし、ゲームをやるなら高いグラボも必要になる。
結局、動画編集をやっている人間と変わらない環境が、とことんこだわるならば生放送でも必須になるわけですわ。
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こうやって見ると、28000円でゲーム性能はそれなり、最低限の録画・生放送ができるPS4ってコスパ最強かなと思う。
もっとキレイな録画を望む人で、編集も生放送もしないのなら、8~11万円ぐらいのデスクトップPCになるのかな。
(素直にGTX1050TiやRX560以上のグラボをつけましょう。最近はドラクエ10でもこれぐらいないと最高画質のフレームレート60fps張り付きは見込めない。)
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スコルパイドやレギルラッゾって、映像品質が急激に劣化しやすいので、動画の品質を検証するには最適なんです。
(紫色の煙とか床のレンガっぽい質感が、動画の変換処理で負荷がかかりやすいのだろう)
ニコ生+PS4では視聴不可能な状況に陥りやすく、YouTubeでも撮影環境の違いが露骨に現れます。
生放送をやるなら、海外のプロストリーマー級の環境を揃えないと、やっぱり映像が汚いと思われてしまうんじゃないかな。
単純にファイル容量を気にせずに録画するだけなら、とりあえずグラボが刺さっているゲーミングPCの平均クラスがあれば…ってとこだろう。
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・ライブorストリーミング(生放送)
・レコーディング(録画)
・リモート(スマホ遠隔操作)
・シェア(画像・動画の投稿機能、GIF出力など)
最近のゲーム用パーツで売り文句になっているのは、だいたいこのあたり。
単純にゲームを遊ぶだけならPS4やスイッチで十分なんで、こういう付加価値をつけていかないと値段に見合う価値を生み出せないということだろう。
どちらかと言うと、日本のゲーマーは一人でひっそりと遊びたいという人が多いので、なかなか値段とのバランスが取れていないと思われやすいのかもしれないね。
みんなで盛り上がりたいという場合も、日本ではスマホゲームの方がそういうソーシャルな欲求を満たしてくれるので、SNSが好きそうな人はそっちに流れちゃったわけです。
こういった海外との溝を埋めるために、最近は任天堂さえも「ゲームの競技化(プロゲーマー路線)」を目指しているみたいだけど、正直なところ成果を出しているとは言いづらい。
パチンコ業界もそうだったんですけど、思ったようにユーザーが増えないと、なぜか敷居を上げる方向に動きがちなんです。なぜかはわからない。なんでだろうね…。
常々申し上げているように、競技性を高める前に、まずはエンターテイメント性を高めていかないと日本の市場が変わることはないです。
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マックスむらいみたいな一般受けするカリスマが、生放送分野にも現れれば変わるのかもしれないけどね。
ソシャゲ=YouTubeという形を作ったのって、間違いなくマックスむらいの功績だと思いますし。
(ニコ生とズブズブな関係だったガンホーを裏切って、YouTubeに活動拠点を移すという平成最大の選択をしたのが勝因。尚、その後は…)
日本の生放送に足りないのは、こういうやつ。
対戦レートが平均以上で、カメラの前のパフォーマンスが超一流なタイプ。
ポケモンとかマリオカートに限れば、こういう人もいろいろいるんですけど。
その他の分野でいうと、配信の環境がお粗末すぎて埋もれちゃっているのかなという印象を受ける。
彼らがツクモやドスパラに頻繁に通うような市場にならないと、その先の先にあるプロゲーマー市場なんてものは、海外ほど流行らないんじゃないかなあ…。
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プロゲーマー養成学校とかYouTuber養成学校なんてものもありますけど、あんなのに払う学費があるのなら、50万円ぐらいの超スペックPCを与えて3年ぐらい好きなことさせたほうがいいと思うね。
世界1位にならなくても、国内186位ぐらいで生きていける道を模索させた方が、いろんな意味でたくましい遊び人に成長するだろう。
実はネットを調べるうちに、自分とまったく同じ考え方をしている人は少数ながら見つけることができるんですが。
だいたいアニメのエンコードを探求している人とか、よくわからない電子工作をしている人とか、いわゆる魔界のS級妖怪みたいな人ばかりで友達になれそうにない…。
いや、自覚がないだけでオレも彼らから見たらS級妖怪に成り果てているのかもしれないけど。
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23:00から現実逃避してツイッチやります。
https://www.twitch.tv/maimaishi
どうもチャンネルを開設した直後は「画質の選択」ができないらしく、生放送を2回か3回やると解禁されるらしい。
レオパレスとかの低速ネット回線だと、画質選択できないとマトモに放送を見れないという話も耳にするし、これは早急に解禁させておきたい。