働く人の出張めし
~広島で必ず食べるべき地元限定グルメ6軒~
2018.05.24ANAオリジナル
広島駅から車で10分以内! 繁華街にある地元民おすすめの名酒場3選
広島の夜を楽しむなら、広島駅から西寄りに広がる繁華街・流川エリアがおすすめ。グルメな店もたくさんありますが、あまりにも店が多すぎるといい店を探し出せずにハズレを引いてしまうことも…。
そこで今回は、広島ならではのお酒とグルメを味わえるローカル感満載の名酒場を紹介。酔っぱらってもタクシーで帰れて安心な、広島駅から車で10分以内のイイ店を厳選しました!
仕事後の1杯目は極旨ビールで乾杯! ビールスタンド重富
仕事終わりのビールは格別。それがおいしければ疲れもストレスも吹っ飛びますよね。そんな最高の1杯を提供してくれるのが、銀山町にある「ビールスタンド重富」です。
"2時間の営業でひとり2杯まで"なのに連日行列!
メニューはビールのみで国内銘柄を1種類。3月から翌年1月まではアサヒ樽詰め生ビール、2月はキリンラガー・サッポロ黒ラベル・サントリーモルツが10日間で入れ替わります。営業時間は1日たった2時間、おつまみナシ、ひとり2杯まで…と独特の営業スタイルながら、平日にも関わらず開店前から行列が出来るほどの人気ぶり。
「ビールスタンド重富」は、重富酒店の軒先にある10人も入れば満杯の小さな角打ち。店主の重富さんによる、平成と昭和のサーバーを使い分けた絶妙なテクニックで注がれる樽生ビールが客のお目当て。注ぎ方を変えるだけでいつものビールの味わいが劇的に変わるというのです。
一度注ぎ、二度注ぎ、三度注ぎを飲み比べ
まず注ぎ方でビールを選びます。喉を駆け抜けるような爽快感の「一度注ぎ」、爽快感に旨みをプラスした「二度注ぎ」、甘みが増してやわらかい味わいの「三度注ぎ」、現在のスタンダードでキリッとシャープな味わいの「キリットタイプ」、苦み・炭酸が苦手な人向けの「マイルドタイプ」。そのほかなめらかな泡が特徴の昭和のサーバーや、炭酸と苦みが特徴の平成のサーバーを使った裏メニューもあり。
1杯目は「一度注ぎ」がおすすめとのことで作っていただくことに。勢いよく一気に注ぎ、注ぎながらビールをグラスの中で回転させることで、余分な炭酸を抜いて雑味を泡に閉じ込めます。
同じビールなのに違うおいしさに感動!
グビグビッと勢いよく飲んでいくと、ビールが気持ちよく喉をスルスル~っと流れていきます。とにかく旨い! 大抵のビールはおいしいけれど、この爽快な喉越しは感動的です。
そして2杯目は「三度注ぎ」を注文。一度注ぎよりもモコモコしたたっぷりの泡が特徴的。飲んでみると一度注ぎよりまろやかで旨みも濃い印象。こっちも驚くほど旨い!
なによりビックリなのが、どちらも同じ銘柄のビールだということ。何も知らなければ違うビールと言われても疑わないほど、味わいが全く違うのです。こんなにビールがおいしく作れるのは、注ぎ方はもちろん、サーバーや樽の管理も徹底しているからこそなんですね。
「おいしいビールの注ぎ手を増やしたい」
「ビールはもともとおいしいものなんです。ウチの樽もよその樽も中味は同じ。いい道具ときちんとした管理、おいしく注ぐ技術があれば、おいしいビールが提供できます。仕事終わりにその日の疲れをビールで流す。そのビールがおいしければ、一緒に飲む人との距離も近づくし、明日もおいしいビールを飲むために頑張ろうと思えますよね。でも提供するお店がビールを不味くしちゃってるんです。私はおいしいビールの注ぎ手が増えるきっかけになりたいんです」(重富さん)
ビールの解説はもちろん、ビールを注ぐ見事な手さばきもかっこよく、ビールを待つ間も楽しませてくれます。百聞は一飲に如かず。注ぎ方で変わる、感動的にうまいビールをぜひその喉で確かめてみてください。
- ビールスタンド重富
- 住所:広島県広島市中区銀山町10-12
- 電話番号:050-3635-4147
- 営業時間:17:00~19:00/不定休 ※HPで要確認
- URL:http://sake.jp/
広島ご当地グルメ「ウニクレソン」の元祖! 中ちゃん
広島の隠れご当地グルメのひとつ、「ウニクレソン」。広島には「ウニホーレン」(ウニとほうれん草)というグルメもありますが、それのクレソン版。人気漫画『ワカコ酒』で紹介されたことで、その存在がじわじわと県外にも広まりつつあります。
ウニクレソンが食べられるお店も広島市内に増えてきていますが、その発祥の店が昭和45年創業の「中ちゃん」です。この界隈で飲んでいる人なら、知らない人はいないほどの有名店。お店は"ウニクレソン"という洒落た響きとは裏腹な、鉄板カウンター主体の屋台風の佇まいでこのギャップもなんだか面白い。
とりあえずビールとお目当ての名物を頼みます。目の前の鉄板でまずバゲットが焼かれ、次にクレソン、バター、そこにウニ1箱をドカッ!! なんて大胆で豪快! 醤油を加えてそのまま勢いよく炒め合わせ、塩コショウを振ったらあっという間に完成。
この魅力的な組み合わせ、おいしくない訳がありません。鉄板の上で軽く火が通ったトロトロのウニの甘さとほろ苦いクレソンの相性が抜群で、香ばしい醤油バターの香りに食欲がそそられます。
具をバゲットに乗せて、ウニが溶けたバターソースをつけながら食べるのが中ちゃん流。この組み合わせは反則レベルのうまさ!
