中華人民共和国の野望?
中華人民共和国広東省深川(サムチェン)特別経済地区には、香港の時計会社の工場が建ち並びます。
日本で販売されている安い”自称”スイス製や、雑誌に広告を載せている著作権法違反スレスレ時計は、
香港の時計製造会社に発注された後に、ここサムチェンに丸投げで生産されています。
香港の時計業界専門雑誌にスレスレ時計が、見本としてメーカー名を消されて掲載されていました。
最低ロット500個をクリアすれば製造可能だそうですので、興味の御方は製造されてみてはいかがでしょうか?
また、最近ではビーナス系、バルジュー7750系までデッドコピーされているのには驚きます。
左)強引に横目に改造された7750<すぐ壊れます 右)ジュネーブ彫り仕上げのピーコビーナス<リセットレバーの軽さに驚きました
日本でも、こちらの機械を積んだオリジナルブランド時計が激安で販売されていますが、
こちらの機械、特に7750系は部品の材質に問題があり、日本国内市場では恐らく問題になると思います。
裏伊藤家の食卓技ですが、オリジナルのETA7750と中華7750の振動数の違う輪列以外は、
ほぼ互換性があり、中華7750にETAの純正部品に交換することが出来ます。<ブリッジまで使用可能です。
切り替えレバー、切り替え車も純正を搭載可能ですので、部品代1万円以下で安心して使用できることが出来ます。
ただし、OH工賃は含まれていないことをお忘れなく・・・・・・。
近いうちにオメガに中華7750のブリッジを移植した、
ヨゴレスピードマスターを紹介させていただく際に、
詳細を掲載するつもりです。
話をファイブに戻しますが、
勿論、ファイブのコピーも存在します。
電池で動く、ラオスの山奥で売られるような駄目なコピーはさておき、
現在では手巻き、ハック機能まで追加されたセイコー7S系のコピームーブも存在します。
某オークションでは7Sをベースにしたレトログラード、パワーリザーブ付きムーブを搭載した時計を目にします。
大陸で突然変異を起こした7Sは、亜種を生み出しながら異常繁殖している生き物のようです。
こちらは手巻き、ハック付きの7Sのコピーです。微妙にマジックレバーが見えます
今回入手したのは、80年代頃に生産されたセイコー7009のオリジナルと大陸コピーです。
左右どちらがオリジナルか見比べてみてください。
正解は左が中華7009で、右がセイコー7009です。
見分けるポイントは、ローターの肉抜き部分と、テンプブリッジの刻印の深さです。
また、ブリッジにヘアライン加工してあるのがオリジナルの特徴ですが、
こちらは年代により仕様が変わりますので、知らない人には困難だと思います。
また、見事なまでの中華思想(安さが命)により作られた文字盤も入手しましたのでご覧ください。
こちらは上下エンブレムの形状がオリジナルとは異なりますので、
お手持ちのオリジナル文字盤と見比べてみてください。
80年代から進歩していないデザインが00年代には斬新に映ります・・・・。
とりあえず、中国のコピー産業って何でもアリですごいですね・・・。
日本製、台湾製の精密部品加工用機器も香港で大々的に宣伝しているので、
そのうち9S辺りまでコピーするのでは??