メニューを見ると舌ビラメのバター焼きやステーキ、タンシチューなどの洋食、のどぐろの煮つけ、中華そばまでなんでもアリ! メニューバリエーションが豊富なところも中ちゃんの魅力ですが、そもそもは何屋なんでしょうか?
「先代の話によると、最初はお好み焼きだけやってたけどお客さんがあまり来なくて何でも出すようになったらしいです。先代は洋食出身だったので、ウニクレソンとか洋食風のメニューが生まれたんでしょうね」(二代目店主・宇高さん)
鉄板を囲むカウンター席のほかに、別のカウンター席と4人掛けのテーブル席、個室もあり。夜風が気持ちいい季節は扉も開けっ放しで開放的。カウンター席ではお隣客と自然と会話が始まることも多く、歴史ある広島の街の人情味が伝わってくるような庶民的な雰囲気に和みます。ウニクレソン以外のメニューも絶品なので、ぜひお腹を空かせて来店を。
- 中ちゃん
- 住所:広島県広島市中区弥生町6−8
- 電話番号:082-243-6067
- 営業時間:18:00~売り切れまで/日曜、第3月曜休
朝から飲める駅近の老舗大衆酒場「源蔵本店」
繁華街まで行かなくとも、車や電車に乗らずとも、広島駅の近くにも地元に愛されるイイ店が点在。その中でもおすすめしたいのが、広島駅から歩いて行ける「源蔵本店」です。
こちらは朝9時30分から夜21時30分まで営業している昭和23年創業の大衆酒場。仕事終わりの1杯はもちろん、朝飲み昼飲みもできる呑兵衛にありがたい1軒。駅も近いので、出発まで1時間だけ飲みたい時などにももってこい。
店内の壁に張りめぐらされた短冊札を見渡すと、酒のつまみに混ざって海老フライ定食や豚かつ定食などの定食メニューや丼ものもあり、食堂も兼ねた居酒屋といった具合。
その昔は魚市場に店を構えていたそうで、市場で働く人たちの大衆食堂だった時代の名残りが今も残っているそう。定食屋として利用する人も多く、昼時になるとサラリーマンたちが次々に訪れます。
「源蔵本店」の自慢は、刺身をはじめとする魚料理。瀬戸内海や山口県の光沖で水揚げされる魚介類を、店主が市場や漁師から直接仕入れているそう。その日のおいしい魚が毎日10種類前後揃う充実ぶりで、広島近海の海の幸を堪能できます。
しかも、鮮度と味は抜群なのに大衆酒場な価格帯もうれしいかぎり! 刺身は500円台、小鉢は一番安いもので100円台からありコスパも文句なし。この日はありつけませんでしたが、広島の代表的な魚、小イワシも6月の漁解禁日以降はメニューに載るそう。くぅ、食べたかった!
魚がおいしい店に来ると飲みたくなるのが、おいしい日本酒。広島県の地酒だけを扱い、呉市・相原酒造の「雨後の月」や、三原市・醉心山根本店の「醉心」など全部で6銘柄をラインナップ。
週末や野球のデーゲームがある日の昼と夕方は混むそうなので時間をずらしての来店がおすすめ。店の近所には、小さな店が連なる「駅前横丁」もあるのではしご酒も楽しめますよ。
昭和の大衆食堂で飲んでいるようなノスタルジックな気分に浸りながら、広島の地魚と地酒で一献傾けては?
- 源蔵本店
- 住所:広島県広島市南区猿猴橋町5-18
- 電話番号:082-263-3855
- 営業時間:9:30~21:30(21:00L.O.)、日曜・祝日9:30~21:00(20:30L.O.)/月曜休
駅から繁華街へも近く、駅周辺にも渋い横丁がある広島は飲み歩きするのに絶好の街。家庭的な雰囲気で一見客でも入りやすく和める店が多いのも魅力です。広島の夜を楽しまずに帰るのは損ですよ!